(感覚的な)時間の圧縮率について
<2009年08月03日の手記より>
過ぎ去りし1年間をデータ量的に考えてみる。
1年間の時間的量は、だれでもおんなじ
でも、1年間の過ごし方はひとそれぞれ
これって、
だれもが、おなじ容量の媒体(たとえば"700MBのCD-R")を与えられるけど、そこに書き込むデータの"内容"や"質"、書き込む"タイミング"はひとそれぞれ。
こんなふうに置きかえて考えることもできそう。
ということは、1年間っていう固定長ファイルに
有効データがびっしり詰まっているひともいれば
No Value(ブランク、スペース)がたくさん入っちゃってるひともいる
んじゃないかなって思うわけです。
そうだとすると、
もし「(過去)1年間」をデータ圧縮できたとしたら
ひとによって圧縮後のファイルサイズがことなる
ことになりそうな気がする。
ただ、なんていうのかな、ぼくがここで表現したい"圧縮後のファイルサイズ"って
1年間の「情報量」としてのサイズというよりは、
1年間の「充実度」とでもいうようなサイズなのです
そうなると、圧縮アルゴリズムは現在コンピュータで利用されているものとはまったく異なるものになりそうだなぁ。だって、音声や画像、テキストを圧縮するわけじゃないですもんね。
一定時間の経験(感覚)的記憶を生物から(間接的にでも)アウトプットでき、「充実」しているものだけに圧縮したうえで再び人間にインプットし再現することが可能になれば、人間は、自分のことも、他人のことも、さらには他生物のことももっと深く理解できる
気がします。
実現の可能性を感じさせる一片としては、
「大脳皮質など感情を決定する部位(※下段参照)」に伝達・発生する電気信号やインパルスをすべて計測し、パターンや強度にもとづいて情報の取捨選択をする。
【大脳皮質など感情を決定する部位(wikipediaより抜粋)】
意識的な感情(feeling)には、大脳皮質(大脳の表面)とりわけ帯状回、前頭葉が関与している。無意識な感情の情動には、皮質下(脳の中心の方)の扁桃体、視床下部、脳幹に加えて、自律神経系、内分泌系、骨格筋などの末梢(脳の外の組織)も関与する。
なんてどうでしょう。
獲得したデータをディジタル化し、既存の圧縮アルゴリズムをかければ、精製された感情データを得られそうな気がする。(まずは、人間 to 人間 からだろうな)
でも、どうやって再現するんだって問題がでてきますなぁ・・・。
あぁ、それに、「じわじわ盛り上がってきて最後に爆発する」みたいな
一瞬の強度だけで決まらないものはどうするんだ。
そもそも、「充実度」を決定する基準がねえと話にならないのか。
あぁ、われながらあさはか。
にしても、これからは(これまでもそうだったが、これまで以上に)脳科学こそが情報工学やコンピュータテクノロジーを導いていくのだろうと容易に想像される。
さて、うだうだとナカダルミしてしまいましたが
わたしのここ1年間、圧縮できたとしたらどうなるかな。
これからも、スカスカにならないように活きて生きたいなと強く思います。
(Image: The Infinity Between 0 and 1 by Ryoji Ikeda)
http://artasiapacific.com/Magazine/64/TheInfiniteBetween0And1RyojiIkeda
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