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【無料】2022年10月20日の米国株相場

開場の日は毎日お届けしている、米国相場解説。
今日もマーケットの動き、経済指標結果と重要動向、明日の予定についてお届けします。

◆◆◆

FRBの態度は変わらない

フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は、政策金利を年内に4%をかなり上回る水準にまで引き上げ、必要ならもっと引き上げる可能性も残していると発言しまいた。

FRBのリサ・クック理事は今日の講演で「インフレは高すぎる、下げなければならない」「そのためには、継続的な利上げと、しばらくの間、制限的な政策の維持が必要だろう」と述べ、引き続きタカ派の姿勢を見せました。

さらに付け加える形で「政策は、予測だけでなく、データで実際にインフレが低下していると見られるかどうかに基づいて行わなければならない。政策は物価の安定を回復することに焦点を当て続けるべきで、それは持続的に強い労働市場の基盤も整えることになる」とも語り、インフレが低下している傾向が見えない限り、今の姿勢を変えない考えを改めて主張しました。

リサ・クックFRB理事

これを受けて米国債金利はさらに織り込みを強め、上昇を続けています。

金利上昇に伴い、株価が下がる典型的な動き方を今日も見せ、相場を終えることになりました。

S&P500

-0.75% 📉 50日平均出来高 +11%, 前日比出来高 +10%

昨日よりも出来高は増え、一時前日の高値を越える動きを見せたものの、山を一度作ってから、前日よりも深く下げるボラティリティの高い相場でした。Bloombergによると1%以上両方向へ動く変動は今年16回目となり、金融危機以降で最も多い年となっているそうです。

S&P500 5分足チャート

日足で見た際には21日移動線が上値抵抗として存在しているものの、10日移動平均線が下値抵抗としても存在している状態で、ちょうど挟まれている形になっています。

ここをどちらの方向に突き抜けるかによって、新たなトレンド形成を作り出すことになりますので、どちらに進んでいくのかまだはっきりしていない状況です。

S&P500 日足チャート

今日の重要指標

  • 10月 フィラデルフィア連銀景況指数 前回: -9.9 予想: -4.5 結果: -8.7

  • 前週分(10/9-10/15) 新規失業保険申請件数 前回: 22.8万件 予想: ー 結果: 138.5万件

  • 前々週分(10/2-10/8) 失業保険継続受給者数 前回: 136.8万件 予想: ー 結果: 471.0万件

  • 9月 中古住宅販売件数 前回: 480万件 予想: 472万件 結果: 471.0万件

  • 9月 中古住宅販売件数[前月比] 前回: -0.4% 予想: -2.2% 結果: -1.5%

  • 9月 景気先行指数 前回: -0.3% 予想: -0.3% 結果: -0.4%

新規失業者は減り、雇用はまだまだ順調であることが分かります。Good News is Bad Newsということで、FRBにとって雇用の広がりはインフレ退治に向けた経済の引締め余地が拡大することに繋がり、株式にとってはマイナス材料となります。そのため、金利上昇・株価低下の関係という典型的な動きをした1日となりました。

明日の重要イベント

特に注目度の高い重要指標の発表は予定されていません

今日の決算発表と1日のパフォーマンス結果

寄り付き前

AT&T +7.72%📈

フィリップ・モリス -1.67% 📉

アラスカ航空 -4.71%📉

ユニオンパシフィック -6.8%📉

ダナハー -5.74%📉

アメリカン航空 -3.79%📉

フリーポート・マクモラン +2.68%📈

引け後

CSX +3.6%📈

SNAP -24.8%📉

明日の決算発表予定

寄り付き前

アメリカンエキスプレス(AXP)
HCA(HCA)
シュルンベルジェ(SLB)
ベライゾン(VZ)

あとがき:リズ・トラス首相辞任へ

英国ではリズ・トラス首相が辞任することに伴い、政治・財政不安が解消され、円高が加速する方向へポンドは動きました。

以前、トラス首相が就任する前にも「いまの英国経済状況を鑑みると、誰が首相になっても苦労する」とお伝えしていましたが、まさに経済政策で歴代最短の辞任に追い込まれる結果となりました。

次の首相候補は様々な名前が上がっているものの、2ヶ月前に決まったばかりのポストに「早すぎる」空きが生まれたことにより、適切な候補者は「これから見つける」という状況です。

1週間後に行われるリーダー投票で、新たな与党党首(=首相)が決定するわけですが、一部ではジョンソン前首相の立候補も噂されており、想像よりも早くジョンソン首相の再来する可能性はゼロとは言い切れない状況です。

「ただいま!」

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