恋愛

好きだった、卒業したらもう会わないから言いたかっただけなんだけど

私たちの間で流行っていた変な顔文字をつけて送られてきたそのラインに、確か私はふざけてエイプリルフールは終わったよと返信した。友達だと思っていたのだから驚いたのだ、冗談が面白くなくたって仕方がない。

返事はいらないと来た。私はほっとした。今まで通り、今日あったことや金曜ロードショーの話をしていたかった。

それから数ヶ月して、私と話してくれなくなった。他の人間とは普段通り接しているところを見ると、私が何かしたのではないかという不安が日に日に大きくなる。はじめはめげずに話しかけていたが、やめた。入学した高校であまり馴染めず苦しんでいた私にはちょっと無理だった。毎日泣いていた。重たいだろうか。そこではじめて気がついた。本来ならばクラスメイトと話すような他愛ないことを文字にして送信。日課であり、それは依存だった。

今ならわかる。私のことを嫌いになったわけでも、私が決定的に何かをしたわけでない。何かしたとするならば、送られてきたメッセージをなかったことにしたことだろうか。いや、そんなこと、今はどうでも良いのだ。

今日、ラインのアイコンに王冠マークがついているのをみつけた。もう、深夜に送ったおめでとうのメッセージの返信も、40分で返ってくる。


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