見出し画像

「私と京都」~ Vol.2 杉山 智織 ~

京都の今を生きるU35世代の価値観を集めたメディアです。
次期「京都市基本計画(2021-2025)」を出発点に、
これからの京都、これからの社会を考えます。

自己紹介

はじめまして、杉山 智織(すぎやま ちおり)と申します。

京都生まれ、京都育ちで、現在は京都リサーチパーク株式会社 イノベーションデザイン部に所属しています。

まず、簡単にプロフィールのご紹介から。

1994年 京都市生まれ
 父方の実家は「お寺」、母方の実家は「西陣織の帯屋さん」という京都感溢れる(?)環境に生まれる。父・母・兄の4人家族。
 季節の行事や決まりごと(慣習?)が色々あって、その手伝いも小さい頃からの「恒例行事」。
 京都っぽい”季節感”を感じやすい環境だったと思います。

(略)

2010年 京都府立北嵯峨高校入学 
 嵐山の近くにある自然に囲まれた学校。
 女子バレーボール部に所属し、部活に明け暮れる毎日でした(360日/年は部活…)。
 私の基礎体力と精神力は主にここで鍛え上げられたはず。

2013年 同志社大学 政策学部入学(2017年 卒業)
2017年 同志社大学大学院 総合政策科学研究科入学(2019年 修了)
 バイト三昧+ちょこっと研究の日々。
 素敵な先生に出会い、修士課程まで6年通いました。専攻は「組織論」。
 在学中、教職課程を履修し、無事に教員免許も取得。

2019年 京都リサーチパーク株式会社入社 イノベーションデザイン部へ配属  
 社会人生活がスタート。「京都で働きたい」が就職活動の圧倒的な優先事項。
 はじめて見るもの、はじめて会う人ばかりで衝撃を受けまくりの日々…

京都移住計画さんのKRP特集記事より

現在  京都リサーチパーク株式会社 イノベーションデザイン部所属
 たまり場GOCONCなどイベントスペースの企画・運営の他、大学連携業務に従事。
 同志社大学や立命館大学との共同授業や、企業と学生の共創プログラム「MOVE ON」を担当。

私が京都で活動する理由

私が京都で活動する理由を聞かれると、シンプルに「京都が好きだから」と答えます。山があって、川があって、自然が多い。程よく都会。程よくお洒落。美味しいお菓子屋さんとごはん屋さんが沢山ある。そんな京都が大好きです。

そして京都を大事に思っている人が多い(気がする)。この場所に在ること、この場所にいること、この場所であることに意味がある、そう思っている人が多いような気がします。

その想いのひとつひとつが、「京都」を形づくっているのではないでしょうか。

京都で生まれ育ち、地域に根付いた仕事のそばで過ごしてきた私にとって、「京都で働きたい」という想いは、ごくあたりまえに感じていました。そしてできることなら「京都のために働きたい」。
決して地域活動に熱心だったり、これまでの人生で何か貢献できたものがあったりする訳ではありませんが、その思いは自然と持っていて、気が付いたら私の人生における様々な選択の軸として、割と重要なものになっていました。

京都で活動する理由は、京都が好きだから。でも「なんでそんな京都好きなん?」と聞かれたら、いつも少し困って「なんでやろなあ…」と答えています(笑)。あまり深く考えたり言葉にしたことがないのですが、今回、この文章を書くにあたって少しだけ考えてみました。

・・・結論、「大事にしたい場所だから」がしっくりくるかも知れません。

28年間を京都で過ごしてきた私ですが、これまでの人生でひとつ思うのは「”人運”がめちゃくちゃいい」ということです。友人もそうですが、これまでお世話になった先生や、周りの大人の人たちも。家族でもないのに「何かあったらきっと助けてくれはるやろな」と素直に思える、信頼できる存在に出会えました。

今振り返ると、それはとてもありがたいことだったなと実感します。周りの人たちのおかげで今までの人生が「いい思い出」になっている。もちろん、それなりに悲しいことや、辛いこともありましたが、総括「いい思い出」。

そう思わせてくれるのは、紛れもなく周りの人たちの存在です。

私の中の「京都の人」の1番身近なイメージ像は「祖母」なのですが、祖母は「おかげさまで」をよく使う人でした。


「おかげさまで...」


その一言があるだけで、関係性ができあがる。少し疎遠になっていたとしても、この一言でぐっと距離を縮めることができる。とても素敵な言葉だと思います。

京都は「縁」のまち、とよく言われますが、そうやって自然に、でも丁寧に関係を紡いできたのかなあ、と思ったり。

大切な人が大事に守ってきた場所だから、大切な人が沢山いる場所だから、大事にしたい。私にとってそうであるように、京都にゆかりのある多くの人にとっても「大切な場所」として残り続けてほしい。そんな想いが「私が京都で活動する理由」なのかも知れません。

