ここにいるまま、移動する
在宅勤務になってから、4ヶ月が過ぎた。
わけもわからずやってきたけど、だいぶ慣れた。
家で働くこと。
外出を避けること。
人に会わないこと。
その中で、心身の健康を保って生きていくことに。
平日の過ごし方
何なら、今が一番健康で文化的な生活を送っていないか、と思う。
自然に早く起きる(一度出勤のために朝4時半に起きたら、必要以上に早く目が覚めるようになった)。
クチナシの鉢を外に出して、水をやる。
趣味の作文をする。散歩をする。シャワーを浴びてご飯を食べる。
(ゲームの話)ESに出勤してお仕事をこなし、図書館に出勤して他の人の報告を読んだり文豪の手紙を読んだり潜書に送り出したりし、本丸に帰って日課をこなし海に出て水砲を撃ち貝を拾う。
労働をする。たまに立ち上がって、堂々とストレッチをする。
お昼には、焼きたての目玉焼きを食べる。
また働く。労働用セットリストを流す。
終業する。こなれた「帰宅」の儀式をやる。
マウスとキーボードを、私用のPCに付け替える。
スリッパを労働用から私用のに替え、化粧を落とす。
マグカップと水筒を片付ける。
部屋着に着替える。
夕飯を食べる。3日に1回は、リングフィットアドベンチャーで筋トレをする。お風呂で好きな人の本を読む。ピアノを弾く(練習している)。
満足したら寝る。
散歩の話
朝に散歩は、反省を活かしたものだ。
在宅勤務初期、1週間家から出なかった金曜日にメンタルがめしょめしょになった。私にはセロトニンが必要だった。
当時の記録。
月曜から金曜まで外に出ずにいたら、金曜の夕方からメンタルがめちゃめちゃになった。自分に何の価値もない、ここにいなくたっていいんだ、そういう気持ちでいっぱいになった。
PMSばりに具合が悪くて、なんかおかしいな、と思いながら寝た。
翌土曜朝、起きて散歩をした。お気に入りの水辺を気が済むまで歩いた。パン屋さんで好きなパンを選んで買った。帰って、コーヒーと一緒に食べた。
午後になって、私は私の心が軽く、明るく、前向きになっていることに気づいた。
私に足りなかったのは日光と歩行だった。セロトニンだった。ビタミンDだった。カーテン越しの光ではなく、空からそのまま肌に刺さる日光だった。フィットネスゲームではなく、五感を刺す景色をぐんぐん変えていく歩行だった。(なお、フィットネスゲームはフィットネスゲームでとても大事。)
散歩はほとんど毎日続けている。
しかし、梅雨明けしてから暑い。朝から暑い。
早起きして歩くのがいいんだろうけど、寝起きの朦朧としているときが、一番作文が捗る。作文はしたい。悩ましい。どうせシャワーを浴びる、散歩は後回しでもいいか、と思っている。それで、歩く頃にはすっかり太陽が昇っていて、歩く距離は短くなってきた。でも、日光を浴びるのが大事なんだ、と思って続けている。
あと、クチナシのためにベランダに出るので、日を浴びられる。嬉しい。
読書と作文の話
趣味の作文をしているのは、好きな人の本を読み始めたら、書きたいものがびすびすと溢れてきたからだ。
好きな人の本を読む
好きな作家さんができて、その人の本を読んでいる。
もう亡くなっている人だ。新刊は二度と読めない。けれど、たくさん著作がある。読みきれないかもしれないくらいある。それだけ読んでいられることが、ただ嬉しい。
好きな作家さんができた結果、新しいゲームを始めた。楽しい。
好きな人の本を読んでいると、謎に脳汁が出て、たくさん書きたくなった。
たぶん、春先から乱されていた私の心身がやっと整ってきて、何か書くだけの余裕が出てきた時期だから、というのもある。
去年も一昨年も、2月あたりから書き始め、6月くらいに書き終わって、本を作ったんだ。今年はその時期まさに大変だったから、「書く期」がずれているのかもしれない。
だいぶ遅くなったけど、今年も本を出したい、出しましょう、と思っているところ。
書いてるやつ
魔法学会学術集会 https://privatter.net/p/6115124
ちょーシリーズの二次創作・半分夢小説(?)。
少しずつ書いている。できるだけ毎日。朝起きて朦朧としている間に、パソコンを付けて。(意識がはっきりしてくるとついTwitterとか見ちゃうから)
Evernoteで見開き1ページくらい溜まったら、プライベッターに追加してる。
一年前にツイートした学会ネタを回収したいの。プロットとかはない(プロットなしでこんな長いの書くの初めて)。
毎日、いきあたりばったり。それが楽しい。快い。心が癒やされる。
今私ができないことを、ユレちゃんが自由にやってくれて、嬉しい。
これ、書ききって紙の本にしたいんだ。
読んでくださる方がいらっしゃって、あまつさえ、言葉をかけていただけること、本当~~~~に嬉しいです。ありがとうございます。励みになります。
他に書いたやつ
