河童31

「おーいくぞ、今いく」
男は叫び、足元にしゃがむ連中に
「さぁいこう。儂の村の連中だ」
言うと先に歩き始める。
歩き始めた横から話しかけるものがある。
「おじさん元気でたね」
「おっ、」男が驚きのけぞる。
「なんだ、付いてきてたのか」
村でおとなしくしていると思っていた子供の声がして驚いていた。
「やっぱり大人でも同じ村の人がいると元気でるんだね。今までよその村の人間のなか心細かったのかい。」
「あ、ああ。」
言われて少し恥ずかしくもあったが的を射ている。
「あー、ああ確かに知った者がいると心強いな。それより付いてきてたのか」
「付いてくるなと誰も言わなかったから、一番後ろについてきた。」
隣村の男は後ろの方を一度振り返り。
「ついてきたなら仕方ない。おとなしくしてろ」
他の男たちに伝えるように言う。
他の男たちも子供の方へと声をかける。
「おい、へいた」子供が平太と呼ばれる。
「勝手な事するなよ」
「うん」幼き年よりの名は平太らしい。
幼き年寄りは隣村の男に、
「お互い名前をいってなかったね。おいら平太だよ」
男を見上げ歩いてついて行く
「儂はたけだ。武と呼ばれている。」
隣村の男は足元を確かめながら応えている。武はどことなく他の男たちより、この子供を頼もしく思えていた。
その幼き年寄り平太は、大人がたくさんいるのもあってか、先程の恐怖は何処へやら、スタスタと平気な顔で歩いている。
「あそこにおじさんの村の人たちがいると言うことは、河童はどこかへ行ったんだね。何処にいったのかな。何処に住んでるのかな」
隣村の男の不安をよそに、子供の心は夜中の人の多さに、心踊らせてもいた。落ち着きなく闇夜を楽しんでいた。


14

「隣村の方よく来てくれた。武が皆をつれて、ここに来たのは、・・・やはり見たのか」
武の村の男が近づくなり、慌てた口調で話し始める。
武もその口調に合わせるように、
「見たのか。儂は見たぞ。この子供と見た。」
武が平太の頭を押さえながら身を乗り出し話す。
平太の存在に気づいた武の村のものは、
「おっ」と驚く。
「何を見た。俺たちと同じか。何を見たかいってくれ。」
たけは武は自分の見たものを口に出すのをためらった。
先ほども平太の村の者たちに笑われたばかりだ。
言葉をつまらせる武に。
「おらたちはな。」
武の村人の1人が平太を指差し。
「笑うだろうが、この子供のような、子供でないもの見た」
平太の村の者たちは、顔を見合わせる。
武の村の男が続ける。
「信じられんだろうが見たものは見たんだ。武も見たのか。」
武は首を
「うんうん」と縦にふり

自分とか周りの友人知人とか、楽しめるように使います。何ができるかなぁー!(^^)!