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私が同人誌の奥付にマシュマロではなくgoogle formのQRコードを貼っている理由

1)生きた人間が私の本をほんとうに手に取って、読んでくださったのだと知りたい!

2)いただける反応の数を最大化しつつ、いただける自由記載の量も最大化したい!

以上でだいたい全部です。後はゆるゆると詳細を。


おことわり

この記事は、2021年現在、私が同人誌を作る時、読者さんからのご連絡手段について何を考えてどうしているのか、という個人的な記録です。

人に何かをお勧めする意図はございません。参考にしていただく分にはお止めしませんが、何か根拠があって書いている内容ではありませんので、ご注意ください。

使っているgoogle form

私は自分の同人誌の奥付に、だいたいgoogle formのQRコードを貼っています。

google formは「読んだ」ボタンと名付けています。「読んだ」ボタンは以下の様式です。(たまに変えています。)

「読んだ」ボタンとして設置されているgoogle  form

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「読んだ」ボタンの意図と考え方

「読んだ」ボタンとしている意図は、ただ「読んだ」と教えてもらいたいから、です。

なぜ「読んだ」と教えてほしいのかには、以下の理由があります。

私の場合、本をお迎えいただいた時に、一体どなたが本をお迎えしてくださったのか、さっぱりわからんということが、割と多くあります。
本を通販で頒布した後、「本当に誰かのもとに届いたのか……? 本当にどなたかが読んでくださったのか……?」 と疑問に思うことも、なくはありません。

そこで、「本を読んだよ」と明確に意思表示をしていただくことで、「本当に、あの本の向こう側に、私の知らない生きた人間がいたんだ!!」と、ほぼ初めて実感することができるのです。

※もちろん、本のご注文をいただいた時はありがたいし嬉しいのですよ! それも本当です! ありがとうございます!!

他サービスの検討:マシュマロ

マシュマロは、自分のTwitterではすでに使っています。他の方の同人誌の奥付でもよく見かけますね。私は喜んでお送りすることが多いです。

ですが、自分の同人誌の奥付には採用しませんでした。理由は3つ。

・「マシュマロに何を書いたらいいかわからない」方が、一定程度いらっしゃるのではないか

という推察によります。(あくまで推察です。)

マシュマロには、短いコメントを設定しておくことができます。それ以外に表示されるのは、「完全な空欄のテキストボックス」が一つです。完全な空欄が用意された時、そこに感想をしたためるのって、かなり高度な技術ではないかと思うのです。(参考:小説に感想を送ろうと思ってマシュマロを開いて30分悩んでいる人向けの記事

その対応策として、マシュマロQRコードの横に、「『○○を読んだ』とだけ書いてくだされば結構です」などと添えておくこともできるでしょう。また、QRコードを読み込んだ先のマシュマロページのコメントに、同様のコメントを記載しておくことも、できます。ですが、「マシュマロは感想を送るツール」という認識が広まっている中で、「読んだ」とだけ送るのは気が引けちゃう方もいらっしゃりそうだなと思って。(推察ですが。)

それと、

字数制限がある(1,000文字)

というのもありますね……。

自分が人にマシュマロを送る際に、字数制限に引っかかって削ったり分けたりすることがあるため、めちゃ長く書きたい読者さんにとってはネックになるかもしれないと思いました。数としては、レアなケースだと思いますが。

最後に、

・どの作品に対していただいたマシュマロかわからないことがある

を挙げます。ご感想だけがしたためられたマシュマロをいただいて、「どの作品のことだろうか」となることがまれにあります(念のため申し添えますが、いただいたどんなマシュマロでもありがたいです。ケチを付けたいわけではございません、念のため。)。私は出した本の数がそれほど多くなく、たいがいアタリが付くのですが、確信は持てないものです。これは送り手・貰い手共に不幸なことではないかと思います。

さっきご紹介したこちらの記事「小説に感想を送ろうと思ってマシュマロを開いて30分悩んでいる人向けの記事」にも、以下の通り書かれております(引用いたします)。

まず世の中のありとあらゆる感想の最小限の構成を見てみましょう。必要なのは以下の3つです。

「相手の名前」
 →あて名は大事ですね
「作品のタイトル」
 →どれについてなのかはっきりするといいですね
「あなたの感情」
 例:
 ・よかったです
 ・最悪でした

以上です。

本当にそうなんですよ! タイトルは大事!

