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花に染まる雪――江水散花雪 大千秋楽アーカイブ配信感想

ちょうど一年ほど前の作品になりました。やっと、はなゆき(MVの暗殺シーンを見てからそう呼んでいる)、見ました。ネタバレのあるメモです。

観劇情報

・大千秋楽アーカイブ配信(2022/3/13 18:00@TOKYO DOME CITY HALL)

自宅にて視聴。DMM TVをテレビで観た。大画面で快適。

登場人物

和泉守兼定(有澤樟太郎)
兼さんいつ出てくるの? と途中からそわそわしていた。山姥切のセリフ(幕府側の事情に詳しい奴……)は伏線だったんだな! あと今回は新刃の登場ソングがないな~とも思っていたのだけれど、そこは兼さんの極帰還ソングになっていたのだった。さすがや。
圧倒的な先輩風を吹かせていて感慨深い。そういえば幕末の頃からちょっと俯瞰で見ていた感じはあった。肥前に、泣けよ、と言うところかなりよかった。そして真剣乱舞祭2022でも思ったのだが、お歌がうまい……。

大包平(松島勇之介)
いい隊長だった。「これでいいのか?」と悩むところも、山姥切に声をかけに行くところも。
声が無限に大きい。
真剣乱舞祭2022のカテコで見た四股踏み、はなゆきでやったのかしらと思ったのだけれど、やってなかったな。さすがやな。

小竜景光(長田光平)
カテコで「泣くな……!」って6回くらい言いながら、私も泣いた。黒子さんの所作も美しかったし、声が違和感なくぴったり合っていて、たくさん練習されたんだろうな……と……。初日公演と千秋楽どっちにしようか少し迷ったのだけれど、後悔はなかった。(たぶん毎公演やったのだろう)事前アナウンスも丁寧でよかったし、ライブパートでお姿が見られたのもすごくよかった。本来の立ち位置で踊っているダンサーさんと笑みを交わし合うのも素敵。すぱどぅぱでダンサーさんの手袋が赤かったのも見やすくてきれいでよかったな。

山姥切国広(加藤大悟)
ローな山姥切国広……! 真剣乱舞祭2022福岡会場で見たのが最初で最後で、なんつうパーフェクト山姥切国広なんだと思ったのだけれど、やはり完璧な山姥切国広だったな……。
はなゆきを見ようと思ったのは、ちょうどタコパをすることになったからでもあり(タコパをする時にはたいがいミュを流す)、23春新作に小竜景光や山姥切長義が出るので、これははなゆきを見ておかねばならない、と思ったのであった。そうしたらまさかの、かなり最初の方で、山姥切が「長義」と発音したのでびっくらこいてしまった。いたのか、はなゆきの時点で、もう……。次回作で長義が山姥切国広を何と言及してくれるのか楽しみ。

南泉一文字(武本悠佑)
南泉……。「お前が知ってる」MVを本編より先に見ていて、井伊直弼暗殺を見つめる目が、南泉だけやけに痛切というか人間じみている、と思ったのだった。本編にきちんと理由があった……。強くなりな、南泉……。あと、本丸に帰ったら浦島とお話するといいと思うよ。
手合わせに乱入してゴロゴロするところかなり可愛かった。

肥前忠広(石川凌雅)
よい肥前でしたね……。
改変された歴史の中の以蔵に「どっちが幸せ・・なんだ?」ですよ、「幸せ」という言葉を使うんですよ、この大脇差は……よすぎる……うう……。
私は、私がにこいちだと思っている存在たちが同時に出演しないメディアミックスを避ける傾向があり、それもはなゆきを見てこなかった理由の一つなのですが(南海太郎朝尊のほか、鶯丸、山姥切長義も含まれている)、これは南海太郎朝尊がいてはいけなかったんだな……と思いました。というか、和泉守兼定でなければ、あそこで肥前を泣かせてやれなかったんじゃないかと思うんだよな……。ありがとうございました……。

場面

声のでかい喧嘩から始まるので、はやりはなゆきって治安よくないめ(「お前が知ってる」楽曲からの偏見)!と思ってしまった。メンバーがばらばらで困る隊長、そういえば加州も三条と一緒だった時そんなこと言ってたよね。丸と揉めてたし。それでも全員揃って帰ってきた。

山姥切のソロが、やたらよかった……。聞き直したい。よい歌詞、よい曲調、よい歌唱だった。

歴史の流れの中で死ぬはずだった人間をひとりで殺しまくっている肥前忠広、真面目でいいなと思いました。そしてそれをちゃんと支えに行く和泉守兼定……。いずれかつての主に遭遇するだろうことをわかっていたような和泉守兼定……。和泉守だって、薬売りの土方さんに「これからの時代は戦なんかじゃねえ」くらいのことを言われてきたかもしれないのに、肥前の心中を思いやって支えに行ってやれる(大包平に代わって)、すごい男になったもんだ……。

何回か泣いたけれど、突然の千子村正で驚くほど泣いてしまった。三百年がらみに弱い。
後で14th sonの歌詞を調べていてわかったのだけど、彦根の埋れ木の人って井伊直弼だったんですね、そしてそれは井伊直政の子孫だったわけですね……。彦根、何度か行っているのだけれど、天守に登ったことがまだない、大阪と同じパターンの土地。銘菓の「埋れ木」って和菓子がとても美味しくて大好きで(でも新鮮なうちに食べないと美味しさが損なわれる!)、それは史実の誰かの隠居的な場所に関連したものだというおぼろすぎる記憶だけがあったのだけれど、今やっとそれがつながった。修学旅行か。

誰かが折れている話、これはツイッターで見てしまったので先に知っていた。が、山姥切が「これでやっとお前のもとに行ける」などと言いながら折れようとしたことは知らなかった。きっと大包平が迎えに来るだろうなとは思いながら見ていたものの、けっこうショックだったし、いったい誰が折れたんだ……?と気になる。もしかしたら明かされないままなのかもしれないけれども。あと、初期刀が誰なのかも。明らかになるとしたらセットで来るのだろうなあ、きっと。

カテコで和泉守と山姥切が並んで捌けるのよかったな。和泉守に見られて、視線を返して、ニッと笑ってみせる山姥切もよかったです。あと、これでやっと江おんすていじで聞いた助っ人ぷりーずの歌や、山姥切の内職の話の元ネタがわかって、それも嬉しかったことの一つ。

全体の感想

全体に「これ、青天で衝いた!」と思うことが多く、大変ありがたかった。キャストに橋本左内が書かれていて、左内……いたのか……とも思いました。ありがとう、大河ドラマ。

先に静かの海のパライソを見ていたから、本作で歴史がむちゃくちゃになって放棄されても、「ああ、パライソは、あれはあれで救いだったんだ(鶴丸国永にできるベストだったんだろうな)」というささやかな救いをずっと心に抱えて鑑賞することができたが、もしパライソを知らなかったら、ただただしんどい回だったのではないか……という感じがする。だいたい毎回あった、最後の本丸シーンもなかったし。夜鳴きそばのくだりで十分回収したのかもしれないけど、やはりしんどい読後感(?)が残るように思う。

パライソもはなゆきも、リアタイしておらず、後から配信で自宅で見たのだけれど、いずれもそれでよかったな……という感じがする。これはしんどい。おうちでリラックスしながら、時々目を離しながら見るくらいでちょうどよかったかもしれない。

次回の新作、小竜景光だけが続投になる。きっとすごいプレッシャーなのではないか……と勝手に心配してしまう……けれども、全員欠けることなく、悔いを残すことなく、走り抜けてもらえたら、と思うのだった。


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