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退屈な講演やマニュアル接客の反対は、「できるセールスマン!」

退屈なことと面白いことが同時に起こったのだが、それらには共通点があることに気づいた。

今日はある講演の講師として某大学教授が教育関連についての話をする時間があった。2時間と決まっていたのだが、私はまるで出入り口のない迷路に取り残されたかのようにとても長く感じてしまった。

退屈さを紛らわせるための方法はいろいろ試していたのだが、とうとう最後のひと手段まで使い果たしてしまった。

それで、退屈さを紛らわすために、なぜ退屈だと感じてしまうのかについて考えていた。

退屈だと感じる理由は、私、つまり話を聞く人のニーズをキャッチできていなかったからだと結論づけた。そしてもう一つ、これは私側の課題なのだが、そもそも今回の講演のテーマに関する私がいま抱える「喫緊の課題」がなかったのだ。

何かを学習するとき、どうして〇〇なのだろう?〇〇について知りたい。今こんな問題があって、どうにかこうにかしてみたけれど、解決できない!のような「疑問」や「喫緊の課題」があるのが自然である。

だから、それらがない状態の、今の私は、話の内容がいくら重要であったとしても馬の耳に念仏のような状態になってしまう。


馬の耳に念仏の話は、私がどうにかすべき課題であるので、
さっき話題にした、話を聞く人のニーズをキャッチできなかったことについて、それがどれだけマイナスになるのかを話したい。そのためには、サービス業の店員さんを例にするとわかりやすいはず。


例えば、こんな店員さんに会ったことはないだろうか?
お店に入るやいなや、お客に声をかけてきて、すぐさま商品のメリットについて説明してくれる。

でも、誰もが一度は経験済みだと思うが、自分がウィンドウショッピングをしているときもあれば、欲しいものがあってそれを探している場合もあるし、誰かのプレゼントのためにだいたいこのようなものがあればいいなぁとざっくりとしたニーズを持っているときもある。

だから、急に声をかけられて商品のメリットを説明されると、ちょっと引いてしまって、結局は買わないことがないだろうか?

また、マニュアル通りの接客になっているから、1つの商品を買うのに一つ一つの手順を丁寧に説明されてしまい、それが煩わしくてだんだんと商品を購入する気が失せてしまったことはないだろうか?


実は今日、その反対のことが起きた。

私は防水スプレーを探してロフトへ行ったのだが、商品が見当たらなかったので、店員さんに置き場所を尋ねた。

その店員さんは、商品の売り場まで案内しながら、客である私に、どんな用途で使いたいのかを尋ねた。私が用途について話をしていたら、どうやら防水スプレーよりも撥水できるスプレーのようなもののほうがよいのではないかという話になった。

ただ、自店舗には私の目的に合う商品を置いておらず、別の全くロフトとは関係のないアウトドアの店舗になら置いていることを教えてくれた。
私のお目当てのものがある店舗は、すぐ近くだからということで、一緒に歩いて案内までしてくれたのだ。


お客のニーズは何なのか?

そのニーズを満たすためには何が最適なのか?

これらの問いを立て、それに応えることでお客のニーズを満たし、満足度をあげて、それが結果的に売上につながる。

今回の場合はすぐにロフトの売上になることはなかったが、お客の一人である私が、ロフトという会社やその店舗に好意的な印象を抱いたのは言うまでもない。

私は今回の接客を受けて、単純にとっても嬉しかった。
ニーズを把握してから他店舗まで案内し、お客のニーズを満たすことのできる店員さんは、「できるセールスマン」だなと思った。