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すずめ


薄紅に凍てついた空
日陰の電線に止まる雀
決して近づかない 白と黒
見える吐息と
舞う埃が光を伝え
朝露に濡れ 影を伸ばし
また 次の朝を迎える

手のひらから溢れる 温もりの答えが
穏やかな1人の夜を 永久に喩えると
言葉は意味をなくし 理性は役に立たず
針を止めた その一瞬が

じわり じわり 白む夢
彩を薄めた 朝はすぐに
ゆらり ゆらり 綻んで
君の傍を 選んだ

潮騒が遠のいた街
風は足跡を悪戯に消して
未だ終わらない 星の唄
癒える心と
頬の熱で 便りを報り
無音に触れ 痛みと知り
また 次の僕を迎える

しなやかな 指が摘んだ 金色の羽根
季節を変える溜息は 丘を越えた時
心は動きを緩め 音は少し絶える
声を出した その一瞬は

じわり じわり 滲む夢
頬を染めた 君はすぐに
ふわり ふわり 揺蕩えば
僕の傍を 離れた

春は息吹き
夏に消える
秋を紡ぎ
冬で絶える

花は笑い
鳥が歌う
風は踊り
月が眠る

無人の駅、電線に止まる 一羽のすずめ
僕は何かを言いかけたまま
もういかなくちゃ
もういかなくちゃ

作詞 issei

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