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リスク回避をベースに設計した人材要件が圧倒的なオペレーションの最適化につながった話

※必要最小限の時間で撮影しました。撮影の時のみマスクを外しております。

UbieにはUbie DiscoveryとUbie Customer Science(以下UCS)という二つの組織が内在しています。前者は事業開発や組織開発など0から10の開発特化し、後者はマーケティングやセールスなど10から100に拡張する役割を担います。一つの企業をフェーズで分けた二つ組織。この構造を活かすための最適解は、組織運営方針そのものも二つの組織で分けることでした。 (※二つの組織の話については採用のために分けた組織がお互いの採用ブランドを毀損していたため、二組織同時改称しましたをご参照ください)

したがって、Ubie DiscoveryとUCSは共通のビジョンとミッションを持ちつつ、様相がまったく異なる組織をそれぞれ編み出しています。バリューやカルチャーの定義も両者で存在し、それに伴う採用や報酬、制度も別個です。

今回焦点をあてるのは、UCSの組織運営方針の採用面でのこだわりです。組織の根幹となる人材採用について、最速でスケールを実現するための設計に向き合った結果、では独自の人材要件が生まれました。

人材要件が生まれた経緯と展望について、その設計に携わった柴山と小出、人材採用を主担当とする松山が語ります。


最速のスケールを目標にリスクを洗い出し、因果関係を図式化

松山「人材要件を設計したのは、たしか2020年4月頃。私が入社する前でしたよね」

小出「そうです。UCSのメンバーが3~4名しかいない頃でしたが、組織拡大に向けて採用にこだわりたいね、と人材要件作りを始めました。私たちが掲げた採用の軸は、『事業を最速でスケールさせること』。これはUCSの存在意義であり、開発とスケールで組織を分けたUbieだからこそ設定できる軸でもあります。スケールのスピードを増し、インパクトを高めるためにどんな人材が必要なのか?その問いの答えを人材要件に反映したかったわけです」

松山「そのための思考プロセスとして、まずUDE(Undesirable Effect)を採用したんですよね。組織として望ましくない、起こってほしくないことを洗い出すところから……」

課題洗い出し

小出「ポストイットやらホワイトボードやらを使って、UCSとしてやるべきではない行動を全員で挙げて、フィードバックを繰り返していきました。ちなみに私は今まで採用に携わった経験がなかったので、思考のメソッドに関しては柴山さんがアイデアをくれましたよ」

松山「柴山さん、UDEから人材要件作りを始めたのはなぜですか?」

柴山「組織というものの不可逆性が高いからです。もしも可逆性の高いものを作るのならば、テストして生じた問題をもとにフィードバックを繰り返せば良いのですが、組織に関しては数年スパンのフィードバックがないと善悪の判断ができません。将来的に起こりうる失敗やリスクを洗い出し、それを回避し得る行動や人材像を可視化して人材採用に臨めば、結果的に最速のスケールに直結するでしょう」

AI問診ループ

小出「UDEによって導いた回避すべき要素を、組織的要因でカバーできるものと人員要因でカバーできるものに区別。さらにその人員要因でカバーできるものを4つの人材要件へと落とし込んでいったのですが、それをブラッシュアップするために使ったのがループ図です。UCSが起こし得るネガティブな原因は、AI問診事業全体にどのように影響をするのか。その因果関係を線で結んで、可視化していきました」

柴山「こうしたリスクの洗い出しと因果関係の確認をすることは、スピード感を損なうことなく業務を進めることにも役立ちます。というのも、先ほど挙げたようなリスク回避を前提にした業務進行はウォーターフォール型になりやすく、ともすれば設計にばかり時間を取られて業務の遅延を招きます。ですから、ループ図を描きつつ可逆性の高いリスクと不可逆なリスクを区別し、検証しながら進めて大丈夫なものは恐れず進めていけるようにしました。これが確実性とスピード感双方を取れる、最適な方法だと考えています」

