転職して同期が消えたので、架空の同期をつくった話
私には会社の同期がいない。正確に言うと、社会に出たときは300人ほど同期がおり、夏にはキャンプ、冬にはスキー、夜通し麻雀して完徹出社、みたいな同期らしい同期ライフをエンジョイしていたのだが、スタートアップに転職したため一人もいなくなってしまった。
まあ、同期がいないところで特に実生活に不足があるわけでもない。今どき転職も珍しくないし、こんなものだろうなと思いながら、いつものようにインターネットをフラフラしていたある日、こんなものを見つけた。
意味がわからんが面白そう。
というわけで、読んで3秒後には応募していた。ちょうど生まれ年も同じくらい、同期らしい年齢層である。
(架空の同期になりましょうってだいぶパワーワードだな…)
同期をあつめてなにするの
そんなわけで入ったのはDiscordというチャットツールの同期チャンネル。既に同期がいっぱいいるので挨拶をする。
(同期が増えるとは???)
同世代いっぱい集まってなにをするのか、という話だけど、特になにかイベントするでもなくだべっているのが常である。まあ同期ってそんなもんだよね。いまのところ、褒めチャンネル、分報チャンネル、質問チャンネルあたりがあって、毎日毎分誰かしらがお話している。
どうでもいいことを褒めてもらうところ
同期なので同世代感ある漫画の話をする(どうでもいい話してんな…)
わりと真面目に質問したりもする
全然会ったこともない、会社も異なるメンバーだが、気軽に質問したり雑談できる場所というのは、なんというか、とても「よい」。
もともと300人いた同期ともいろんな話をしたけれど、こっちは業種や業界、職能が異なるぶん、幅広くいろんな話ができる。同期なので気兼ねなく質問できるし、「TV何買うか迷ってる」から「Twitter転職ってどうよ」みたいな話までざっくばらんにあれこれ話す。SNSでつながっているメンバーも多いが、クローズドなのでSNSとはまた違う雰囲気だ。
大人になってからコミュニティを増やすということ
よく、「学生時代の友達は一生ものだから大事にしろ」という言説を耳にする。これはおそらく、社会に出てからのつながりが "会社の同僚" や "取引先" "小学校のママ友" など、いわゆる社会的な「しがらみ」と切って離せないタイプのものが多いからだ。所属組織と密接に絡み合った人間関係は、恩恵も多いが煩わしさも付きまとう。
とはいえこれまでは、大人になってから「社会的に関係のない関係」を構築するのはとても難しかった。そのへんを歩いている人にいきなり声をかけて友達になるなんてことはないからだ。でも、インターネットがある今、私達の前には無限の「関係ない関係性」が広がっている。オンラインで遠く離れた海外の人と、まるで目の前にいるかのように会話することもできる。
しがらみ云々をさておいても、全く異なる場所の、関わりのない誰かとも気軽にコミュニティを築けるというのは、外に出るのをはばかられる現在においても、とても心強い話だ。いい時代だなあとしみじみ思う。
同期がほしい人はたくさんいるらしい
そんなこんなで架空の同期ができたよ、という話でこのnoteは終わるわけだけど、実は年齢や業界の都合で応募できず、あえなく同期になれなかった人からのリアクションも多かった。架空の同期がほしい人は世の中にたくさんいるようだ。
コメントを見ていくと、出産育児を期に退職をした人であったり、中小企業で単純に人数が少なかったり、転職の多い業界だったりと、「同期」がいなくなる事情は様々だ。フリーランスや副業など働き方が多様化する現在、「気兼ねなく話ができる同期」的な概念が、これまでとは形を変えつつも改めて求められているのかもしれない。
ご興味のある方は、ぜひ同じように同期を募集してみてはいかがだろうか。
架空の同期チャンネルをつくったひとのnoteはこちら
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