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元編集部が語る、#liflexのこれまでとこれから。【vol.1 なかけんの景色】

"当たり前の再構築"をテーマに、既存のライフスタイルに囚われない自分だけの価値観や生き方のヒントを提案するU25向けデジタル雑誌「liflex magazine」。
第二期では読者として関わると決めた3人に聞いた「創刊当時」と「これから」について聞いたインタビュー記事を一開!

こんにちは、副編集長の真央です。
今回の連載記事は「創刊号を経た今、それぞれが見えている景色」というテーマで元編集部メンバーにインタビューしていきます。

第一弾はなかけんさん!
※なかけんさん担当の記事 #SNSと遠距離中 はこちらから立ち読みできます


駆け抜けた三か月、ひとえに濃かった

ー期間中を振り返ってみて、当時のことはどういう印象ですか?(マオ)

なかけん:ひとえに『濃かった』。編集部みんなとの関わりや、雑誌制作スキルを学べた一方、未経験ながらみんなについていかなきゃ!という焦りがありました。今振り返るとすごく楽しかった!と思うんだけど、そのときは目の前のことに必死だったから記憶は意外と曖昧です(笑)

本当に「駆け抜けた」という表現がぴったりだよね。

なかけん:本業の合間にやっていたから、時間的にはそんなに割いてないのかもしれないけど。気持ちの面ではかなり濃く関わった印象です。

逆に楽しかったことは何ですか?

なかけん:『みんなで作っていく感覚」かな。スタートアップ感というか。以前ベンチャーで働いていたことがあるんだけど、そのときにすごく似てました。
わけわかんないけど、必死にみんなで一つ形にして何かを得ようとしている。完成するかすらわからないけど、進める中で編集部と仲良くなったり、より議論ができるようになったり。今思うと、大変なんだけどそこに楽しさがあったなと思います。


得たものは今の活動に直結する

ー創刊からしばらく経って、今はどんな活動をされているのでしょうか。

なかけん:メンタルヘルスに関するNPOで新事業を担当することになってて。不安ももちろんあるんだけど、団体の代表とすり合わせしながら土台を作っていっています。

ー具体的には?

なかけん:鬱や悩みを抱えている方を支える家族や友人が集まれる場所を作る、というプロジェクトです。いわゆる『支えて交流会』のような、セルフケアや支え方について学んでいけるような場にしたいと思って進めているところです。

ーU25での経験と近しい部分もある?

なかけんオンラインで一つのものを作り上げた経験が自分の中では大きかった!今までの自分だったら『仕事をオンラインでやるなんてどうするの?本当に成立するの?』とビクビクしちゃっていたと思うんだけど…liflexでやり遂げられたからこそ、その可能性を感じられて今の事業でも不安なくオンラインに踏み切ることができたと思います。

ーオンラインでの制作って珍しい…というか立ち上げでいきなりオンラインとかどうすんの?って感じだったよね(笑)

なかけん:そうそう(笑)U25は人数も多いし、対面もなかったし。

ーオンラインでコミュニケーションする力、いわば『オンライン力』のようなものが身に着いた感覚はあるよね。

なかけん:オンラインでの議論の空気感って独特じゃない?どうやってこの雰囲気を打破しようか、とか考えたし、むしろ考えざるを得ない環境だったともいえる(笑)


自分だけの「暮らし」を考えたい

ーU25の活動や、それを経た今の活動があると思うんだけど、その中で「今後やっていきたいこと」や「今見据えている未来」を教えてください。

なかけん:自分の生活スタイルを模索したいんですよね。特に暮らし方の部分。私自身がアセクシャルでマイノリティ性があること、鬱だった時期があることもあって、働くことについてすごく不安があって

鬱から回復しかけている時期は、自分の得意不得意も判らないし体調のコントロールもできないし。仕事をポンポンやめてしまって、『私はきっと働けないんだろうな』という失望感や諦めがあったんだけど…

ここ数年間、「どんな人と働けるか」「どういう職業がいいか」とキャリアについて模索してきて、ようやく自分にフィットする仕事を見つけられる力を身につけられたような気がして。

