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今日もよく焼いたね。

じっと待つことも攻めの姿勢であると、今日働いている時にふと思ったので、この考えを共有させてほしい。今日は土曜日で、よく雨が降っていた。雨の影響かは分からないが、僕が働いているお好み焼き屋は、とてつもなく暇な1日だった。僕たちのお店は、フードコートの中の1店舗として存在する。隣の店舗では、ちょっとしたイベントを開催し、お客様に足を運んで頂けるような取り組みをしていたりと、お客様が来ない焦りから、僕たちも何かしないといけないんじゃないかという気持ちになっていた。しかしその時、そんなことを思っていたのは僕だけで、店主はただじっとお客様を待っていた。焦る様子など一つもなく、「今日もよく焼いたね」と余裕の表情でお店を運営している。僕たちの店主は神様みたいな人で、暇な日でも、全く焦る様子はないし、どんな日でもよく焼いたと満足した気持ちで1日を終えている。その余裕は、例え1日に二人、三人しかお客様が来なくても、その日来てくださったお客様に最高に美味しいお好み焼きを届けて、また来てもらえればいいよね、という考え方から生まれている。その日に「何人お客様が来たか」ではなく、「何人にアツアツの美味しいお好み焼きを届けたか」という考え方を店主は重視しているのだ。だから店主は、暇は全く嫌ではなく、むしろ嬉しいのだとも言っていた。暇だから、アツアツの美味しいお好み焼きを提供できる。暇だから子供にも手を振れるし、お客様とも会話できる。忙しいことはもちろん嬉しいが、別に暇でも最高に嬉しいんだと聞いたときは、本当に衝撃的だった。このような考えを持っているからこそ、どんな日でも全く焦りは生まれない。暇なおかげで最高のパフォーマンスを発揮できる。だから暇でも気を抜くことなく、美味しいお好み焼きを提供できる準備だけは怠らない。僕は店主のこのような考えを日々インプットさせて頂いている。そして、これから始める自分のお店に活かせるよう、日々学ぶ意識で仕事に取り組んでいる。

お客様をただじっと待つ。何かをすることが攻めの姿勢のようで、何もせず、ただじっと待つことこそが最大の攻めなのではないかと思うようになった。頑張らない、何もしない、ただ待つ、ということは怖いことで、頑張らないと結果は生まれないという考えを僕たちは持っているように思う。夢を叶えるには努力しなさい。待っていても理想の未来は訪れない。なら努力とはなんなのか。やれるだけやって、後は神に祈ることも立派な努力なのではないか。今できることを淡々とやることはもちろん重要だ。しかし、僕たちにできることは、お客様に美味しいお好み焼きを届けることで、それ以上でもそれ以下でもない。メニューを増やすとか、イベントをするとか、宣伝をするとか、やろうと思えばやれることはいくらだってある。しかし、それらをすることが本当に努力で必要なのかとも思う。宣伝にかけるお金があるのなら、お店に来てくださったお客様の子供にゼリーやジュースをプレゼントする。これは実際にお店でやっていることなのだが、子供も親御さんもとても喜んでもらえる。コーヒーにもお菓子を一つつける。メニューも極限まで減らすことで、料理の提供効率はよくなり、お客様を待たせるリスクがグッと減る。店主やスタッフの仕事もその分減り、営業前からみんなでコーヒーを飲みながらお喋りもできるし、キャッチボールだってする時間の余裕もある。スタッフみんなが仕事を苦痛だと思っておらず、なんなら仕事を遊びとすら思っている。そんな自由で楽しい職場なのに、去年よりも売り上げが増えている。常連のお客様もどんどん増えて、新規のお客様よりも、常連の顔馴染みをよく見るようになった。ここ最近、二日に一回のペースで来てくれる倍肉父ちゃんは可愛いし、優しい笑顔でなかやん焼きを頼んでくれるMさんなど、常連のお客様がすぐにパッと浮かぶ。これも毎日淡々と、美味しいお好み焼きを店主が焼いてくれたおかげだ。僕たちにできることはそう多くない。本当に大切なことは、ほんとうに少ない。美味しいお好み焼きを提供する。ただそれだけ。そのための準備を、人材を、楽しい職場を、店主は用意してくれている。後はその期待に応えられるよう、僕たちも精一杯頑張る。僕は今日も仕事を終え、今日の学びを日記に落とし込んでいる。学びを言語化するのは、早ければ早いほどいい。これが一日、二日経つと、こんなにも言葉は溢れないだろう。頭の中にある言葉がとにかく多すぎる。これを全て吐き出す。鮮度の良いうちに。言葉になっていなくてもいい。書き続ける中で、自分の学びとして吸収できていればそれだけで満点だ。頑張って誰かに伝えようとするのではなく、後から自分が見返したときに理解できるくらいでいい。肩肘張らない。毎日やることなら当然。自然体でいこう。シンプルな考えで、僕にできることは、頭の中にある言葉を日々綴ることだ。良い文章などない。自分の脳内から生まれたものは満点だ。毎日続けることは難しいが、続けられれば、上達も早い。タイピングも少しずつ打つのが早くなってきた。これも続ける中で身につける。今のままで100点満点。これから先も100点満点。今日もよく焼いたね。今日もよく働き、よく書いたね。お疲れ様。明日も頑張ろう。ではまた。

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