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2022年10月4日の米国株相場

開場の日は毎日お届けしている、米国相場解説。
今日もマーケットの動き、経済指標結果と重要動向、明日の予定についてお届けします。

◆◆◆

市場の悲観ムードは急速に後退

昨日のISM製造業景況指数に続き、FRBが積極的な利上げを行わなくても良いのではないかという考えが広まり、先週まで見せていた市場の悲観的なムードは急速に後退しています。

豪中銀ハト派転向

オーストラリア中央銀行RBAは、今日の会合で25bpsの利上げを決定しました。市場予想が50bpsだったものに対して、ハト派に転向したサプライズはこのタイミングということもあり、米国市場の上昇を後押しする1つの材料になりました。

求人数減少

米労働統計局によると、8月の求人数は110万減少し、1010万人になったと発表されました。一方で雇用者数は630万人、離職者数は600万人とほとんど変化がなかったこともポイントです。

昨日に続き、この発表もFRBの望んだどおりの結果といえます。
今週末の雇用統計に期待が集まります。

金利動向

米国10年債利回りは一時4%を超えていましたが、35bps程度下がってきています。金利低下が株高を後押しする、教科書どおりの相場展開が見られています。

株式市場全体もほぼ緑。本当にこの光景を前に見たのはいつ以来だろうか。

S&P500

+3.1%📈 50日MA出来高 +25%、前日比 +4%

寄り付きよりも引けにかけて強くなっていく良いチャートを描いています。出来高も伴っており、底を打ってこのまま上昇トレンドを形成していく可能性はあります。

日足で見たときに、ちょうど現在の下落トレンド上部に当たっており、これを抜けるかどうか、そして移動平均線まで辿り着くかがポイントになります。

今日のマーケットは以下のとおりです。

株式

  • S&P500は3.1%上昇

  • ナスダック100は3.1%上昇

  • ダウ平均株価は2.8%上昇

  • Russell2000は3.7%上昇

通貨

  • ユーロは1.7%上昇し0.9989ドル

  • 英ポンドは1.3%上昇の1.1474ドル

  • 日本円は0.4%上昇し、1ドル=144.03円となりました

暗号通貨

  • ビットコインは3.1%上昇の20,214.08ドル

  • イーサは2.4%上昇し、1,355.1ドルとなった。

債券

  • 10年物国債利回りは3.63%と小幅な変動に留まった

  • ドイツの10年債利回りは5ベーシスポイント低下し1.87%へ

  • 英国の10年債利回りは9ベーシスポイント低下し3.87%に

コモディティ

  • ウェスト・テキサス・インターミディエイト原油は3.1%上昇し、1バレル86.25ドル

  • 金先物は1.9%上昇し、1オンス=1734ドル

OPEC+が日量最大200万バレルの減産を検討していると代表団が話しました。この話が噂されてから、一時70ドル後半だった原油価格は80ドル後半まで上昇し、オイル関連銘柄が再び上昇しています。世界的なインフレ・景気後退が懸念される中、各国の思惑が錯綜しています。

今日の重要指標

  • 8月 耐久財受注[前月比] 前回: -0.2% 予想: -0.2% 結果: -0.2%

  • 8月 耐久財受注(輸送除くコア)[前月比] 前回: 0.2% 予想: 0.2% 結果: 0.3%

  • 8月 製造業新規受注[前月比] 前回: -1.0% 予想: 0.3% 結果: 0.0%

ジェファーソンFRB理事、インフレ退治は時間がかかる

5月に就任して初めて公での発言になりましたが、メッセージ自体は昨日のウィリアムズNY連銀総裁発言とほぼ同じく、インフレ退治には時間がかかることを意思表明しました。

SF連銀総裁、失業率は4.5%台にとどまる

サンフランシスコ連銀のメアリー・デイリー総裁は、インフレ率が目標の2%に完全に戻るまで、金融引締めを維持する必要があると述べました。

また一部で予測されている失業率6.5%まで上昇することはないとし、FOMCで発表した4.5%の見通しにとどまることを改めて強調しました。

その上で、FRBの利上げが景気後退だけでなく「他国の為替相場への影響を及ぼす」として、先週のブレイナード副議長に近い発言が出ました。

明日の重要イベント

  • MBA住宅ローン申請指数[前週比] 前回: -3.7% 予想: 0.0%

  • 9月 ADP雇用統計[前月比] 前回: 13.2万人 予想: 20.0万人

  • 8月 貿易収支 前回: -707億ドル 予想: -679億ドル

  • 9月 サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値) 前回: 49.2 予想: 49.3

  • 9月 総合購買担当者景気指数(PMI、改定値) 前回: 49.3 予想: 49.2

  • 9月 ISM非製造業景況指数(総合) 前回: 56.9 予想: 56.4

  • 前週分(9/24-9/30)原油在庫[前週比] 前回: -21.5万バレル 予想: -155.5万バレル

  • 前週分(9/24-9/30)ガソリン在庫[前週比] 前回: -242.2万バレル 予想: 213.0万バレル

  • 前週分(9/24-9/30)留出油在庫[前週比] 前回: -289.1万バレル 予想: -107.0万バレル

  • アトランタ連銀ラファエル・ボスティック総裁が発言予定

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先週の英国に引き続き、今日のオーストラリアの動向は経済的なインパクトは小さくても、中央銀行家は注視されています。

今後の株価へのインパクトも踏まえて解説しています。

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