【詩】うつくしき
「宇宙ラジオ」の花峰イメージの詩
美しいものを好きになるのは、自分が美しくないからだと思う。
あるいは当然の心理か。
つまらないこととくだらないことばかり考える自分は、やはり美しくない。
だから玉に瑕があると心底安心する。「そんなもんか」と思えるから。
だけどその瑕さえ輝かせてくるから、美しい奴らは恐ろしい。
そして美しい奴らに憧れるのだが、その感情こそ何より美しくないと思う。
それなのに自分の名前ばかりがその象徴たる花の名前だから、笑ってしまう。
けれどそれを見て美しい奴らは、あたしに「綺麗」と言う。
そこに世辞の色も見えないものだから、あたしは今日もそいつらのことが嫌いである。
作家修行中。第二十九回文学フリマ東京で「宇宙ラジオ」を出していた人。