その点、「読んだ」ボタンには読んでいただいた作品を明示する設問がありますので、どの本のことなのか迷うことはありません。

他サービスの検討:Web拍手

Web拍手は、以前自分のWebサイトを持っていた時に使っていたことがあり、使い勝手はだいたい存じております。
同人誌の奥付にWeb拍手、考えましたが、以下の理由から採用はしませんでした。

・利用サービスを増やす心理的ハードルが高かった
・拍手を押していただいたことが、「読んだ」を表すとは限らない
・マシュマロと同じく、コメントに『読んだ』とだけ書くのが難しく、結果何も記載されないことがあるかもしれない
・マシュマロと同じく、字数制限がある(1,000文字または10,000文字)

でもいつかまた使ってみたい。お礼SSとか用意してみたい……!(好奇心!)

そもそも、なぜ小説を書くのか

※この項は蛇足です。適当に読み飛ばしてください。

私が小説を書くのは、主に推しについて「これはどうしてだろう」「こういう状況になったら、どうするんだろう」といった疑問がある時が多いです。疑問について考え、答えが出た時、小説の形にまとめています

わざわざ小説にする理由は、

・メインの理由:考えたことをすぐ忘れるので記録しておきたい
・「わかった!」という嬉しい勢いのままに書いちゃう
もしも同じ疑問で悩んでいる人がいたら、その方のご参考になるかもしれない

などがあります。最後のについて、もしも、私の答えがあなたにピタッと嵌まってお気に召したなら、一つの説として採用していただけばいいと思います。まあ、全部が受け入れられることは稀だと思いますので、考え方の一部分など、どこか参考にできるところがあれば、というくらいの気持ちです。

自分の疑問と答えを小説の形に作文すること。
それはまるで、「一人で、目隠しをして長い棒を握り、あるかないかわからないスイカに向かってスイカ割りを試みている状態」です。
もしくは、「人里離れた鍾乳洞に一人踏み込み、壁面に張り付いて、滲み出す水を竹筒に少しずつ汲んでいる状態」と言ってもいいかもしれません。
いずれも、人知れずひっそりと、自分のために行っているものです。虚無スイカ割りとか、ロンリー水汲み作業とか、楽しいのかよくわかりませんが、私は好きなんですよ。

そんな調子で書いた小説について、本を出すのは、「私が紙の本が好きで、紙の本が欲しい」と、「もしも同志がいらしたならばおすそ分けしたい」という気持ちがあります。

イベントに参加するのでない限り、同志の方のお顔を見てお渡しできるわけではありません。通販の際には匿名配送ばかり使っているので、お名前すら存じ上げません。
先ほどのスイカ割りや水汲みの例で言えば、「スイカの破片(実在するのか定かでない)」や、「水を詰めた竹筒(飲めるのかわからない)」が、置いておいたらいつの間にかなくなっていたけど、あれってどうなったんだろう、まさか誰か人が持っていったのかな……食べられた(飲めた)のかな……? という感じに近いのです。

(そりゃ人間が持って行ってくださったわけなんですが……失礼をすみません……。いまいち実感がないことが多くて、BOOTHの発送通知にお返事をいただいたりすると、かなり嬉しいのです。本当に、人間がいてくださった……! ありがとうございます!)。

ですから、「読んだよ」と教えていただくと、「私のスイカは実在したんだ……!」「ここから湧いてる水、飲めたんだ……!」と感激するのです。
うまく伝わらないかもしれませんねこれ。

「読んだ」ボタンに、ご感想を寄せていただくことについて

めちゃめちゃ嬉しいですよ!!!

「読んだ」ボタンには、「読んだ」と伝えるためのボタンの他、自由にご意見ご感想を入れられる欄があります。(任意回答であることは明記しております。)

私は「読んだ」と教えていただけたらそれだけで嬉しくなって、報われたなあと心から思います。これは本当。報われたくて書いているわけではないけれど(自分の疑問のためだから)、それでも、嬉しいものは嬉しい……!!

