河童34

「おう、壊されたところは、すぐに積みなおそう。朝までかかるぞ。」
意見が違う。しばらく思案したが、水の確保は大事となり、石積みの手直しにかかることになった。
どれほどの時間が過ぎたのか、皆黙々と作業をしていると、
「静かに」
誰かが何かを感じてうったえる。
風にのって声らしきが聞こえてくる。叫び声か。
その叫びは何か狼狽えているのか、怯えているのか、怒りにすら聞こえる。
「なんだ」武が呟く。
「やばいぞ」猟師たちが、何を感じたのか腰を落とし身構える。
「ど、どうした。何が叫んでいるんだ」
平太の村の男たちが不安げに呟く。皆が静かに近づいて円くなる。
猟師たちは用心深くも素早く水路から飛び出し、皆で背中を向けあう陣形をつくり辺りを探る。
円く肩を寄せ会う者たちもゆっくり水路から抜け出てくる。
猟師たちの村へ続く道から声が聞こえる。
声か叫びか?猟師たちの耳へと届く。
「なんの・・・叫びか?。武よ、なにか解るか」
「わ、解らんが・・こっちに来てるぞ」
耳をすますと、
引けー。
走ろっ。
暗くて見えん。
小屋までゆけー。
叫びがはっきりと聞こえ始める。
「武よっ火をおこせっ、大きく火をおこせ。獣かもしれんぞ。加勢にいこう。」
武たちが鎌、鉈などもち、暗いなか走り出す。他の得物はなにもない。木々の下にはいると暗闇。接近した獲物狩りになるのは覚悟の様子。
まさに山で幾多と獣に襲われ生き延びてきたと感じさせるたくましさがある。
残った男たちは誰が指示するでもなく、分かりきったように焚き物を集め、幾ヶ所に火を起こしてゆく。
自分達を囲むように火をお越し、自分達を囲む火のなかで成り行きを待つ。
「来たぞ」猟師の1人が叫ぶ。
走ってくる人影が解る。
「武だ」先頭を走る影は武に見える。その後ろにも幾人の人影。
「火だ」武の叫ぶ声が聞こえる。
「火だ、火を儂らの方に投げてくれ。はやくっ。」
猟師の1人が火のついた太めの枝をつかむ。武たちが走り来る方をみつめかまえる。
「投げてくれ」誰かが走りながら叫ぶ。
火のついた枝を投げるがあまり遠くには飛ばない。
そのうちに火の囲みのなかに武たちが走り込み、火のついた太めの枝を選び握りしめかまえる。
すでにいくつか投げられた枝、辺りを火の粉が舞っている。
武たちは各々枝をつかみ投げる相手を確かめているのか、舞う火の粉の向こうを見回している。
明らかな緊張と必死さを見せる武に、
「なんだっ、何があった。」
猟師仲間が尋ねる。
いま、走り込んできた者が息を切らしながら、
「でたぞっ。やつらだ。かなりいるぞ。」
他の走り込んできたものが言う。
「やつらが出た。かなり、かなりいるぞ。」
それを聞き残っていた猟師たちが、

自分とか周りの友人知人とか、楽しめるように使います。何ができるかなぁー!(^^)!