竹内 純子(国際環境経済研究所理事/U3イノベーションズ合同会社共同代表/東北大学特任教授)

温暖化・エネルギー政策研究と、ビジネスの両面から、現実的な移行とサステナブルへの移行を目指しています。

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      日経COMEMOは、様々な分野から厳選した新しい時代のリーダーたちが、社会に思うこと、専門領域の知見などを投稿するサービスです。 【noteで投稿されている方へ】 #COMEMOがついた投稿を日々COMEMOスタッフが巡回し、COMEMOマガジンや日経電子版でご紹介させていただきます。「書けば、つながる」をスローガンに、より多くのビジネスパーソンが発信し、つながり、ビジネスシーンを活性化する世界を創っていきたいと思います。 https://bit.ly/2EbuxaF

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    再エネに優しい政策が、再エネ事業を成長させる・・とは限らない。

    このnoteでも、違う媒体への投稿でも、GX実行会議でも、私は繰り返し、再生可能エネルギーの導入支援制度である「全量固定価格買取制度(FIT)」を批判してきました。 それは、決して再生可能エネルギーの導入に否定的だということではありません。むしろ、自ら創設した会社では、「健全な」再エネ事業者の方たちの支援もしています。 ただ、過保護な親が子どもの健全な成長を阻害してしまうように、過剰に「優しい」政策は、その産業の成長を阻害してしまうことを指摘しています。 再エネFITの問題

      • 過剰な自己否定の弊害ー「日本は環境後進国」の思い込みが強すぎる。

        エネルギー・環境問題に関心が高い学生さんと話していて、常々、「日本は環境後進国」という思い込みがあまりに強いことに困惑します。 でもそれも仕方のないことでしょう。メディアの報道や環境NGOの方たちが仰っていることを見ればそう思うのも当然です。 エネルギー問題に関する番組の構成台本をいただくと、だいたいこんな言葉が躍ります。直近出たインターネット番組の構成台本から引っ張ってみましょう。 >COP27では「化石賞受賞」  >世界に遅れる日本の脱炭素  >福島原発事故から 11 年

        • 誰しもが自分の使う電気を“不要不急”とは思わない。供給力確保が必要なワケ

          猛暑や厳寒のなかで、電力が足りないので、節電してくださいと言われれば、腹も立つでしょう。「好きに使わせろ」と言いたくなる気持ちはよくわかります。電気は使いたいと思う時に使えなければ意味がありません。大量に貯める技術はまだ存在しないため、必要とされるときに必要な量を確保することが非常に重要な財なのです。「あと5時間ほどしたら余裕が出てくるのでその時に使ってください」と言われても、今寒いからエアコンをつけたいし、今連絡を取りたいから通信機器を使いたいわけです。5時間後にさぁどうぞ

          • GX実行会議で何が議論されたのか①

            2022年7月から半年にわたり開催されたGX実行会議。このレベルの会議にしては、かなりインテンシブに開催され、この会議に合わせて各省の審議会などの議論も進められたので、全体像が今一つ伝わっていないと感じます。これから何回かにわたってになると思いますが、少しずつ書いてみようと思います。 まずこの記事ですが、気候変動エディターの方から見ると、このように捉えられるのかもしれませんが、いくつか「おかしなところ」があります。 >基本方針では「再生エネを最大限活用」と明記した。ただ橘

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            電力需給逼迫は節電ポイントでしのげるのか?

            この夏、電力需給がひっ迫する見通しであるとして、政府は節電を奨励し、参加してくれた家庭にはまず2000円分のポイントを付与し、要請に応じて実際に消費電力量を減らした場合にはポイントを上乗せすることを検討している、と報じられています。 この制度で需給逼迫は回避できるのか、考えてみたいと思います。 需給逼迫回避の方法は? 需給逼迫を回避するには、「供給力を増やす」か、「需要量を減らす」か、その両方とも行うかしかありません。 まず、供給力を増やす方を考えてみましょう。電源設

            「電気使用制限に違反したら罰金」ってなんだ?!と思ったあなたへ。

            そうですよね。そう思いますよね。エネルギーというのは、必要とされるときに必要な量が供給されることが必要です。今暑いからor寒いからエアコンをつけたいのであって、「今電気が足りないから5時間後なら使用して良いよ」と言われても意味がありませんし、使う量を制限されるということは工場の生産活動など、何かを諦めなければならない訳です。電気の使用を制限され、それに違反したら罰金とは、「どんなあくどいお代官だ?!」と怒りを覚えた方がほとんどではないでしょうか。 政府、電気使用制限を検討 今

            資源価格高騰と今後の資源燃料政策とーばんそうこう的措置からの脱却をー

            4月25日午前中、モビリティビジョン検討会と日時が重なってしまい出席できなかった資源燃料分科会。どちらに出席すべきか悩んだのですが、先にモビリティビジョン検討会が決まっていたこと、課題の緊急性は資源燃料分科会の方が高いと感じるものの、それだけに発言しなければならないことも明確だと思ったので、資源燃料分科会は意見書の提出で対応しました。 分科会の資料はこちら。関連の報道はこちら。 私が提出した意見書も掲載いただいています。こんな一文にもならない仕事に結構な時間を使いましたので