じゃあ次に「生き方」「暮らし方」に目を向けてみたいな、と思っているところです。自分はマイノリティ性の強いコミュニティにいるから考える機会はやっぱり多いし、一般的な「結婚」の選択は取らないと思うし。一緒に暮らす人だったり、どんなコミュニティが自分にとって心地よいか、将来を見据えて予測しながら考えているところです。

ーなかけんはメディアにもたくさん露出していて、取材を受けたりYouTubeで活動したりしているから、キャリアで悩んでいるのは意外でした。

なかけん:そこはとてもありがたい!けど、勘違いされやすい部分ではあると思う。周りの人はメディア露出で生活している(稼いでいる)と思ってるんだけど、実際は全然そんなことはない。そういう意味での葛藤もあったかもしれないな。


あなたはショートケーキが好き、と同じように性の個性を受け入れる場へ

ー最後に、これからのliflex編集部に期待することがあれば教えて下さい。

なかけんU25にとって優しい場であったらいいな、と思ってる。情報が目まぐるしく動く社会の中で、もちろん助かる人もいるけど、反対にしんどくなる人もいる(コロナの影響で経済的に苦しくなる人がいたりとか)。いろんな矛盾や悔しい気持ちを抱えながら生きるU25が社会と戦うだけのエネルギーを補給できて、優しく支え合える場所があったらいいなと思うし、私は編集部にいてそういう場所だなと感じてました。

編集部メンバーは『今の日本ってこういう部分あるよね』『私たちが描いている未来ってこうだよね』という想いがあって、編集部以外の活動があって、それらを互いに応援していて。個々で闘っている中で得られる安心感ってものすごく大事だと思うし、編集部には意識せずともそういう雰囲気があったから。これからも戦うU25にとって安心できる場となってくんじゃないかな。

ー多様性、という言葉って難しいよね。でも、それを認める認めないの次元ではなく「あなたはショートケーキが好き」と同じ感覚で「あなたはアセクシャルですね」という個性があって、当然のこととして受け入れながら一緒に制作していけたらいいなと思ってます。

なかけん:そうだね。SNSの誹謗中傷が話題だけど、これも多様性が絡むと思うんだよね。誰かを中傷している人が今回のニュースに対して「中傷って良くない」と言ってることだって大いにあるわけだし、誹謗中傷は悪くないという意見も多様性なんだ、と言えばそれはそうじゃない?

じゃあその中でそれぞれの持つ正解ってなんだろう?って個々がSNSとの向き合い方にモヤモヤして、深く考えることに意味があると思うのよね。曖昧でもいい。互いに考えたうえで合意できる部分や納得できる部分をすり合わせられるようなコミュニティに編集部がなれたらいいよね。


ーliflexでは「DEEPをPOPに」を大切なテーマとして掲げています。マイノリティもマジョリティにもフラットに目を向けるなかで、今まで目が向けられてこなかったテーマを「DEEP」と呼んでいるのですが、それをまじめに「こうしようよ!こう考えようよ!」と伝えるわけではなく「明るくPOPに」発信していこう、ということ。

U25に込めた想いとなかけんをはじめ編集部メンバーが体現しようとしていることって本当に共通しているなと改めて感じました。

本日はどうもありがとうございました!

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さて、第一弾はいかがでしたでしょうか。

話題に上がった「SNSとの付き合い方」をテーマにした記事、#SNSと遠距離中 は今回インタビューを受けてくれたなかけん担当の読者参加型企画。身近なSNSをあえて一旦やめてみる、そこから自分の気づきや変化を体験してみよう!という企画です。

記事は以下からお読みいただけます👇

なかけんのTwitterはこちら👇

○なかけんプロフィール

性性堂堂 / NHKノーナレ『恋愛圏外』/ セク別交流会
主催 / アセクシュアル啓発委員会 / NPO法人LightRing.若者支援相談員

渋谷ラジオ「カラフルサンデー」レギュラー出演。第一日曜14:00~
メンタルヘルス・発達障害・ジェンダーについて話す予定。


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