機材紹介 コントラバス
こんにちは。スケキヨです。
noteにも色々と書いてきました(途中ブランクがありました…)が,大切な相棒である演奏機材についてはほとんど触れていないことに気付きました。
そこで今回から数回にわたって演奏機材の紹介をしていこうと思います。
1.コントラバス
まずは何と言ってもこれ,コントラバスの紹介です。
一応コントラバス奏者の端くれなんで…
現在使用しているのはドイツの老舗コントラバスメーカー,ペルマンによる1983年製ガンバシェイプ(ラウンドバック)です。
3/4サイズ(標準サイズ)らしいのですが,ドイツ本国での3/4サイズのため日本国内の4/4サイズかそれ以上に大きく,さらにはお尻(下の膨らみ部分)が相当にデカいため車への積載も一苦労です。
この楽器,お世話になっているバイオリン工房にたまたま委託販売で出ていたところをゲットしたものです。
それまではスズキ製コントラバスやサイレントベース(YAMAHA SLB200)をメインで使っていましたが,本格的なオール単板のコントラバスが欲しくなり,インターネットで目星を付けた数本を目的に東京に足を延ばして試奏したりしましたが…
良い物も沢山あったのですが「コレ!」といった決定打が無く,何の収穫もなく帰郷した矢先に出会った楽器です。
試奏してみると,ふくよかな低音は勿論のこと,ダークで沈み込むような音色ながらも朗々と歌い上げるようなヴィブラートのかかり方も素晴らしく,ものの数分で虜になってしまいました。
堅牢そうな表板の木目や,ネック~横板にかけての見事な虎目,良いレリック感のマシンヘッドが所有欲を擽り,さらには僕と同い年の1983年製というところに運命を感じて購入を決断しました。
それなりに高い楽器なので音も大切ですが,所有欲を満たしてくれるビジュアルもとても大切だということに気付かせてくれた楽器でもあります。
コントラバスを弾き始めた頃から「いつかペルマンが弾けたら良いなぁ」なんてぼんやりと考えていましたが,まさかそれが現実になるとは思ってもいませんでした。
2.コントラバス弦
弦はスピロコア コントラバス弦セット 4/4サイズ ライトテンションを使っています。
スズキ製コントラバスやサイレントベース(YAMAHA SLB200)をメインで使っていた時からしばらくの間はピラストロ オリジナルフラットクロームを張っていましたが,弦のテンションが高めのため,ただでさえ取り回しに力を使う楽器サイズに加えて握力,特にピチカートする右手の握力を酷使するプレイは色々と支障が出たのでやめました。
片付けの時に手が震えたり,帰りの車でボーっとなったり…
これはいかんと思ってテンションを緩めるためにテールピースを止めているテールコードを伸ばしたり,弦高を試行錯誤してみたりしましたが,結論としては「テンションが低めの弦にするのが一番良い」と思います。
「ライトテンションにしたら音が軽くなるんじゃ…?」と思っていましたが,張り替えてみるとそんな心配は杞憂に終わりました。
ピチカートでも弓でも,大きく音を鳴らそうとすればそれだけ弦を大きく震わせなければいけません。
弓は摩擦力で大きく揺らしますが,ピチカート(指)の場合は「引っ掛けて放す」という動作で弦を震わせます。
一音一音ゆっくりであれば大丈夫ですが,ファストスウィング(♩=240とか)での4ビートや,速いパッセージを弾かなければいけない時に音が小さくなってしまったり,下手すると指が弦に負けて音が出なくなってしまいます。
しかしライトテンションの弦にした場合,ピチカートの際の右手の負担が減り,弦を大きく震わせることができます。
ヘヴィゲージに比べて質量と音質は勿論変わってきますが,楽器の音量について悩んでいる方,特に朗々と楽器を歌わせたい方にはライトテンションがおススメです。
3.駒&ピックアップ
人によっては「駒は楽器の心臓」と言うくらい弦楽器にとって重要なパーツです。
弦の振動を本体に伝え,尚且つ弦と指板との繊細なコンディションを保っている箇所です。
ジャズやロカビリーの場合,アンプで音量を稼ぐシチュエーションがあるんですが,「楽器の音をどこから拾うか」という問題にぶち当たります。
楽器の前にマイクを据えるスタイルもありはするんですが,多くは駒部分に「ピックアップ」というパーツを付け,それにケーブルを繋いでアンプやエフェクターに通します。
僕が演奏するジャンルは主にジャズですが,トラディショナルなジャズだけではなくファンクやロックテイストまで入った幅広いジャンルに関わっていますので,一つのピックアップで色々と音作りをするのは結構大変です。
そこで「2つのピックアップを搭載して音をブレンドさせながら音作りをする」というスタイルにたどり着きました。
現在使用しているピックアップは下記のとおりです。
・REALIST WBASS-PU
・FISHMAN Full Circle Upright Bass Pickup
普段使用しているピックアップはREALIST WBASS-PUです。
駒の足部分と表板の間に挟むタイプですが,僕の楽器の特性として「ダークな音色」が強いので,1弦側に挟むことでベーストーンを若干絞り,ソロの際の音の粒立ちが良くなるようにしています。
FISHMAN Full Circle Upright Bass Pickupは素直な音が出るピックアップですが,僕の楽器だと若干トレブリーになる傾向があり,単体で使うと弓の時に少し耳障りなザラザラ音が気になるのでサブピックアップとして使っています。
これらをエフェクター(Boss LS-2)でブレンドして使用しています。
4.魂柱
バイオリン属(バイオリン、ヴィオラ、チェロ)とガンバ属(コントラバス)の胴体内には弦の張力に耐えるため&表板の振動を裏板に伝えて楽器全体を振動させる為に「魂柱」というパーツが据えられています。
購入当初の魂柱は経年劣化もあったためか位置があまり宜しくなかったのか、楽器を鳴らしても「バキーン」という音というかレスポンスが薄い印象でした。
そこでコントラバス専門店に持ち込んで新しい魂柱に換装&位置調整を施してもらい、楽器本体の鳴りを改善しました。
楽器本体の特性であるダークな音質は残しつつ、ソロの際の音の立ち上がりや粒立ちが改善されたことでプレイアビリティの向上にも繋がりましたので、音で悩んでいるコントラバス奏者の方に是非オススメの施工例です。
おわりに
ここまでコントラバス単体で色々と紹介してきましたが,改めて書いてみると色々といじってる(そして金かかってるなー…)ということに気付けました。
コントラバスを知らなかった方は勿論、コントラバス奏者の方に少しでも参考になれば幸いです。
次回以降も弓やアンプ,エレキベース,機材車について随時紹介していきます。
シリーズものにしていきますので,お楽しみに!
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