            水素・アンモニアの活用は拡がるのかー第3回水素政策小委員会での議論ー

            4月27日、水曜の午前中には水素・アンモニアの委員会。こちらの正式名称は何と「総合資源エネルギー調査会 第3回 省エネルギー・新エネルギー分科会 水素政策小委員会/資源・燃料分科会 アンモニア等脱炭素燃料政策小委員会 合同会議」。もはや寿限無寿限無など目ではない長さです。 これまで水素関連技術の普及促進・活用については「水素・燃料電池戦略協議会」で検討されてきたのですが、審議会に格上げされました。私は協議会のときから委員を拝命していた経緯もあって、今回もこの委員会に参加させて

            モビリティの将来像に関する議論   ―モビリティビジョン検討会で議論されたこと―

            先日、モビリティビジョン検討会の開催を報じるニュースに対して、NewsPicksのユーザーからは「こんなの無駄」とか「消費者の意向が見えない」といった批判的なコメントが寄せられていました。 (2) 車の脱炭素化、行程表策定へ 経産省、投資呼び込み狙う (newspicks.com) そうですよね。 私自身も一読者としてこういうニュースを目にしたら、「どうせ実態とかけ離れた浮ついたきれいごとでも議論しているんだろう」と批判的に見てしまうかもしれないな、と思います。 政府の委員会

            「私の新人時代」を掘り起こして思うコト。

            日経電子版で、「私の新人時代」という新社会人に贈る言葉的なコーナーに取り上げていただきました。 社会人になったころの話など、もはや「にほん昔話」の域で、記者さんのご質問に記憶を掘り起こしながらなんとかお応えしたという感じでしたが、久しぶりに当時自分が何を考えていたか、どんな心理状態だったかを思い出すことで、今取り組んでいることの目的意識もよりクリアになった気がします。記者さんとの会話も楽しく、貴重な機会を頂いたことに御礼申し上げたいと思います。 一方で、新人時代に特化したテ

            再エネ共存社会に向けて必要なこと~解説:再エネの出力抑制とは~

            再エネの出力抑制についてはかなり理解されておらず、毎年春・秋の気候が穏やかな(=電力使用量が少なくなる)季節の休日などには、出力抑制に対し「モッタイナイ」、「再エネの電気を捨てるな」という批判がSNSに溢れます。そこでちょっと解説を 「貯める」「使う」には何が必要か電気は瞬時瞬時で使う量と作る量をぴったりとあわせる必要があります。今皆さんが使っている電気は、いま発電されてほぼ光の速さでそこに届いています。在庫を(大量には)もてない、「究極の生鮮品」なわけです。ですので、発電

            今晩 停電への 備えを。

            昨日の朝から繰り返しお伝えしている通り、今日の電力供給が危機的な状況です。 電気は「同時同量」といって、使う量と作る量をぴったりと合致させることで周波数を一定に保つことができます。大量に貯めることはできない「究極の生鮮品」なのです。 なので、想定される需要より3%程度は発電設備が余裕を持っておくように運用することになっています。東日本大震災前は8%の余裕を見ていたのですが、余裕を見ることはコストがかかるので、「3%でええやろ」となったわけです。 しかし、その常識からいえば考え

            3月22日 東日本 電力不足の恐れ

            22日、関東でまた強い寒の戻りが予想されています。 そうなるとまた東日本の電力需給ひっ迫が懸念されます。先日(3月18日)の突然の節電のお願いの反省もあってか、東京電力のHPには既に節電のお願いが掲載されています。ただ、まだメディアなどに取り上げられていないので、今からお伝えしたいと思います。(メディアはこういうネタこそ早めに報じるべきではないかと思うのですが。。) 連休明けの平日ということで、工場のラインの立ち上げや冷え切ったオフィスの暖房などで電力需要は急増することが予

            COP26のオチを予測する ー"コペンハーゲンのトラウマ”と、”パリのミラクル”の間で悩む英国

            COP26が盛り上がっています。 この「盛り上がり」も区別して考える必要があり、 首脳級会合が行われた1週目の盛り上がりは、言わば政治的パフォーマンスとしての盛り上がりですが、これからは、モノが決まっていく、成果文書が出せるか、出せるとして意義のある内容になるか、という「内容の盛り上がり」です。 COPの会期は毎回2週間でして、成果文書採択に向けて交渉が本格化するのはだいたい会議最後の最後の2,3日なのです。(イシューによっては早めに決まっちゃうものもありますが) ちなみに

            エネルギー基本計画はなぜ誰からも評判が悪いのか。

            まず最初に申し上げたいのが、誰からも評判が悪い施策が悪いからといって、施策そのものが悪いとは限りません。 誰かから歓迎され、誰かから批判されるという政策はたいていバランスを失しているというのは、行政官だった私のお師匠様が良く仰っていたことで、「みんなから批判されるというのは、実は良い政策であるという矜持を持つべき」というご示唆は今でも覚えています。 いまは政治家も行政官もすぐ「世論」の顔色を窺いますが、評価は後からついてくる、という強い信念も大事でしょう。 ただ、今回のエネ

            SDGsと再エネ政策がぶつかったら?

            今年5月、米国がユニクロのシャツの輸入を差し止めたことがニュースになりました。新疆ウイグル自治区での強制労働によって生産された綿花を使っている可能性を指摘され、ユニクロは反論の手続きを取ったものの証拠不十分という判断でした。 その動きに続いて今度は太陽電池企業に対して、制裁を発動したというニュースです。 実は結晶系の太陽電池の製造には「ポリシリコン」という物質が必要なのですが、その世界供給量の3割から約半分は新疆ウイグルから供給されており、ユニクロのニュースが流れたときに