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漢方薬を選ぶ時、自分の身体の状態を把握する事が大切です。

漢方を使ってみたい!けど何を選んだらいいの?

薬を選ぶ前に自分の身体や心の状態を把握していないと選べませんよね?

漢方は副作用が無いわけじゃないので、まず自分の身体の状態や使用している薬剤について把握して総合的に考えて使えるかどうか判断しなくては何か問題が出た時に対応出来ません。症状や病名で飲むと誤治といって悪化に繋がる事もあるので中医学の概念も学ぶ必要がありますがここでは身体の基本管理における話だけします。

この時点で、危なくて難しいなと感じますよね。
本来はそーゆーものなので、よく医療従事者の方が他人から貰った薬を安易に飲まないで!って言うのには事故予防の為です。

しかし、使えるものが増えたら便利だよね

だから、そのお手伝いが出来れば良いなと思ってます。

それに、漢方では病気として診断がついてない状態で治療対象外の状態でも対応出来るのがとても強い部分だなと思います。西洋医学では治療対象外だと医師から何も出来ませんと言われるけれど身体は調子悪いしどうにかならないかなって事はよくあります。

なので先ず身体の状態を把握する事から始めましょう。
それがわからないと何も始まりませんからね(^◇^;)

自分の身体を把握する為には、客観的情報と主観的情報を把握する必要があります。

客観的情報とは、検査数値や触診等の検査データや他人からみて得られる情報を指します。
主観的情報とは、今自分が感じている状態の事で何処が痛いとかこんな風に感じると言う部分です。

先ず客観的データから考えてみましょう。
呼吸数や脈拍数を数えたり、疾患特有の匂いもあります。体温の高さや低さ、皮膚の状態、酸素飽和度、呼吸音、お腹の音、汗や出血の状態、排便排尿の間隔や出たものの性状、血圧、触診、聴診と様々な方法で必要に応じて観察項目は増えたり減ったりするわけですが、、、

家庭では、体温計で測る体温と血圧計で測る血圧と脈拍数、排泄状況が日常的に得やすい基本情報だと思います。疾患別に必要な観察項目を調べておくと日々の疾患管理に役立ちます。

体温は一般的によく知られてるので、熱が高いか低いかわかる方は多いかと思いますが、概念で基準が変わったりするのでここは西洋医学の基準値で考えます。

血圧と脈拍は年齢差があるので、子供と大人を一緒と考えてはいけないのが難しい部分ではあります。

脈拍が早くて血圧が低いと脱水を疑ったりします。必要全体量の水が足りなくてポンプの回転数を上げて維持してる状態で高齢者だと発熱が無くても脱水になってるとこんな状態になったりします。若いと体温も高くて熱中症になってるとわかりやすいんですけどね(^◇^;)
基礎代謝が落ちると中々体温が上がらない人もいるので気づいて予防出来たりします。自宅でも気づけたら早期発見になるんじゃないかな?と思います。

血圧高くて脈拍早いのは、全速力で走ってる時の状態ではあります。心臓の負担が強いので安静にしましょう。

血圧だけが高いのは、水圧が必要な身体になってるって事ですが、血液がドロドロで脂肪が多い程なります。
また、血圧を上げるホルモンの異常でなる方もいます。

塞栓症があると血圧に左右差が出たりもします。明らかに違う場合は医療機関で相談してみると良いでしょう。

血圧計での機械測定以外に脈を触れて感じてみると、心臓が規則正しく動いてるかがわかります。不整脈があるかは触ってみないとわからないのです。1分間触って確認してみましょう。

排泄状況では、オシッコ回数に合わせて飲水回数や量も合わせて考える必要があります。その他に汗や出血量、水気の多い排便程水分は出て行く量が多くなります。

汗なら塩分も一緒に出るので沢山汗が出る人は、浸透圧性の脱水にならないように補給しましょう。

大量の嘔吐や水溶便は、カリウムの欠乏になりやすいので口から飲食出来なくなってる時は必要に応じて点滴が必要になります。また、この低カリウム状態は漢方や食品添加物で使用されている甘草と言う生薬の副作用で偽アルドステロン症により低カリウム性ミオパチーになる事があります。

