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[絵本]ハリス・バーディックの謎

ハリス・バーディックの謎
C・V・オールズバーグ 絵と文
村上春樹 訳

学生時代に学校の図書館で見つけて魅了された絵本が、新装版として再発行されていました。
私の妄想癖を駆り立て、育んだのは、間違いなくこの本です。

この世のどこかにあるかもしれないお話の一説と1枚の挿絵が複数おさめられており、その1つ1つの物語の全容がどんなものかは、明確に記されていません。
完全に読者にゆだねられています。

正解はありません。
それがまた、楽しかった。
同じ一説でも、前後の設定を変えるとこんなに違うお話にできるとか、ハッピーエンドにもバッドエンドにも、自由に自分で選択できるんです。嗚呼そうか、自分で想像して、さらにその中から自分の心地よいものを選択する、ということを、この本から私は学んだのかもしれません。

あと、この本の表紙そで部分に記載されている「オールズバーグの絵本 村上春樹訳」も、本文同様『この世に存在しない絵本』の短い紹介文になっています。徹底しています。さすがです。
ここからも新しいお話を妄想して、楽しみつくしました、私。

何それ!楽しい!!と思った方、ぜひ手に取ってみてください。
ちなみに私のお気に入りは、本文にある5つ目の椅子がフランスで見つかったお話です。


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