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8ビット時代のWindows、MSX。

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40年ほど前に、バラバラだったパソコン規格を統一することで周辺機器やソフトウェアの開発を楽にするMSXが誕生しました。保有している書籍を中心に当時を振り返ります。持っている書籍な…
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#ポケットバンク

MSXポケットバンク#11| とにかく速いマシン語ゲーム集

私がポケットバンクシリーズで一番初めに購入した本です。なぜこれかというと特に大きな理由はないのですが、書店でポケットバンクシリーズが並んでいる棚からいくつか見たところ面白そうなゲーム写真が載っていて、それが無料でできることに感動したからです。 表紙デザイン 裏表紙デザイン この本に載っているプログラムは全部入力して遊びましたが、ボンバーとウミンバが特に面白かったです。全体的に音に関しては効果音だけで寂しかったですが、マシン語の特性を考えると仕方ないかなと。 MSXは8

MSXポケットバンク#10| マイコン野球中継'84

今回もMSXから大きく離れた回です。ゲームの回でもなく、興味がない人は不要な本かもしれません。ただ、8ビットの時代にパソコンを使ってデータ分析を行うという意欲的な内容なので、今だともっと汎用的に使える本になったと思います。 表紙デザイン 裏表紙デザイン この本は8ビットパソコン時代のものなので、データ分析一般を扱うには荷が重いので、野球に絞って使えるツールを紹介しています。 私は野球そのものにはあまり興味がなかったためツールについては記憶がほとんどありませんが、この本

MSXポケットバンク#09| グラフィックス㊙️伝

しばらくMSXとは直接関係ない内容が続いていましたが、今回は最もMSXの特徴を表しているVDP(Video Display Processor, 今で言うGPU)について解説した本です。MSX本体に付属のマニュアルでは決してわからないことがこの本では満載でした。 表紙デザイン 裏表紙デザイン VDPのメイン機能は画面を映すことですが、MSXの画面モードは4種類あってSCREEN命令でモード(0から3)を切り替えます。0と1はテキスト表示モードで文字を表示する画面、2は高

MSXポケットバンク#08| プログラムD.J.

今回のポケットバンクは不思議な感じです。MSXの技術面もゲームを作るわけでもありません。不思議なプログラムが38個掲載されています。但しこれらのプログラムがこの本の中心ではありません。 それぞれのプログラムのページにはそれを紹介する物語が綴られているのですが、それが面白い。休日の予定のないお昼頃にFMラジオを流しながらぼーっとしているような、時間が進んでいるのか止まっているのかわからない空気感の物語なんです。 スマホがない時代はこんな時間の使い方だったなぁとデジタルネイテ

MSXポケットバンク#07| 面白パズルブック

ポケットバンク7番目はパズルの本です。MSXで動くプログラムリストが載っていますが、MSXならではの機能は全く使っていません。 一方パズルゲームとしては面白いラインナップで、箱入り娘やカラータイルのような最適解が一つだけという数学的なパズルから、ビンゴのように擬似AI機能を持つものまで知らないことが多くて面白いです。 表紙デザイン 裏表紙デザイン MSXは画像を制御するVDP(今で言うGPU)は割と高機能で性能もまずまずだったのですが、VDPに命令を送るBASIC部分

MSXポケットバンク#06| トランプゲーム集

今から考えるとポケットバンクシリーズは最初に出た5冊でMSXの基本的な機能を解説しながら、実際にツールやゲームを入力することで楽しみながら理解していく、良くできた教材でした。 そういう意味では#06以降は応用編ですね。MSXをどうやって楽しんでやろうかと編集部も楽しんでいる感じがします。これAndroidやiOSでも同じような書籍出ないかな。 表紙デザイン 裏表紙デザイン 本書は#01から#05のように、MSXの難しいプログラムテクニックが満載という訳ではありません。

MSXポケットバンク#05| ゲームキャラクタ操縦法

当時のパソコンでMSXを特徴付けていた機能の一つにスプライト機能があります。MSX以外のパソコンでは画面上でゲームキャラクタを動かすためには、画面にキャラクタを直接描画して、移動後には背景を描き戻すという面倒くさい処理が必要でした。 MSXが持つスプライト機能は事前にゲームキャラクタを登録しておけば、あとは表示したい位置を指定するだけで、パソコンが画面上に重ねて表示してくれます。背景を描き戻す必要はありません。 表示デザイン 裏表紙デザイン このスプライト機能は便利で

MSXポケットバンク#04| マイコン・サウンドパック

MSXのPSG(プログラマブル・サウンド・ジェネレータ)では3つの矩形波と1つのノイズを発生させることができますが、この本ではノイズを工夫することでいろんな効果音を作ろうという取り組みが記載されています。 表示デザイン 裏表紙デザイン MSX-BASICでは3つの矩形波はPLAY命令で実行し、ノイズはSOUND命令で実行できます。 PLAY命令はCDEFGABでドレミ記号を表し、O[数字]でオクターブ、L[数字]で音の長さを表すなど、楽譜の置き換えが簡単なのに比べて、

MSXポケットバンク#03| BASICゲーム教室

MSXにはマイクロソフト製のBASIC言語が搭載されていました。このMSX-BASICは当時にしては結構優秀で、0.1かける10イコール1.0を計算できます。 何を当たり前の話をしているんだ?と思われるかもしれませんが、ライバルであるNECのN88-BASICや富士通のF-BASICでは誤差が出てしまうんですよね(間違っていたらごめんなさい)。 理由は簡単、コンピュータは数字を2進数で扱っていて、整数であれば2進数でも10進数でも表現の違いだけなんですが、小数になると扱え

MSXポケットバンク#02| マイコンジュークボックス

MSXはPSG(プログラマブル・サウンド・ジェネレータ)という音を発生させる仕組みを持っていました。MSXが搭載していたPSGは3つの矩形波と1つのノイズを発生させることができます。矩形波とは超ざっくり言うと救急車のピーポーピーポーのような音色がなくて音程を変えられる音です。 表紙デザイン 裏表紙デザイン 中身は貧弱なPSGを駆使してMSXで音楽を楽しめるよう様々な音楽がPLAY命令で実行できるようになっています。個人的には矢切の渡しがよかったですし、フラッシュダンスも

MSXポケットバンク#01 | アニメC.G.に挑戦!

みなさま、MSXってご存知でしょうか。1983年に登場したパソコンの共通規格で、それまでは各社バラバラに作っていたパソコンをメーカー問わずに同じ規格に則ることで、周辺機器やソフトウェアを共通に使えるようにしたものです。今だとWindowsに近いんですかね。 ここでは過去のMSXの思い出と合わせて、当時のアイテムを紹介していきたいと思います。では早速、MSXのバイブル、ポケットバンクです。 表紙デザイン 裏表紙デザイン 記念すべき1冊目ですが、アニメをMSXで書いてみる