……って書いたけど、見返したらなんかあれだったので載せないでおく……。
4月から4つも支部に出していた。えらすぎる。史上最高速度ではないか。
筋トレの話
4月の初めに、リングフィットアドベンチャーを買った。
運動の習慣がもともとなかったところに、通勤がなくなって、絶望的に動かなかったんだ。まずい。太る。体力が落ちる。それはいかん。
そんな感じで買った。Switchごと。
ゲームといえばスマホゲームの私である。テレビでゲームをする習慣はなかった。
続くのかなあと思っていたけれど、杞憂であった。最初はほぼ毎日やって、今も週に2,3回は遊んでいる。リングフィットアドベンチャーを使って身体を動かすのは楽しい。
楽しさと運動をこれでもかとセットにしてくる。すると「運動が楽しい」になってしまう。任天堂の本気だ。
筋肉の成長
運動負荷12から始めて、今は最高値の30になった。
前よりも長く身体を動かせるようになる。取れなかった姿勢が取れる。できなかった動きができる。
それを褒めてもらえる。とても嬉しい。
実際の生活でも変化を感じる。
身体を扱えるようになるのは嬉しい。生まれたての人か。そうなんだろうな。
ピアノの話
ピアノは、年明けから習っていた。
ピアノを習おうと思ったわけ
・毎年年始に書く「今年の目標」に、ずっと「ピアノを弾く」って書いてるな……と気づいた。「いや、弾けばいいじゃん」と思った
・刀ミュなどの舞台を観た時、作中の曲を日々忘れてしまうのが悲しい。自分で弾けたら永遠に固定できるのに……と思った(ピアノを弾ける友人が「かざぐるま」の楽譜を起こしてくれたことに心底感動して、私もそれができれば……! って)
・ビジネス書の中に「仕事ができる人は習い事をしている。習い事であれば存分に失敗ができる。自分の失敗の癖を知ることで、ビジネスで失敗しないよう対策できる」とあった。
私はお稽古事というのをしたことがなかった(「したかったのにさせてもらえなかった」のではなくて、興味のあるお稽古がなかった。進研ゼミだけやってた。それだと赤ペン先生が先生だったみたいだな)。
ともかく、仕事の外で、知らないことを誰かに教わるのはよさそうだと思った。私の人生に必要なのは師匠だ。
レッスンの中断と再開
しかし、1回レッスンに行った後、外出自粛が激しくなり、レッスンを休止した。悲しかった。
感染拡大の状況と、レッスン先の感染対策と、私の精神衛生を確認した上で、6月からレッスンを再開した。
レッスンを再開した時の話。
押すと音が鳴るの面白くてずるい
家にピアノがなく、レッスン以外で練習したい時はスタジオを借りていた。でも、家で練習できないのがやはり不便で、8月の初めに電子ピアノをお迎えした。
レッスンの最初から思ってたけど、ピアノって押すと音が出るじゃないですか。あれずるい。絶対面白いじゃん。押すと音が出るって。ずるいよ。しかも強く押すと音が大きくなるじゃん。そのくらいシンプルに面白くなりたいわ、私も。
楽器に嫉妬してしまった。
とにかく、今は、「押すと音が出て面白い」時期なので、毎日ピアノに触るのが楽しい。先生に、ハノン、というのを教えてもらって(それも知らなかった)、本を買ってきた。少しずつ練習している。昨日できなかったところが今日できる。嬉しい。嬉しくて毎日触りたい。
どこにも行かずに、移動する
読む。
書く。
運動する。
楽器を演奏する。
全部、私を、昨日と違う場所に連れて行く。
物語を摂取する。
昨日までどこにもなかった物語を増やす。
肉体を頑丈にして、知らなかった扱い方を知る。
これらは、移動に似ている。
これまでは、遠くに移動することで、違う景色を見た。
だけど、今、これまでのようには出かけることができない。
私はそれほど悲しんでいるわけではない。と、思う。
割と前から、「これまでのやり方」にはさよならしたつもりでいる。
とはいえ、大演練中止告知からSHOWROOM配信まではむちゃくちゃ泣いたけど。本当に見たかったからさ……。
これまでのようには移動できない。
でも、ここにいるまま、変わることはできる。変化は移動である。昨日までと違うように世界を見ることができるのも、昨日までできなかったことができるのも、昨日まで知らなかったことを知っているのも。
自分を移動させ続けたいと願う。心が死なないように。
驚きがないと心が死ぬと鶴丸国永は言う。驚きとは予想外の変化のことではないか。変化がなければ、移動がなければ、心は死んでしまう。
心は大事にしないといけない。だって、この暮らしはまだまだ続くのだし、それを生きていくのは私なんだ。
幸い、読みたい本も、書きたい物語もまだある。鍛えるべき筋肉も、弾けるようになりたい曲も。そして、どれも、別にやらなくたっていい。誰かに怒られることもないし、がっかりされることもない。がんばらないけど、諦めない。
ごきげんオタクライフに使わせていただきます🌱