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【旅の話】急行サハリンの旅②

訪露したのは2月中旬、天気は晴れ・曇り・雪の繰り替えしだった。何度でもいうけれど、夏のサハリンはさぞかし心地良いんだろうなあ。


■1日目

サハリンへのルートはいくつかあるが、直行便は成田・新千歳からの便に限られる。旅程の都合で新千歳から出国したが、ほんの1時間程度で到着してしまう。ただ新千歳からの便は到着が夜になってしまうので、できれば成田からの昼の便に乗りたいところだ。

コロナウイルスの影響で徐々に渡航制限がかかり始めた頃で、中韓の訪日客の少なさからか新千歳空港は旧正月の賑やかさとは無縁だった。それでも変わらずハワイの人気は落ちないようだ。

左がハワイのチェックインカウンター、右がサハリン。ハワイ行きの人に不審な目で見られた。係員は日本人だったが、皆さんロシア語が堪能なよう。


新千歳 19:00発

ユジノサハリンスク 22:30着(現地時間・時差2時間)



搭乗ゲートは国際線の一番端だった。ポツポツと座っているロシア人に交じり日本人も数名いた。みんな仕事や関係者のようで、少なくとも旅行客らしき人はいなかった。

プロペラ機は噂通りすごく揺れた。これで悪天候だったら…と思うとゾッとしてしまう。よく海峡を渡っているもんだ。ちなみに行きの機内アナウンスはロシア語と日本語だった。

AURORA航空と合わせてBUMPのAURORA Tシャツを着てみた。


あっという間にサハリン到着。バスに乗り込んでコンパクトな入国ゲートへ移動する。もし飛行機が満席だったら入りきらないんじゃないかな、というくらい狭い。勝手が分からないので最後の方に並んだが、こちらも噂通りめちゃくちゃ時間がかかる。外国人は数人しかいないはずのに、30分以上は並んだと思う。特別何か聞かれることもなく、怖い顔したロシア人が怖い顔でたくさんの書類にハンコを押したり私のパスポートと顔を見比べたりしていた。なるほど少しでもVISAに間違いがあれば入国できないとはこのことね…。私は善人ですよと微笑みを纏ったのが吉か、無事に入国することができた。ちなみに初めてのヨーロッパだ!

最後に入国した我々の荷物はターンテーブルからほっぽり出されて、無残に床に転がっていた。この規模でこの扱い!(写真が撮れなくて残念)


早速アプリでタクシーを呼んでみた。待機しているタクシーに声をかけられたがとりあえずNo, thank you.と言っておく。(多分通じてないけど。)アプリの使い勝手はUberと特に変わらず不便は無かった。iPhoneの言語優先設定により表示言語が変わるようだったので、多言語入れている場合は英語を上位にしておくと良さそう。

ユジノの街は深夜でも街頭やネオンが灯っていて、想像よりはるかに街らしい街だった。今旅で一泊だけお世話になる「ホテルサハリンサッポロ」に到着し、トラブルもなくチェックインを済ませる。こちらのホテルは簡単な英語が通じるので助かった。ヨーロッパらしい建具に心が躍る。


■2日目

ホテルで朝食を済ませ、列車の時間まで観光。荷物はホテルで預かってもらえた。列車の出発時間まで約13時間、徒歩+タクシー利用でこんな感じのスケジュールで回った。(⇒徒歩 →タクシー)

中から見守ってくれるおじさんに手を振りホテル出発。


⇒ヴォスクレセンスキー・サボール 

途中、サハリン州郷土博物館の前を通ったが月曜は多くの施設がお休みだった。教会は無料でいつでも入れるようだ。門前にいかついおじさんたちがタバコをふかしていたが恐れず進もう。


⇒サハリン動物園

地球の歩き方には載っていなかったがGoogle mapに動物園の文字があるので栄光広場横の公園を抜けて、とりあえず目指してみる。公園の中にはノスタルジー溢れる小さな遊園地があった。

動物園ほんとにあった!

いたのは鳥やミーアキャット?などの小動物から、オオカミ、ラクダなど盛りだくさん。日本の動物園とは比較できない住環境だったけれど…。熊はお休みだった。

⇒お土産屋:ゲルメス

サハリンで唯一”サハリンらしいお土産”が買えるお店(らしい)に立ち寄ってお土産を探す。日本語が喋れる店員さんがいる。欲しかったチェブラーシカのマトリョーシカと大統領Tシャツを買った。

雪道を半日歩いてくたくただったので、途中でカフェに立ち寄る。ロシア然としたマダムの超絶不機嫌な接客にロシアを感じながら一息。よく分からないパンケーキのような食べ物をくれたり紅茶のお替りもくれた。優しいじゃん…

この日は偶然、日本大使館主催の日露合同コンサートがあったので、国際劇場センターに無料チケットをもらいに行った。チケットをさっと渡され、ピシャリ!と閉じられた窓口を眺めてここでもまたロシアを感じる。


→山の空気展望台

コンサートまで時間があるので、最大の観光スポット(?)である展望台に向かう。ここはスキー場なのでこのシーズンは主にスキー客しかいない。ゴンドラ(リフト)で頂上まで向かうのだが、もたもたしていると後続客に抜かされるので恐れず乗り込もう。さすがに寒くて長時間はいられなかった。


→サハリン国際劇場センター

コンサートが普通に良くて泣いた。


⇒夕飯:チェルナヤコーシュカ

口コミ通り本当に素敵なお店だった。初めてのロシア料理に興奮してあれこれ頼んでしまった。私は好き嫌いがかなり多いのだけれど、どれもとても美味しかった。最後の料理に時間がかかっていたので、電車の時間に間に合うかどうか聞いてみたら、わざわざ日本語が堪能な娘さんに電話をかけてくれて「何が知りたいの?」と尋ねてくれた。帰りも駅まで送りましょうか?と言ってくださり1日の疲れが吹き飛んだ。このお店のためにまた遊びに行きたいくらい。


夕食を食べ終えて荷物をピックしユジノサハリンスク駅へ向かう。30分ほど前に向かったがほぼ定刻通りの出発で、乗り込むのにもそれほど時間はかからないので急いで行かなくても大丈夫そう。各号車の乗り込み口付近に番号が書いてあるので、予約した車両で車掌さんに印刷した予約画面とパスポートを見せる。長い長い列車の旅の始まりだ。


ユジノサハリンスク:22:51発

ノグリキ(終点):10:37着




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