早期に気がつけば断薬してカリウムを補給すれば改善されますが、気づかないと入院が必要になるほど重症化する事があります。

偽アルドステロン症の症状は、
致死性不整脈、横紋筋融解症(初期は筋肉痛になり難い腹筋が痛む事が多い)、四肢脱力、筋肉痛、痙攣(強いこむら返り)、頭が重い感じ、全身が怠い、浮腫、口渇、動悸、吐き気、嘔吐、起立歩行困難、四肢麻痺発作、
意識消失、血圧上昇、体重増加、起立性低血圧。
低カリウム血症による腎尿細管機能障害による多尿になる事もあれば、神経・筋障害で尿閉になる事もあります
便秘やイレウスになる事もある。
横紋筋融解症による赤褐色尿がでたりします。
また、インスリン分泌不全で糖尿病が悪化する事があります。

甘草だけではなく、利尿剤、インスリン投与、ステロイド剤の使用、甲状腺ホルモン薬、β刺激薬の薬など漢方以外にも低カリウム血症を起こす可能性がある薬剤はあるので注意が必要です。何かあれば医師に相談しましょう。

最後に

サラリーマンとして働いていれば定期的に健診診断で採血をしていると思いますが、医師に依頼すれば誰でも採血する事は可能なので、一年一回採血での身体の状態を把握して健康管理の目標を建てる事をお勧めします。検査結果が欲しいと言えば無料で貰えますので採血時や検査報告を聞くときに忘れずに言いましょう。

一般的な採血では、血球数で免疫状態と貧血、その他に栄養状態、肝機能、腎機能、血糖値を採血でみています。

こんな感じの項目です。

職業により検査項目が増える事があります。
データの基準値を載せますので、何を気をつけたらいいのか考えてみましょう。

何が基準値内でどれが残念な結果だったかどうか把握できましたか?次に検査データから何を意味するのかを考えてみましょう。

検査データを理解する

血液検査データを元に簡単に内容を伝えると白血球はご存知の通り感染してると高くなるし、低くてもダメなやつです。

赤血球数、血色素量、ヘマトクリット値は貧血の有無に良く使われます。赤血球数はそのまま赤血球の数で、血色素量は血液の中の鉄分量なので少ないと酸欠症状が出ます。ヘマトクリット値は全体の血液の中での赤血球が占める割合になり多いと多血症の診断指標になり赤ら顔や頭痛、のぼせ等が見られます。

赤血球1個あたりのMCV(赤血球の大きさ)、MCH(平均ヘモグロビン量)、MCHC(平均ヘモグロビン濃度)から貧血の種類を診断します。大まかに下の表のようになります。

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自分の貧血の種類がどれかわかりましたか?(^^) 
貧血によって治療内容が変わるので把握する事は大切なんです。選択する薬も変わります。

AST、ALT、γ-GTPは肝機能を診断するのに良く使われ肝炎の診断によく使います。
ASTは肝臓、心臓、筋肉、赤血球に多く含まれ細胞が壊れると血液中に増えます。
ALTは、肝臓に多く含まれるので肝臓が悪いと数値が増えます。
γ-GTPは代謝酵素の一つでアルコールや薬剤の代謝で肝臓に負担がかかると上がりやすく、胆道に異常があり血液中に漏れでると数値が上がります。脂肪肝でも上がります。

グルコースやHbA1cは、血糖値を見ています。グルコースは食事で変動が大きく、126mg/dlから糖尿病を疑います。HbA1cは赤血球が糖と結びついたもので糖化ヘモグロビンと言い血糖値が高い状態が続いてヘモグロビンと結合します。過去1〜2カ月間の数値が出るので「明日健診だからダイエット❤️」してもその場しのぎ出来ないものになります。

HDLコレステロールは、血液中の余分なコレステロールを肝臓に運びます。LDLコレステロールは、細胞にコレステロールを運びます。この二つは、バランスが大切なのでLDLだけ高いとドンドン貯まる一方になりいつか血管が詰まったり、血管が硬化する原因になります。中性脂肪は、エネルギー源の糖が不足した時に使うものですが使わない時は肝臓で皮下脂肪として蓄えられます。

