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シンガポール・アート・ウィーク :ジェネレーティブ・アートからNFTミントまで、クリプトアートがアジアに上陸

シンガポール・アート・ウィークは、TZ APACとCrypto Art Week Asiaのキュレーションによって行われた展覧会「Tezos NFTs:新しい北極星 」はNFTアートのアジア上陸を象徴するものでした。シンガポール、インドネシア、マレーシア、韓国などの国から、Tezosブロックチェーン上で作品をミントされた著名なデジタルアーティストが集結しました。

radarboy3000(別名:George Galanakis)は、クリプトアートが西洋中心でアジアでは普及していないことに気づき、CRYPTO ART WEEK ASIAを設立しました。

「アジアの文化では芸術は職業ではない、という風習があります。他にも、米国時間でミントする必要もあり、言語の壁もある 」とGeorge氏は述べました。「Crypto Art Weekはこれらの問題と戦うために設計されました。」

TZ APACとCrypto Art Week Asiaは提携し、シンガポール・アート・ウィークに合わせて、アジア主要NFTアーティスト16人を紹介する展覧会、「S.E.A. Focus 2022」を開きました。アーティストの紹介だけでなく、東南アジアの現代アートとアーティストに対して理解を深めることを目的としたSTPIプロジェクトでもあります。

デジタルスクリーンに映し出された作品は、radarboy3000の変幻自在のジェネレイティブ作品から、人工知能がアジアの風景を描く印象主義的な作品まで、多様なアーティストを表していました。

著名なデジタルアーティストを展示する一方で、アジアにおけるクリプトアートの到来をより象徴的に示す機会でもありました。

当展覧会で最も興味深い点は、来場者が最終的にNFTにたどり着くまでの道のりです。S.E.A.Focusのギャラリーに入ると、アジアで有名なアーティストの油絵、粘土、布、金属などで制作された作品が来場者を迎えます。

美しくて、時には衝撃的で、多くのコレクターにとってよほど金銭的余裕がない限り手が出せない作品ばかりです。

これは価値について考え方が全く異なるクリプトの世界と比べて対照的です。伝統的なアートの世界では、価値は展示会やキュレーターによって配分されますが、クリプトの世界ではコミュニティが価値を与えられるのです。

従来の美術展に比べ、Tezos NFTの空間はより身近で、刺激的なものを来場者に提供しました。一部のアートはアルゴリズムの気まぐれで動き、壁に吊るされた大きなプリズムのスクリーンにはQRコードが表示されます。

QRコードをスキャンすると、Tezos、Objkt.com、Hic et Nunc(通称HEN)にある巨大なNFTマーケットプレイスに遷移され、各アーティストのプロフィールページが見れるようになっています。tez(Tezosのネイティブ通貨)を使って直接作品を購入することができ、何気なく見ていた人があっという間にコレクターになれるのです。

コミュニティでは活発的に活動していて、他のアーティストと比べて露出が少ないアーティストを選んだとRadarboy3000はコメントしました。

クリプト市場は音楽市場に似た「ファン」市場であり、コレクターが作品を法外ではない価格で手に入れることができるとともに、アーティストを支援する手段として成り立っている、と彼は述べました。

また、ブロックチェーンのハッシュを使ったradarboy3000の最新ジェネレーティブアート「Permanence」も展示されました。「アート作品を生成するためにハッシュを取り、その作品をまたブロックチェーンに戻します。ブロックチェーン上の時間を切り取ったもので、すべてリアルタイム・ジェネレイティブです。」

ブロックチェーンの動きを視覚的に示すだけでなく、来場者がミント過程を直接体験できるようにしていました。QRコードを読み込むと来場者はすぐにKukaiアカウント(Tezosベースのクリプトウォレット)を作成し、NFTをミント後、ウォレットと連動させることができます。

多くの来場者にとって、ジェネレーティブなクリプトアートに直接触れ、共同制作プロセスの一環としてNFTをミントするのは初体験だったようです。

10日間で848個のジェネレーティブ・アート作品がミントされ、345個のウォレットが作成されるなど、多くの来場者が展覧会に足を運び、クリプトアート、ミント過程や、デジタル所有権の概念について理解を深めることができました。

そしてradarboy3000にとっては、クリプトアートの世界をより多くのコレクター、クリエイターや、一般アート愛好家にアピールできたメリットもありました。

「クリプトアートの世界は、アーティストにとってより興味深く、持続可能なモデルである」と彼は結論づけました。


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