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ボクはグローブトロッター

コロコロのトランクを持って旅行していると、「旅人」を自認する人ほど僕の持つコロコロトランクを馬鹿にしてきます。

特にバックパッカーの人はトランクへの憎しみがすごい。トランクをコロコロしてる時点で物見遊山の観光旅行以上の「旅」をすることはできないと言わんばかりです。

そんなバックパッカー諸氏に叫びたい。

「バックパッカー」って言葉ができる遥か前から、このカバンは「グローブトロッター」やってるんでい!

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旅行ではグローブトロッターというトランクを使っています。

クラシックな作りと雰囲気のカバンでしょ?100年以上続いてるメーカーのトランクで、globe trotterというのは20世紀初頭の流行語「世界を飛び回る人」に由来するそうです。

性能としてはプリミティブ。ただの取っ手のついた箱です。

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内装はこんな感じ。大きいサイズだと荷物を押さえるストラップがつきますが、基本シンプル。

ポケットとか一切無し!入るものは入るし、入らないものは入らない。
意外と収納力はあります。まあまあ頑丈でそれなりに軽い。

僕がグローブトロッターにこだわっている理由はただ一つ、

このトランクがほかのカバンに比してはるかにロマンチックだからです。

ではそのロマンとはなんぞや。
グローブトロッター社の創業は1887年。新幹線もLCCも無い時代、旅行ってのは大変に冒険的なものでした。当然お金も時間もかかるし、なんなら今より危険も多い。

現代、思い立ったその日に台北でルーローハンが食べれたり、庶民でもマイルでファーストクラスに乗ってyoutube配信できる21世紀とは旅行者の意気込みが全く異なるわけです。

そんな時代のカバンは当然、必要十分に気合が入った作りであり、特権的な旅を演出するための小道具であり、見知らぬ土地への覚悟と憧れを詰め込み、また持って帰るためのものです。当時の鞄メーカーは数多ありましたが、現在でも100年の時を超えて同じトランクを作り続けるのはグローブトロッター社くらいになってしまいました。この小さなメーカーは今でも創業当時とほぼ変わらない化石みたいなトランクを作り続けています。

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トランクにステッカーがベタベタ貼ってあるのは、まだ海外旅行がめずらしかった時代のボースティングだとも、みんな同じようなトランクだから区別するためとも言われます。現代でもみなさんMacBookで同じことやってますわな。

グローブトロッターは旅行がすべからく「旅」だった時代の空気を保持しているのです。

寅さんが「旅」に出るときにリュック背負ってたら恰好が付かないでしょ。それはこれから行く旅がいかなるものかを演出するための文脈、すなわちロマンが無いからです。姥捨て山に行くようなバックパッカーのデカいリュックでは得られないタイプの旅情ってのもあるのです。

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グローブトロッターを抱えて空港で野宿。
センテナリーというラインのグレー、18インチ。

「いつ来るかわからないバスのために隣村まで歩いていく」みたいなガチのパッカーじゃなければグローブトロッターでも意外と機動的です。ロマンチックなのにわりと使い物になるのも良いのです。


というわけで貴方もグローブトロッターが欲しくなってきたでしょう。早速公式オンラインショップを見てみましょう。

コメント 2020-03-10 094216

高えよバカ!

そうなんです、このカバンの最大の問題点は法外に高価なことなのです。手作りでイギリス製でとか御託を並べてもこの値段は高すぎます。おひとつ20万30万とか言われると、夢とかロマンは現実的な金銭問題の前に消し飛びます。

「そのトランク買うお金で3か月くらいインドに行ってきた方がいいんじゃないすか?w」ってバックパッカーから皮肉を言われてもぐうの音も出ません。

昔、飛行機で離陸までの時間にぼんやり窓の外見てたら、必死で働いて買った僕の白いグローブトロッターがほおり投げられてズジャアって傷が入るのが見えて「アッ」って小さい声が出ました。

定価で買ったグローブトロッターを持って、傷も破損も気にせずにガンガン使えるなんて金持ちだけです。セレブ御用達のブランドだと雑誌に載るのもむべなるかなです。だからといってトランクの傷ばっかり気にしてても格好悪いしロマンもへったくれもない。

じゃあ貧乏人が実用可能なロマンあふれる「旅」トランクを持つにはどうしたらいいか。答えは一つ、メルカリです。ネットで使い古しのトランクを買っちゃえば良いのです。さあ、中古のグローブトロッターの選び方を指南いたしましょう。

次回に続く

#グローブトロッター #globe trotter #旅行



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