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東京国立博物館・特別展「東福寺」

神社とか寺とかの境内をうろうろと徘徊するのは好きなのだけれど、仏画とか、仏像とか、書とかには今ひとつ興味がわかない。
(うろうろと徘徊、って、頭痛が痛い、みたいな・・・)
わかってくれば面白いんだろうな、と思いつつ、でも西洋絵画なんかと比べて、自分との距離がずいぶん遠い気がする。
だから東京国立博物館で「東福寺展」をやるといってもあまり興味が無かった。
しかし最近になって、今年の5月辺りに東福寺の境内をうろうろと徘徊する機会があるかもしれない、という話が持ち上がって、それならば予習、ということではないけどまあ行ってみるか、ということになった。

さて、やっぱり絵とか書はあまりピンと来ない。
ピンと来ないなりに「ふむふむ」みたいな顔をして見て歩く。
全然つまらない、というわけではなく、勝手に面白がったりしてもいるのだが、本当はもっとちゃんとした見方があり、そのちゃんとした見方の方がもっと深く面白がれるんだろうな、という気はする。

全部で5章に分かれていて最後の第5章「巨大伽藍と仏教彫刻」には仏像なんかが集められている。
ここが一番面白かった。

仏手。
でかい。2m越え。
立てて展示されていたが、もともとは大仏の膝の上に、手のひらを上にして置かれていた手だとか。

東福寺には大仏があって、明治14年に火災で焼失したとのこと。
不思議なもので、戦国時代とか江戸時代に焼失といわれると「ああ、そうなんだ」と思うだけだが、明治時代に焼失と言われると「えー、もったいない」と思う。

これは現代アートなんかでもそうだけど、「大きい」というのはそれだけで「スゴイ」と思わせるものがある。

大きいと言えば「朱漆塗牡丹唐草文透彫前卓」も印象的だった。
前卓というのは本尊の前に置く、花瓶や香炉なんかを置く机のことらしいが、これが軽トラくらいの大きさ(だったような気がした)でちょっと圧倒された。国の文化財のデータベースでも「木造で、類のない大きな四脚の卓」と解説されている。

あとは二天王立像ってのも3m越えの大きさで迫力があったが、かっこよさで言えば、大きさは1m程度だけれども四天王立像がかっこよかった。

明治14年に多くの仏像が焼失した後に、他の場所から移されたとのこと。
(これはポストカードの写真)


特別展の後は本館へ。

本館大階段横の窓

東京国立博物館は、あまりにも範囲がひろく量が多いので、事前になにか興味があるものに的を絞って行かないとただ漫然と眺めることになってしまう、というのは何回か行ってわかっているのだが、今日もただ漫然と眺めて歩いて、今までと同じく呆然として疲れ果てて帰ることになってしまった。
本館の隣の東洋館には寄らず。
特別展を見に来た人は、本館は見ても東洋館には寄らずに帰る人も多いのではないか。
ちゃんと興味を持って見に行くと絶対面白いと思うんだけどな、東洋館。

あと、ふと思ったのだが、この特別展「東福寺」は5月まで東京国立博物館でやって、秋には京都でやるらしいが、そうするとその間ずっと、東福寺は主役級が全部出払ってガラガラなんだろうか・・・ま、こちらはうろうろと徘徊するだけなのでいいんだけど。

本館の前に植わっているこの木。
「ゆりのき」という木だと初めて知った。
それで本館横にあるレストランの名前が「ゆりのき」なのか。

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