ほんとうに近況らしい近況

・あけましておめでとう。遅いか。昨年はあんなに頻繁に更新していたのに、一度その気がなくなってしまうとずいぶん行方をくらましてしまう。何でもそうだった。ごっこ遊びのブームが週替わりする子供だった。さっきまでシリアスな書き物をしたり相変わらず理芽ちゃんを聴いたりしていたので多分今夜の文章は大人しめです。このご時世だしな。僕は今のところ元気です。健康、ありがたいね。

・知人にもちらほら身近に脅威が迫ってきている人がいて、別にこの間まで茶番だとか嘘だとか陰謀だとか思ってたわけでは決してないんだけど、いよいよ他人事ではないんだなと実感する日々が続いている。危機感が重い腰を上げたと言うべきか。もっとも危機感がはたらいてないうちは何か悪いことをしていたのかと言えばせいぜい聡明なひとと二人呑みをして帰るぐらいで、それがなくなったこと以外はそんなに変わっておらず。外、しばらく出たくないな。でも未踏の街を歩くことでしか得られない栄養素があることも知っているので出たくないって言うと語弊があるんだよな。ヨルシカの幽霊みたいに、後は天に昇るだけのこれ以上何も案ずることのない体で季節の終わりや懐かしい場所を見て回りたいと思う。いや死にたいって話では全然なくて。幽体離脱を会得できたら便利かなって。それも本気で思っているかと言われれば怪しいが。

・公募原稿を書いている。どんなにムチャクチャな型組みでもいいから二月いっぱいで初稿を書き上げて、三月いっぱいを修正に使う。まだまだ冒頭の辺りの作業ではあるが今の所の完成稿設計、推定十六万字。それだけ書いても中間発表にすら受かんないんだろうな。書きゃいいってわけじゃないし。今のおれと同じぐらいの年齢から創作を始めたと言いつつ大体は書き物をせずに飲み歩いているタイプの先輩がバカスカ賞を取っていて、「努力が成功に繋がるとは限らないが成功の絶対条件は努力だ」なんて言葉さすがにぜってぇ嘘っぱちと言わせていただいていいんじゃないか、と思っている。おれはこのまま一心不乱に書き続けて「才能以外何もなかった人」として一生を終えるのだろうか。そうでないなら転機はいつ来るんだろうか。一体あと何十回何百回、「怖くて立ち止まってしまいたい」と「もう何も怖くない」を繰り返してギコギコ進めば辿り着けるんだろうか。その時自分よりちゃらんぽらんな動機で始めた人が何人先着でゴールテープを切っているんだろうか。それならまだいい、どこかの音楽家みたいに、全てを諦めて人格崩壊してから尻文字で書いたような駄作がバカ売れすることを「転機」と呼ばれるとしたら。恐ろしいことをたくさん考えてしまう。弱音はあんまり吐いちゃだめだなあと思うんだけど、本音を兼ねる以上書き残しておかなければいけないものでもあるので今夜だけは。

・小説家志望なんて言うなれば、壁も時計もない、真っ暗闇の不自由空間にいつかスポットライトが突然差すのを信じて一人で虚空に手を振り歌って踊り続けているようなもので。怖くて怖くてたまらないけどその空間に音楽だけはあるので、諦めて今日も休憩時間にこん谷を聴く。歌詞が最も好きなのは「つめたいまちのおんなのこ」かもしれない。どんな明るいワンフレーズより、「視界のどこにも神はいないのだから」という一言が今まで何度も自分をやる気にしてくれた。もうひと頑張りするか、視界のどこにも神がいないんじゃしょうがないから。うずくまってても向こうもどうせ見てないんだし助けは来ないよなあ、と思ってまた筆を執る。見つけてもらえるわけがないとわかってても、このまま死んでいくんだとしても、頼む、まだ消えたくない。

・急にシリアスな話から脱線するが、聡明なひとに振り回された一学期間だった。とはいえ先週には何だかんだ落ち着いてきた様子が見られて良かった。節々マジで怖かった。「うちも今授業終わったトコだし送ってってあげる!」と気前良く呼び止めて僕を助手席に乗せ、走り出した後で「実は不眠が再発して一週間寝てないんだよね」とケラケラ笑い出した時はさすがに今日殺されるのかと思った。今は向こうはメンタル対策、僕は執筆期間でお互い自主的に禁酒している。前期の終わりがけ、「あの子とつるむのはやめておきなさい」と学校の偉い人にアドバイスされたのを振り切って今があることを最近思い出した。確かに深く関われば関わるほどなんでこんな奴が学内の高嶺の花として上手くやってけてるんだ? と思うほど世話の焼ける人間ではあるんだけど、何せ聡明かつフリーダムであるから関わることでどんどん現実への、あるいは反対に物語への解像度も高くなっていくのがわかるし、それは確実に創作物にもフィードバックされつつあるし、何より知れば知るほど惹かれてしまってもう誰が何をしようと完全に出会う前には戻れないし。だからもっと良いものを書きたい。この人に惚れたことは創作家として間違いなんかじゃないと、それだけは僕が卒業するまでの二年半で必ず証明したい。

・タトゥーを入れた。だいぶ色素が定着してきた。これについてはまた別で詳しく書きたいのであっさり記しておく。

・22時になったので小説の方の原稿の執筆作業に戻る。最近、自分は何者かになりたいんじゃなくて小説家になりたいんだと、それさえ手に入らなければ自分はたとえ超絶爆乳美女の石油王に飼い殺されても一生満たされないだろうとふと気づいてしまった。それでもって大人しい近況書くって言ったのに超絶爆乳美女とか書いちゃった。終わります。みんなよく寝て免疫力上げてね。僕もほどほどで寝る。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?