京都に感じる魅力について

京都に感じる魅力はたくさんあって、前章でもいくつか紹介させていただきました。この連載でも、執筆者思い思いの魅力が紹介されて、きっと「そうそう!」と共感できるものも多いと思います。

美味しい和菓子屋さんがたくさんあって嬉しい限り。お菓子の種類ごとにお気に入りのお店があります。

個人的に紹介したい京都の魅力は「世間の狭さ」。
京都ではよく「ほんまに世間狭いなあ」、「ほんま、悪いことできひんわ」という会話が起こります。知り合いと知り合いが、知り合いだったり(それも顔見知りとかじゃなくて超仲良しとか)、道でばったり出くわしたり。
仕事でもプライベートでも、自分と関係がある人同士が、どこかで繋がっていたということは頻繁にあります。そのおかげで、人からの紹介で事が運んだり、新たな案件に繋がったり、可能性と確度がぐんと高まる。

もちろん、信頼が前提となっていて、それも京都らしさかも知れませんが、その信頼も、世間が狭いからこそ、大事にされるものなのだと思います。

世間の狭さ故、目の前の人に対する態度は、決してその人に対するものだけではない可能性が高くなります。今、会話をしている人が、自分の大切な人とどこかで繋がっているかも知れない。だからこそ、誰にでも「誠実であること」が大事にされている気がします。

打算的に感じられて、あまり良いイメージではないかも知れませんが、お互いが気持ちよく過ごせて、まちに信頼できる人が増えていくと思うと、いいことだと思いませんか?
まず目の前の人に誠実に、そう考える人が多いから、京都にはいい人が多いのかも...と、ふと思いました(知らんけど)。

今後について

「京都で、京都のために働きたい」と思って入社した京都リサーチパーク㈱ですが、ありがたいことに今の仕事はとても楽しくてやりがいがあります。
ここでも”人運”の良さが発揮されて、本当に素敵な方々との出会いの日々です。

社会を変えたい、誰かを救いたいと本気で思っているかっこいい大人たちが京都にはたくさんいることを、仕事を通して知りました。

同じように、U35-KYOTOに関わるようになって気づいたことは、「京都をもっと良くしたい」と思っている人たちも、実はたくさんいるということ。

それぞれ所属もバックグラウンドも違う多様な人の集まりである、U35-KYOTO。それぞれが、それぞれができること、得意なことを持ち寄って、活動しています。

私自身は学生の時に出会った「いい大人たち」のおかげで、大人に対するイメージは比較的よかったと思います。「こんな大人には、なりたくない」ではなく、「自分もこんな大人になれたらいいな」と思えた。

できることなら、これから大人になる子どもたちの多くがそう思ってほしい。わくわくして、大人になってほしい。そうすれば、これからの未来は、きっともっと素敵になるのではないでしょうか。

そのためには、面白い人がいること、いろんな仕事や働き方があることを知ってもらう機会が必要。そのことを感じたのは、同志社大学 政策学部との共同プロジェクトの経験です。
今年の春、同志社大学 政策学部とKRPが共同で「京都の仕事」をテーマにした授業を開講。25名の学生と共に、京都を拠点に活動する企業を訪問しました。

担当教授とも相談し、大切にしたのは”組織”ではなく”人”とつながれる授業にすること。京都で活躍している”人”と出会い、対話し、京都での仕事をイメージできる授業を目指しました。

授業の内容について、詳しくは京都移住計画さんのKRP特集記事にまとめていただいていますので、よろしければぜひ、覗いてみてください。

京都移住計画さんのKRP特集記事(大学連携)より

授業を受講した学生たちの姿を見て、「こんな機会をもっと作りたい」という想いが強くなりました。京都には、まだまだ紹介したい素敵な大人がたくさんいます。

より多くの生き方、働き方を知り、自分はどう生きたいかを考える。そんな機会が増やせるといいなと思っています。
そして、その中で京都のことを知って、大切に思う人が増えたら素敵ですよね。京都出身の学生が、京都をより好きになったり、学生時代を過ごした京都が、第2の故郷になったり。あるいは、自分の出身地に対して、同じように興味を持ったり。

大事に思うようになったら、きっとその地域が抱える課題や危機が、少しずつ自分事になっていく。自分の大事にしたい場所を守るために何ができるか、を少しだけでも考えてみる。そんな人が増えるきっかけを作れたら、嬉しいです。

以上、U35-KYOTOメンバー2人目、杉山 智織の「私と京都」でした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?