自家保湿因子

 皮膚は体の表面をカバーして水分の蒸発を防ぐという重要な役割をしている。この役割をはたすために、皮膚の細胞はみずから保湿成分(自家保湿因子)をつくりだしている。

 世界中の化粧品会社が莫大な資金と時間と労力をつぎこんで研究し、さまざまな保湿成分を開発しているが、どれも肌自身がつくりだす自家保湿因子の保湿力の足元にも及ばない。人工的につくった保湿成分は、人間の肌自身がつくる保湿力の1パーセントの効果も発揮できないものばかり。桁はずれに高い効果を誇る自家保湿因子に、人工的なオイルやクリームを混ぜても、それらは「不純物」にすぎず、肌本来の保湿力をダウンさせるだけ。決して「もと以上」にはならないばかりか、「もと以下」になってしまう。

肌の構造は、上から順番に

【角層(角質細胞+細胞間脂質)】
厚さ0.02ミリだが保湿&バリア機能をもつ

◎角質細胞(レンガ)
・皮膚の1番外側表面を覆っている
・死んだ表皮細胞の集合体がぺちゃんこになっているもの
・角層では6角形、または5角形の角質細胞が10層ほどびっしりと重なりあっており、角質細胞と角質細胞の間には脂性の「糊」でしっかり貼りあわされている。


◎細胞間脂質(モルタル)
・セラミド
・電子顕微鏡でのぞくと、水・油・水・油・水・油…つまり、細胞間脂質は2種類の性質の異なった材料で形成されており、この構造が肌の保湿を担っている 

★角層は角質細胞と細胞間脂質からなる「レンガ+モルタル」の壁と細胞間脂質の「水+油」の壁によって二重構造の壁になっている。

この二重構造の壁が皮膚を守る保湿膜となっている。角層は皮膚の最前線で体内の蒸発を防ぎ、外部からの化学物質や異物の侵入を防ぐ強力なバリア機能をもつ


【表皮】
・0.04〜0.07ミリ(サランラップ1枚)
・血管もリンパも無いが、無数の細胞が生きて活動している

【真皮】
・表皮×10倍の厚み
・コラーゲン線維(肌の弾力やハリのもと)とコラーゲンをつくる線維芽細胞
・血管やリンパ管あり
・革製品は真皮からつくられている

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