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赤坂ドリブンズ・越山監督の采配は間違っているのか?

(この記事は4281字、約9分で読めます)

こんにちは、夕灘ゆうなだです

今朝キンマさんが赤坂ドリブンズ・越山監督へのロングインタビューを投稿しました。

この記事は賛否の嵐で、平日の朝にもかかわらず、非常に多くのリプと引用RTがなされています。
越山監督がチーム運営においてどういった思想をしているのか。最近Twitterで批判されている様々な事項について余すことなく質疑がなされています。必見です。

越山監督の知性の高さと一貫性・合理性に富んだインタビュー内容は、注意して読まないとあらぬ行間を読んでしまったり、
あるいは読める行間を見落としてしまったりするので、気を付けて解釈したいですね。

当記事ではこのロングインタビューの要所要所にフォーカスを当ててみようと思います

珍しいチーム方針

越山監督のチーム方針は珍しく、これが非難を買う要因になっています。ざっくり列挙すると
①「チームが勝ったほうが気持ちがいい」という思いは価値観が様々であるファン全員に共通。
②広報の面で、他チームと比較してTwitterの運用に積極的ではない
③ユニフォームスポンサーを入れない

越山監督は①_「勝つこと」に非常に真摯な方です。①の考えに一貫性を持ってチームを運営されています。
その考えは選手起用にも表れており、原則「強い」と判断した選手を多く出場させています。
対照的なチームの例として、KONAMI麻雀格闘俱楽部が挙げられるでしょう。寿人さんをエースと据えながらも、
今年のファイナルシーズンでは各選手を均等に出場させていました。

「色んな選手を見たい」というファン層からすると、ドリブンズの丸山さんをあまり登板させない起用はつまらないものだったでしょう。
しかし根本として「色んな選手を見て楽しむ」ことが目的のファンと、「勝つことでファンを喜ばせる」ことが目的の越山監督とでは、目的に向かう過程_チーム運営に齟齬が生じるのは当然のことです。
なので、「丸山さんをあまり出さないなんてひどい!間違ってる!」という批判の仕方は不適切です。
もしこのことに批判をするのであれば「勝ちだけを追求しないで、勝ち方にこだわり、たとえ勝つ為のベストを尽くさなくてもいいから、エンタメを重視して色んな選手を出すべきだ」こう言うべきです。

「エンタメ性の追求」か「優勝への追求」か、どちらが正しいかなんてことはありません。この2つは永遠に交わらないし、どちらも尊重されるべきことです。

②についてはEX風林火山にも言えることですね。Twitterの発信が少ないことを批判しているのはあくまでTwitterユーザーだけです。
MリーグはTwitterを中心にまわっているわけではありません。YouTubeだってあります。
「YouTubeもTwitterも両方やればいいじゃん!」と思う方もいるかも知れませんが、限られたお金・人員・時間で取捨選択するのが運営です。
そしてそのリソースはチームによっても違います。他のチームだって、InstagramやTikTokをやってないですよね?
さらに、なんでもかんでもSNSをやればいいというわけではありません。他のSNSを始めることで、元のSNS発信の価値を下げる危険性があるし、
発信元の集約化というのは大いに有効な戦略です。

>>あと、個人的な考えですけど、僕はチームとして「応援よろしくお願いします」というのが苦手なんです。我々にできるのは、応援してもらえるように頑張って何かを見せる、そして結果を出すことだけで、ましてやチームとして、所属選手個人を「応援してください」っていうスタンスがなぁ、という感じなんですよ。偏屈ジジイみたいになってますけどね(笑)。

>>僕個人で言うと、長らくブランディングやマーケティングをやっているので、ビジネスとしてより多くのファンを獲得するための戦略戦術を練り続ける日々なんですけど、そうありたくないというか。これが独裁と言われるんですかね?(笑)。

この辺りの点が理で動いていなくて、炎上の要因なんじゃないかな?と思ったんですが。インタビューで語っていない意図があるのでしょうか。

メンタル論を軽視しすぎでは?

>>不運が続いたくらいで、うちの選手たちのメンタルは揺れないですよ。

元記事中で越山監督は、選手の起用におけるメンタル論でこう述べています。これに対し私は懐疑的です。
引用RTで指摘されている方もいらっしゃいました。

成熟した麻雀プレイヤーの試合内容は、そのフィジカルとメンタルのコンディションに大きく影響するというのが私の考えです。
園田さんやたろうさんのことは当然私より越山監督の方がよくご存知なので、そのメンタルの強靭さは信頼できるものなのでしょう。

しかし、トッププロと言えどそのパフォーマンスは応援の力に全く影響を受けていないとは言えません。越山監督が優先度を低くしている「ファン層からの見え方」という因子。
これだけ越山監督やチームへの批判があれば、それは士気の低下に繋がり、ひいては選手のパフォーマンス_ミスを誘発さえし得るというのが私の考えです。

