【詩】グッド・モーニング

これ(以下)の続き

よく晴れた空 雲一つなし
それなのに目まぐるしく騒ぐ心
カーテンは開かない 朝日は差しこまず
カーテンコールも始まらない
もう知らないふりはできなくて
見知った町の中一人、下を向いて歩く
叫びが届かない 声が拾えない
うたを愛せない 息の仕方さえ忘れかけた
心の騒ぎがノイズにしか聞こえなくなる
それもまた、見つめるだけ?
落ちている拡声器
止まったままの青空
早く目を覚ましてくれ
桜色の夜明け空を忘れる前に

何度でも揺すり起こす
夢では終わらせない
ここにもう一度、爽やかなあの朝を

作家修行中。第二十九回文学フリマ東京で「宇宙ラジオ」を出していた人。