Cult of the Lambクリア後感想など(ネタバレあり)
だいぶ時間が経ってしまいましたが…教祖さま、無事、神に勝ちました!せっかくなので、記念にLamb of Godをしばらくたくさん聞きました(ゲーム本編とは関係ありません)。
※大型アップデートがリリースされましたが、まだやれていません。
勝手な評価
グラフィック ★★★★★ 割り切ってて良いバランス!超好き
アート・世界観 ★★★★★ 題材に対する絵の表現がかなり最高
演出面いろいろ ★★★★☆ モーションめちゃ良いです
シナリオなど ★★★☆☆ スッと入ってくるフレーバーと設定
バトル難易度 ★★★☆☆ むずいところとそうでないところが極端
アクション難易度 ★★☆☆☆ 操作で悩むことはあんまりないです
パズル難易度 ★★☆☆☆ ノーヒント謎もだいたいクリアできた
UI・UXの感じ ★★★☆☆ わかりやすかったとおもいます
システム心地 ★★★★☆ サクサク良い感じ!たまに処理落ち
サウンド ★★★★☆ 教祖と信者の声がクセになるいい音
ローカライズ ★★★★☆ おかしなところは全くございません
グラフィック:どこを切り取っても絵になる!
すべて2D系の仕上がり(実際はモデルが動いてるけれど)で、ノスタルジックでラフな感じを出しながらも、かなり綿密に作り込まれています。スクショを死ぬほど撮ったんですけど、どこをどれだけトリミングしても価値が下がらないというか、キャラから背景までとにかく手が込んでる!
↑ キャラ周辺だけかなり接写?して切り抜いてるんですけど、すごくない??密度!!でも、モーションと注視点のつくり方が良くて、ごちゃごちゃしてるのに全然見づらくないのがすごいです。(一部、草の見づらさを逆手に取って敵を隠すとかはわざとやってると思った)。いやー、この絵でウォーリーを探したい感じ。絵本ください。
アート・世界観:この題材でキュートに見せる技たるや…
前述のとおりグラフィックがとにかくいいので、世界観が本当にうまくまとまっていて、全体の設定含め、アートと世界のパッケージの完成度がものすごく高いです。あと、グロくないのがすごい。生贄ガンガンささげるわけだし、普通に血が飛ぶような描写もあるし、やってることは普通にグロのグロなんですけど、とにかく可愛らしくまとめられていて、グロさを全然感じないです。キャハハー!メーメー!ってやってる間に信者も敵もコロっと死んでいく(言い方)。
グロさもそうなんだけど、大きなテーマとなっている「宗教」が、どうぶつの森的なオブラートで完全にくるまっていて、カルトのヤバさを感じない仕上がりになっているのも脅威です。「信者を増やして、集落を発展させる」っていうこと自体が「ゲーム」的な進行と完全に合致しているので、なにをするにも罪悪感がマジでゼロ。集めた信者に労働をさせ、たまにホメて経験値を与え、レベルを上げて、たまに冒険に連れ出し、必要であれば生贄にして教祖(自分)の糧とする……。これ、ゲームとしては、ごく普通のことですよね?まぁ、生贄は珍しいかもしれんけど…。
こうやって信者たちを「リソース」として扱う流れが、あっさりと罪悪感ゼロで進むことに、ときどき我に帰るような瞬間もあるんだけど、コミカルな雰囲気全般に飲み込まれていって、「まぁいいか、信者は足りなくなったら買えばいいし(生贄ドーン)」みたいな感じになる。なんというか、最高にゲームしてる!!って気分になれます。フィクション、かくあるべし。
演出面いろいろ:モーションがとにかく良い
コミカルな世界を表現するのに、間違いなくモーションが一役買ってます。ストップモーションというか、パラパラ漫画的というか、2Dならではのトーンカーブ変形、Live2D的な揺れもの表現に近いような感じなんですが、これがすごく絵とか、表情などに合っていて、とにかく心地よいです。テンポもいいし、コロコロ変わるみんなの表情を見ていると、「信者…幸せそうだな…^^」って思えるので、ますます罪悪感が減っていく…。
「儀式」を行ったときの演出なんかも、ヤバいことしてるなっていう空気はもちろん出しつつも、実際はみんなでごはんたべたり、トンカチ振り回したり、お遊戯会的なモーションでまとまっていて、そこに切れ味鋭い画面の演出がズバーン!!って入ることで、「神の力」みたいなものがものすごく的確に表現されている感じがあります。何にしてもメリハリの付け方がめっちゃうまい。音(声とか)もいいよね…。
シナリオなど:基本全部フレーバー。シナリオはない
シナリオは、ないです。生贄にされかけた子羊が、追放された神(待ち受けし者)に「教祖やるなら命助けてやるから手伝えや」って言われて、追放を行った4神をぶっ倒して、最後に待ち受けし者を裏切る下剋上エンドか、王冠を返却するエンドか。以上。