クレアチンは、筋肉で作られる老廃物の一つで腎臓の糸球体でろ過されますが、血液中に増えるとろ過機能が低下している事になります。

推算GFRは、推算糸球体ろ過量で、腎臓がどれぐらい老廃物を尿として排泄する力があるかを見ています。90以下は低下してる可能性があるのですが、90以上でも尿検査で尿タンパク質や尿アルブミンが出た場合は腎機能が低下している可能性が出てきますので、腎機能が心配な方は尿検査もしましょう。

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尿酸値は、細胞が分解された後に出来る老廃物で通常は尿中に排泄されますが、腎機能が低下したりプリン体を多く含む食品を取り過ぎても増加します。数値が高い状態が続くと尿酸の結晶が溜まり痛風になります。

こんな感じで検査データを把握すると、自分がどうなるとこれから病気になるのか、病気を予防または改善するにはどうすれば良いかが少し見え始めたのでは無いでしょか?

自分の感じている身体の状態を理解する主観的情報とは?

次に自分の病気の状態を正しく把握する為に頭から足先まで心も含めて評価して行きます。

身体の何処に不快症状があるかを感じ、その感じ方や範囲、時間経過での変化、温度や気圧等の環境変化での身体の変化を感じとります。

これは、中医学で言う風邪、湿邪、水毒など環境因子を感じとり漢方選択に必要な情報になりますし、医師に状態を報告し診断治療に必要な情報です。他人からは感じられない大切な情報でもあります。

心は、疲れてイライラし易い、楽しい、幸せ、常に憂鬱で何をしても楽しめない等気分の変化を感じとります。
そうするとどんな時に嫌な気持ちになるのか、何をされると自分は嫌なのかが段々とわかるようになってきますし、反対に何をすると癒されるのか楽しいのか幸せなのかもわかります。
漢方選択でも精神的に緊張してお腹が痛くなったりオシッコが近くなる人用の漢方がありますから、自分の心の動きを理解しておく事も必要になるのです。

この感覚から感じる事は主観的なモノで他人から見てわからないものが多いです。この感じ方の訓練をして置くと医師に自分の状態を伝える時に役立ち早期発見、早期治療に繋がります。漢方を自分で選ぶ際にもとても重要になるので苦手な人は練習するといいです。生きていく上で抑圧してる物事が多いと素直に感じ取りそれを相手に伝える事が苦手になりますし自分が何を感じてるかさえわからない人もいますが、意識して練習すれば出来るようになります。 特に子供には練習が必要です。

現在飲んでる薬の効果と副作用を把握します。

漢方にも相性が悪い薬剤や疾患がそれぞれ存在するので飲んで大丈夫か把握する必要があります。薬剤のネット検索の仕方は以下の通りです。

下の写真のように、薬剤名と量+空白+添付文書を入れる。

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添付文書とは、どれも下の写真のような様式で記載されています。

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下の写真のようなやつもありますが、見にくいと感じた場合には、左上の青文字のPDFダウンロードを選択して開けば上と同じ様式のが出ます。

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こんな感じで薬は調べます。上の文章の続きを下に載せますね、、、

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読んで最低限把握して欲しい癖は、飲んじゃいけない人、要注意事項、使用量、効果、副作用です。

禁忌の飲んじゃいけない人は、具合が悪くなる可能性が高いという注意書きになります。

使用量は、もう少し増やして大丈夫か減らしても効果が出るかの判断に使います。

効果は使う事で何が改善されるかがわかりますし、使用をやめる事でのデメリットを把握できます。

副作用は内服する事で具合が悪くなる内容なので、自分の今の状態から薬剤性の体調不良じゃないか把握する必要があります。もし薬剤性のものかな?と思ったら薬剤変更や調整を医師に相談する事で改善するので相談してみて下さい。

ここまでして、自分で漢方を選び安全に内服する為の土台が出来ます。

市販薬でも漢方でも持病がある人は、「主治医に相談して下さい」は、こういった理由になります。まっさらの健康な人は少ない時代ですので自分で自分を治療しようと思ったらまずここまで把握出来るようにしましょう。



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