元・出版取次社員が考える書店の今後
コンビニから雑誌がなくなるかも?
出版取次大手の日販が2025年2月からコンビニの雑誌配送から手を引いてしまうみたいです。
これ、普通の街の本屋さんにも関係大いにありなんです。何が起こるかっていうと”本屋に雑誌や本が入荷してこなくなるかも”ということです。
ここで1つ小話を。
出版業界は出版社・取次・書店で主に成り立っています(製本会社さんとか印刷所さんももちろんありますが)。
出版社や書店は減りつつも数多くありますが、取次は4社くらいしかありません。この4社で日本全国の書店に雑誌・書籍を流通させています。
さてここで1つ考えて欲しいんですがなぜ4社しかない取次が全国に出版物を流通させることが出来てるんでしょうか?
定期的に発売される雑誌を武器に運送会社を巻き込んで全国的な流通網を構築し、そこに文芸書や文庫・マンガなどの他の本の配送を後付けで加えたから。
確かこれが出版流通のカラクリでした。
しかし!今この出版流通の根幹とも言える雑誌の配送が危ぶまれているんです。そう、取次大手の日販がコンビニの雑誌配送を辞めることがきっかけです。出版物の配送ルートはコンビニetc本屋さん以外に本を置いているところ全部を組み込んでいるんです。運送会社さんも売上が減ってしまえば運送便を減らすなどもあり得ると思います。
「もしかしたら雑誌の入荷意外に他の書籍の入荷とかにも影響してきそう」
「今よりもっと新刊の荷物が入ってこなくなるかも。そしたらうちみたいな地方の本屋は大打撃だな」
なんてことを今日仕事をしながら感じていました。
これから町の本屋さんはどうなっていくんだろうな~なんて少し悲観混じりに考えていましたが、そんなときにテレビで面白い本屋さんの特集に出会いました。
本屋さんの名前は大阪 正和堂書店鶴見店さんです。
お店のスタッフさんが手作りされたブックカバーやポストカード、覆面文庫企画そして「10冊書店」というネットショップの運営などを手がけている老舗の書店さんです。
テレビ特集の中で「本屋さんという場をエンタメの場にしたい」という言葉が印象的でした。
私も本屋で働いていますが、お店に立っているだけじゃもうお客さんって来ないんですよ。悲しいですが何もしないでも本が飛ぶように売れていった昔の時代とは違うんです。
そんな光景を目の当たりにしていて私の中で「これは本屋さんに来てもらう理由を作らなくちゃだめだよね」という事を感じていました。そういった考えからこうやってnoteだったりyoutubeで情報発信をしています。
「本屋で働く人を好きになってもらう・ファンをつくる」
こんな考えで私はいままでやってきましたが、「楽しい場・エンタメ性のある書店を作る」っていうことも大事ですね。言われてみれば「楽しいところには自然と人が集まる」、当然のことですね。
さぁ、貴重なヒントがもらえたところでまた明日も頑張りますか!
最後まで読んで頂いてありがとうございました!