子羊が戦う理由は「教祖やっといて」で十分だし、4神(+1)のバックグラウンドなんかも、ちょっとした自分語りが組み込まれるけど、ストーリーと呼ぶような流れはありません。実に適切な範囲でのフレーバー。キャラクターを好きになるためには十分な量だと思います。もはや、こういうのでいいんだよなぁ…
主に味方(?)してくれる登場人物が全員イカれてて、なんかBloodBorneみたいでよかったです。心臓探しおじさん(おじさん?)が一番意味わかんなくて好き。
バトル難易度:ノーマルでもちょっとむずくて最後下げた
自分がそこまで反射神経&覚えを要求されるタイプのゲームが得意じゃないっていうのもありますが、パラメータ強化ができないラスとバトルだけマジで無理で、ここだけイージーに下げました…。
このゲームのバトルは、ローグライクな楽しみ方(道中で拾ったタロットカードで強化して進む)に比重が大きく置かれているように感じていたので、回り道してでも今はタロット集める!とか、いいカード序盤で引いたから素材優先で行こう!みたいな攻略を楽しんでいました。なので最後の「ランダム武器、タロットなし、気合でよろしく」なバトルだけはどうにも攻略に苦労しまして、信者を連れていくとかはもちろん試したんだけど、第二形態の弾幕避けが絶対無理だと思ったので早々にあきらめてイージーモードに難易度を下げちゃいました。逆に、最後のバトル以外はイージーにしちゃうとイージーすぎる印象で、サクサク進めていいんだけど、「開発者おすすめ」になっているとおり、ノーマルがローグライクも楽しめるいい塩梅だと思います。ラスボス前にダンジョン(タロット稼ぎフェーズ)あってもよかったのにな~!!
アクション難易度:操作自体は簡単でレスポンス抜群
目で見た通りの当たり判定と、長めのローリング回避で、けっこうガチャガチャ遊んでも楽しく行ける、ノーストレスな印象だったと感じます。(だからガチャガチャやっちゃってうまくならない)ばんばん先手を取れるというか、意図的にすごく待つシーンがあんまりないのもストレスフリーでいいですよね。蜘蛛が下りてくるのを待つ以外は……
武器ごとの特性がハッキリしていて、遊び心地がコロコロ変わるのもアクセントになっていて良かったと思います。自分はハンマーわりと好きでした。短剣はリーチ短くて使いづらかったというか、攻撃速度はタロットで盛れるから、火力優先のほうが強くなれる印象もあったかもしれない。(だからタロットのないラスボス戦で苦労したんですけど…)
「〇〇の」(付加効果)に関しては、これまた脳筋なのでクリティカルのやつが好きでしたが、吸血がついてると攻略が安定するとか、いい遠隔攻撃(呪い)を引けてるときは組み合わせの強いやつがいいとか、テンプレ最適解一択!!みたいな感じではないので、ハズレを引いてガッカリ…みたいなことも少ないし、ダンジョンを繰り返しても飽きずに遊べるようになっていた印象です。ちょうどいい。
パズル難易度:パズルっていうかノーヒント箇所がちょっとある
服(羊毛)を手に入れるために、いくつか特定のアイテムを用意したり、特定の行動をしたりっていう謎解きっぽい要素があり、これに対してヒントがほとんどないのだけど、セリフとか周辺の要素から推理して考えるというか、「気付けばわかる謎」という感じ。偶然解けちゃったのもあって、あっ、そっかそういうことかぁ!<完>みたいな。
そもそも、気付けなくてもクリアには何の支障もなさそうです。手に入る羊毛でうまい使い方ができそうなものが1つ(連戦ダメージ増加のやつ)しかなくて、それも被ダメが増えるので、ぬるゲーマーの自分には全く使いこなせなかったし…。
UI/UXの感じ:シンプルでアートとの親和性◎
必要最低限!って割り切ってて、操作も特に困ることはない具合。PC版(steam)も当然出てるけど、コントローラーで遊ぶことを基本にしたアクションゲームなので、そのあたりは違和感ないですね。街づくりのほうは、ピンポイントでクリックできたら早いんだろうな~みたいなポイントがいくつかあり、そのあたりはPC(マウス)のほうが遊びやすそう。
システム心地:基本サクサクで非常によかった
アクションとバトル以外の、全体的なプレイ感覚みたいな部分の話。
シンプルなゲームなので、メニュー階層が深くて迷うようなこともなかったし、セーブもさくさくだし、バトルパートと教祖パートのメリハリもしっかりしていて、よかったです。時間経過だけはもうちょっとゆっくりでもよかったかも…とは思った(信者と、信仰の集まりが気になって、日が落ちたらすぐ帰りたくなっちゃう…)。まぁ後半は放っておいても全く問題ない感じにはなるのですが!どうしても気になっちゃう!
