産後1ヶ月のこと
出産して5日目、自宅に戻った。夫も1ヶ月の育休を取得し、赤ちゃんとの3人暮らしが始まった。
順を追って書いていこうと思うのだが、これがどうしたことか、しばらく振り返ってみても、あの頃のことは不思議なくらいぼんやりとしか思い出せない。
頻繁に授乳したし、ほとんど寝られなかったし、体力も落ちてたからずっとベッドにいたなぁというのはもちろん記憶にある。
それが苦しかったかというと、そうでもない。
自分の身体のしんどさよりも、赤ちゃんの鼻づまりや沐浴での泣き、肌の乾燥、おへそまわり、授乳がうまくいっているか、など始めてでわからないことばかりの心配になることが毎日やってきて、検索したり本をよみあさったり、病院に電話したりと、とにかく慌てていた。
今思えば、このかわいくて小さな命をなんとか守らねば、と必死になっていた。
自分でも気づかないうちに追い込まれていたのだろう。2週間検診で助産師さんに優しく声をかけてもらって、どんどん涙が出てきた。噂には聞いていたが、まさか自分がこうなるなんて。
あぁやっぱりしんどかったのか、不安だったのか、とどこか客観的にみている自分もいた。
不安で仕方ない私をみかねた夫が、ある時こう言った。
「この子は強い。一生懸命生きてる。それを信じてあげよう」
その通りだ。私たちが信じないで、誰が信じるんだ。毎日少しずつ大きくなって、元気に泣いているこの子の持っている生きる力を信じよう。
そう思ってからは、肩の力が抜けて、何かあっても可愛いなぁ、と見守ることが出来るようになってきた。
そんな一喜一憂の日々を繰り返し、なんとか1ヶ月検診も乗り越えることができたのだった。