ですからやはり、勝ちにこだわるからこそ、ファン心理のマジョリティは押さえておくべきだ、というのが私の越山監督への批判になります。

・・・・・・たしかに、個人でファン獲得ができる園田さんや、他者の声に振り回されず最強と至上を追求するたろうさんは、この因子から受ける影響は殆ど無さそうですが・・・
新規加入の2人がそうとは限りませんからね。
ただ、この2人が残った理由はそういったチームとの相性面もありそうですね。

ドリブンズはファンを軽視しているチームではない

まるで越山監督はファンを軽視しているかのような文章になっていましたが、そんなことはないでしょう。ディナーショーをはじめ、他チームにないファンサービスのブランディングをしていて、「ドリブンズファンが他チームではなくドリブンズファンだから享受できる楽しみ方」を提供しています。これって素晴らしいチーム運営ですよね。

>>もし優勝して賞金をもらえたら、そのお金を使って全国ツアーとかをやってみたいですね。そう、ロックバンドみたいに小さなライブハウスを回りたいです(笑)。

いいですね、これ。

ドリブンズは来期、誰をとるのか!?

>>これは仮定の話になってしまうのですが、もしかしたらファイナルに進んで入れ替え規定にかからなかったとしても、優勝できていたとしても、このオフに選手を入れ替える可能性はあったと思っています。

>>Mリーグの内情をお話しすることになりますが、選手獲得に関しては、少なくともウチは選手と事前交渉を行っています。何の話もしないでいきなり指名して、「いやいや僕は、私はMリーグに入りません。ドリブンズには行きません」なんてことになったら目も当てられないでしょ? ファンの方がどういう想像をしているかわかりませんが、ドラフトの前段階で話は決まっています。

ドリブンズの新規獲得選手には最高位戦の醍醐さんが有力視されていましたが、セガサミーフェニックスの近藤選手引退から、醍醐さんはフェニックスに指名されそうだと予想しています。
「(指名順が先の)フェニックスに醍醐さん取られた!」みたいな声もありますが、上記の発言から、醍醐さん以外(フェニックスが取得する選手以外の選手)に既に目星をつけていそうですね。

醍醐さんがフェニックスに内定している予想は、近藤さんの発言・醍醐さんへのリプ・醍醐さんがIKUSAやBeastJapanextのオーディションに未出場(スケジュールの関係もありますが)であることが理由です。
ソースは省略します。

>>(丸山さんに対して) 「もっとがむしゃらに麻雀をやって、ポテンシャルを開花させて、天鳳位を獲って戻ってきて欲しい」って言いましたよ。

越山監督が天鳳位を評価している点から、最近最高位戦プロにデビューした渡辺太さんがあるかな?と思いましたが、

>>今回獲る2人の選手のうち、1人は以前から「この選手がうちに入ったらいいな」と思っていた、もし選手枠が5人に増えるなら真っ先に獲得したいと以前から思っていた選手です。
この「以前から」の時期次第では、時系列が合いません。

>>現状では麻雀界の全ての選手を追えず情報が限られる中で、どうしても園田が所属している最高位戦、たろうが以前所属していた協会の選手が多くなるところはあります。

>>そして、麻雀の選択において何が得かを正しく考えて、それが人と違う選択だとしても堂々とできる強さがあります。放送対局だからといって萎縮せず、人と違うことも含めて臆せずやれる、みたいなところは魅力的ですね。

恐らく協会か最高位戦のプロで、放送対局の出場経験がある人。

>>このまま麻雀プロとしてのキャリアを重ねていったら、すごく強くなるのではないでしょうか。

若手~中堅の選手そうですね。

>>性格的な部分に触れると、ものすごい努力家で、相当探究心が強いと思います。麻雀というゲームに真摯に向き合っていることは伝わってきます。

努力家、で真っ先にイメージしたのは最高位戦の坂本さんですが、既にすごく強いと私は思うので、違うかな・・・?

私もあまりMリーグ以外の放送対局を見ないので、Mリーガーじゃないプロの雀風はわからないのですが・・・

人と違う選択をする、放送対局でもブレない、だとイメージするのは協会の矢島さんですね。私が応援しているので、バイアスかかってますが。
最近放送対局に出ていた連盟以外の天鳳位だと、茨城さんでしょうか?

本当、予想するの楽しいですよね。

女流については、

>>こちらで20名ほどの選手をピックアップして声をかけ、セレクション、トライアウトをやりました。内容としては論理的思考力を試す筆記試験を2回、麻雀の筆記試験、実際の対局を行って牌譜を見ながらそれぞれの選択の思考を深く聞く、というものです。
筆記試験は園田とたろうと一緒にどういうフィルターを用意すべきかを考え、より良き判断基準たり得る色々な幅広い問題を彼らが作ってくれました。

>>テストの成績が優秀で、非常に論理的思考力が高い、聡明な女性です。麻雀としっかり向き合っていて、多くの引き出しを持つ選手です。実は彼女はMリーガーになりたいと思っていたことはなく、__

少なくともIKUSAには出ていない方でしょう。逢川さんを有望視していた私ですが、違うかー。

ドラフト会議はついに今週の金曜日!
新Mリーガーが誰になるのか楽しみですね。

長くなりましたので、今回はこの辺で。

(了)

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