個人的には教祖パートがすごい楽しかったので、もっといろいろ開拓したかった印象でした。飾り付けがDLCで増えてるのは知ってて、そういうのではなくて、施設をすごい建てるとか!
サウンド:BGMっていうよりは環境音のような心地良さ
メロディアスでストーリーを感じる重厚な音楽がすごい!という方向性ではなくて、環境音に近い感じの、とにかく心地よい音楽が特徴的。で、これがアートの雰囲気と相まって「キュート」の演出をバックアップしてる。子羊と信者たちの「小動物らしさ」と、敵、つまり神たちの「神らしさ」(バカの表現ですみません)の対比がすごい出てるっていうか、ちいさいものが寄り集まってデカいものに挑む感じがする…と思いました。
主人公がさ、ヒーローじゃないから、こう、勇者~!!って奮い立つ感じの音楽性ではないというか。あとやっぱ、言うて「宗教もの」なので、民族系のエッセンスに、宗教らしい感じの…高貴というか…ありがたい感じというか…そういうSEとかもたくさん含まれてて、「ははぁ~~ッ教祖さま~~ッ」て気持ちになるの!!伝わって!!
信者の声がまったく可愛くないおじさんボイスなのにだんだん可愛く見えて(聞こえて)くるのとか、子羊だけはリアルに「メェー」って言うけどすごく愛らしく聞こえるのとか、アートの効果がとにかく大きいですよね。でSEの厚み(?)が、全体の雰囲気の完成度をがっつり高めている感じ。馬なのに横に口がついてる!みたいな、ちいかわ的なユルさとの絶妙なバランス。
ところでKnucklebonesの曲めちゃくちゃ良くない?わりとマジ一生遊べてしまってゲームクリアできなくなるかと思ったよ!
ローカライズ:気になるところはほぼなし、とても丁寧
ボイス関連がないので文字回りだけだと思うんですが、独特な用語もうまいこと翻訳されていたと思います。架け橋ゲームズさん、いつもありがとう!
実は「教化」という言葉を知らなくて、今回初めて知りました。
follower awaits indoctrination
教化を待つ信者あり
これ最初「教徒化」の誤植かと思ってたんですよね。で、調べまして…
「教育」と違って、無理やり刷り込む(洗脳)的なニュアンスが含まれるので、近年では宗教案件以外でほぼ使われることのない言葉のようです。いやあ、勉強になった…。
総評
お手頃価格で満足感を得られる良作アクション!
インディーゲームの価格感であり、セールも常連ですし…というのもあり、とにかくギュッと満足度が高く仕上がっている1本だったと思います!
隙間で遊ぶのにも向いているし、なによりやっぱり絵がカワイイので、気分が楽しくなります。(演出は可愛くないのにね)
あとこれはインディーの強みだと思うんですが、開発元のSNS利用がめちゃくちゃに自由で、とにかく面白い。子羊を自由に扱いすぎている。あのフットワークの軽さというか、そういうところはインディーならではって感じで、いいですねぇ…
さらに、どうやら同じ開発元で、新しいゲームを開発中みたいです。画面を見る限りエンジンも同じっぽいので、きっと同じようにいい感じの手触りのゲームになってくる予感!とても楽しみ!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?