そして、「読んだ」というご報告に、ご感想を添えていただくと、それはそれは嬉しいのです。「私のスイカ(または水)は実在するし、味がするんだ……!」という喜びは、何にも代えがたいものです。なにせ、スイカ割りも水汲みも、孤独な作業なのです。私は一人遊びが好きなのでいいんですが、誰かが見てくださると嬉しいのも本当で……うっ……。

読者の方にとってどんな味だったのかお聞きできると、もう踊り狂いたいくらい嬉しいのです。実際に踊り狂うこともありますし、「うわあああああ」と叫びながらスクショを撮り、嬉しい画像が収められた「うれしみ」フォルダ行きにすることもあります。


先ほどマシュマロに関して「『何を書いたらいいかわからない』方が、一定程度いらっしゃるのではないか」と書きました。けれども、マシュマロがあったら流暢に書けるという方も、もちろんいらっしゃるわけです。
そのような方が、拙作に対してご所感をしたためてくださるならば、それはいただきたい……! 無理強いはしないけれど、いただけるものはいただきたい!!

という、謙虚なんだか強引なんだかよくわからない態度ゆえ、上記のような自由記載欄をgoogle formに設けているというわけです。

google formへのお返事について

以前は、「お返事は希望された方にのみ」としていました。これは、「別に作者と交流したいわけじゃない方もいらっしゃるだろうな……」という気持ちから行っていた措置でした。(私自身は基本的に、自分がお送りした感想に作者様からコメントをいただけるのは嬉しいと思うたちです。)

ですが、google formを置いて数年が経ち、私がお返事を書きたくなったため、今は基本的にお返事をお書きしています。

だって、お読みいただいた上に反応を返してくださるのは、当然のことではありません。ありがたくて嬉しいんですもの……。何かお返しがしたくなってしまう……何か……。
(一番のお返しは、また作品を書くことかもしれませんが、次も気に入っていただけるものが書ける保証がまったくない……!)

いただく反応の数と、文字数を、最大化する

ここまで書いて、私の欲求について気がついたこと。

反応をくださる読者さんの数を、できるだけ減らしたくない(→ハードルの低そうな「読んだ」ボタンを設置する)
自由記載は、いただけるものならできるだけたくさん欲しい(→任意の自由記載欄を設ける)

ということですわね……!? 強欲だ……!!

まあ、実際にgoogle formが他サービスに比べて本当に反応率が高いのかどうかは、検証していませんし、今後もできない(しない)と思うんですけどね。
マシュマロが広まっているため、「マシュマロではない」ことがネックになる可能性もあるなと思ってはいます。(どうなんでしょうね。十分なサンプル数取れるサークルさんとか、A/Bテストされてないだろうか。されていたとしても結果を公開しないでしょうけれど……。)

今後も、自分が何を求めているのかを明確にしつつ、その達成のため、あれこれ試行錯誤できればと思います!

参考の過去記事

以前、この話題(同人誌の奥付にマシュマロではなくgoogle formのQRコードを貼っている理由)について、ブログに記載した際の記述です。

ここから考えは特に変わっておりません。

ただ、この記事には他の話題も多く入っているため、ツイートで言及するときなどにちょっと扱いづらかったのです。この話だけの記事が欲しくて、今回noteに記載をしました。

本には、「読んだ」と知らせるためのGoogle Formへのリンクを貼ったり、QRコードを付けた名刺を添えている*13。

*13:私が本を作る時に「本当に、どなたか、生きた人様が、お手に取ってお読みくださった……!!」とわかることが本当に嬉しいので、そのような仕様にしている。感想が欲しければ、いかに簡易に感想を伝えていただくかに知恵を絞るだろうが(そしてたぶんチェックボックスで「好き」「わかる」など、何か私が貰って嬉しい選択肢を、十分に厳選して並べることになるだろうが……)、私は「『読んだ』と教えてほしい」が第一優先なので、そのようなつくりのフォームになっている。ただ、いただけるお言葉はいただきたい(いただけるお言葉はいただきたい!!!)ので、コメント欄を自由記載にしている。本にはマシュマロを添えていない。いきなり現れる自由記載欄に「おりゃあ」と感想を書き込めるのは、熟練の者のみである(と思う)。


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