松山「なるほど。どんなに魅力的な戦略を書いていたとしても、その戦略を実行する個々のオペレーションに結びつかなければ意味がありません。UCSの人材要件は、スケールに特化したチームとしての最適な行動を、いかなるシーンにおいても導き出せるよう作り出されたわけですね」

言語化から生まれたアクションの変化

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上記が言語化されたUCSの4つの人材要件

小出「この人材要件が生み出す過程で、社内メンバー同士の小さな意識のズレのようなものが解消できたように感じます。大きな意図は共有できていても、入社からの期間や役職の差によって理解の深度にはばらつきがあるものです。そこを一つひとつディスカッションして、一つの意見に集約することができたのは良かった点ですね」

松山「たしかに。私たちが扱う市場はお客様(※医療関連施設)の数が限られていますから、一人ひとりのお客様に価値を提供していくことの重要性が高いサービスとも言い替えられます。そこであるべきセールスマンの姿を考えていくと、属人的なスキルによって価値が左右されるサービスは避けたいところなんです。できる限りサービスを標準化し、中央値を高くしていくことが求められている。そういう意味でも、人材要件によるメンバーに求める姿の言語化、構造化は私たちにとって大きな価値があります」

柴山「営業に関しては、要件の一つである“GRIT(やりぬく力)”をアクションに落とし込むことで圧倒的に変わりましたね。ファクトベースでしか語らなくなりました。それまでは事象の課題化も課題検証もあやふやだったのですが、今は個々が数値をもとに分析できています。例えば、会社説明会で参加者から『御社の失注理由は?』と聞かれれば、どのフェーズでの歩留まりが何%で、その歩留まりの中身はこうで……と、資料がなくてもすらすら説明できるんです。これは一般企業でしたらマネージャークラスが至る境地かもしれませんが、UCSは全メンバーがその視点で現状を理解しています」

小出「だからこそ互いのフィードバックをフラットに指摘し合うカルチャーも成立するんですよね。Slackでマネージャーからの商談記載の遅延が発生していたんですけど、メンバーから『マネージャーがそういうことやると組織力が下がるんでやめてください』ってお叱りが入ってました(笑)。これって、なかなか言えないことだと思います。要は、全員が“当事者意識”をもって、この組織を強くすることに臨んでいるんです。そりゃあ強くなるよねっていう……」

事業拡大と共にアップデートを続け、価値提供できる人材を増やしたい

柴山「ここまでUCSの組織について人材要件を軸に語ってきましたが、松山さんはここからどのようにUCSを成長させていきたいですか?」

松山「今こうして人材要件があることで、お客様に価値を提供できる人材を増やしていける土台があるという手ごたえを感じています。今、UCSはファクトベースに基づいてモノではなくコトに向き合い、改善していける状態です。

現在の人材要件はAI問診事業内の対病院を想定して作られたものなので、今後の事業拡大に伴ってアップデートを重ねていく必要があります。その中でも、軸をぶらさず、今にも増してお客様に価値を提供していきたいです」

柴山「そうですね。私たちが事業として扱う医療サービスは、病院だけで完結しているものではありません。Ubieはクリニックなど医療に関連するすべての人々がより働きやすくなり、医療サービスを受けるすべての人々が幸せになれるようなプロダクト提供を目指しています。そのために、UCSは最速のスケールとお客様への最大価値の提供をあきらめない。そういう組織としての最適解を目指して、この人材要件を育んでいきたいですね」

事業をスケールするチームとして、最速かつ最適を目指した結果生まれた人材要件。その背景には、UDEによって洗い出された望ましくない幾多の将来と、それらを結びつけた因果関係がありました。リスク回避しつつスピーディに事業をスケールするための人材要件は、UCSのアイデンティティそのものです。その想いや内容に共感した方は、ぜひオンライン説明会にご参加ください。

【Ubie Customer Scienceオンライン説明会】
毎週水曜日19:00‐20:00にオンラインにて実施しております。
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