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瑠璃色薊にまとわれて〈コップ一杯の夢と適量のノンフィクション〉

「独り立ち」、「傷つく心」 ___。瑠璃色薊(アザミ)の花言葉だ。一つだけ花を咲かせ、小さなボール形の花が棘(トゲ)状になっている。

時折、夜明けとともに目覚めることがある。

青かった私達には、ハリネズミのように棘を立てて、丸まっては周囲を寄せつけない時期があった。
それは自己が確立し、カゴの中から自由へと駆け抜けていく瞬間だったのかもしれない。

ボールが転がるままに身を任せ、安んずる所では棘を寝かせる。
闇を恐れず若いがゆえに夜を駆け抜け、いつの間にか夜明けが来ていた。

今後はどこに転がって行くのだろう。いつになれば棘は抜けるのであろう。

瑠璃色には「冷静」や「自立」といった面と、「孤独」や「寂しさ」等の面があると言われている。一つの色に対極する意味があるとは。
夜のままでよかったはずなのに、気が付けば日の光に引き寄せられていく。

朝が来るとともに、瑠璃色だった空は淡く明るくなる。

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