【詩】反逆罪、或いは3月4日
かみさまのいうとおり
すくすくそだったぼくは
かみさまのいうとおり
うたがうことをおぼえず
かみさまのいうとおり
違和【言わ】れたことにはめをつむる
かみさまにさからったあかつきには
"さばき"のこえがぼくをたたく
"さばき"のてでかみをつかむ
さばかれたぼくはかみさまのいうとおり
すべてをうけいれ、犯行【反抗】をやめた
現在【原罪】
この体が、"現在"の姿ならば
この意思持つことが、"原罪"であるならば
一生涯背負っていくのだろう
焼きついた呪いの如く
業の炎に抱かれ続け
「噎び泣いてももう遅い」と言われても
「カミサマ」
唇噛み締め目を見開く
硝煙の匂いを振り撒いて
"さばき"のこえとてふりほどく
追い縋るこえとて、誰かの声がぼくを嬲りにきても、振り撒く煙共々踏み躙った
すこし、軽くなった世界で
「さよなら」と「おめでとう」呟いた
静謐なるカミサマへ
随分とお利口な子に育ったようです
作家修行中。第二十九回文学フリマ東京で「宇宙ラジオ」を出していた人。