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カロナール

■妻が熱を出した。ギリギリ38度あるので明日病院に連れていってくる。大体こういう時いつも自分も熱があったりして今も計ってみたら37・2度あったのだが、不思議と何も感じないんだよな。妻は熱は上がらず咳だけが出るというのが2、3日続いており、以前に似たような状況から一気に熱が上がってそのまま肺炎になったことがあったので(その時は実はコロナ陽性だった)、若干警戒していたのだが妊娠中となると迂闊に冷やしていいものかどうかわからず37度少しくらいだとがっつり冷やすぞ!という感じになれなかったのだが、ここまで上がってくれたら逆に安心して冷やせるという感じで、まぁもちろん熱など上がらないのが一番なのだが…なかなか難しいものである。とりあえずアセトアミノフェンa.k.a.カロナール先輩は妊娠中でも大丈夫ということだったので投与。こういう時相手が薬剤師なのはありがたい(謎に家にストックがあるので)。僕はもともと「薬なんか飲まねぇーよ!」というタイプだったので、この人と付き合うようになってからガンガン薬を投与されるようになり、まぁ必要があれば飲むようにはなっているが、なんというかこう、因縁というか運命みたいなものを感じないでもない。睡眠薬が合わずに苦しんでいる母の姿や、そもそも病院に行って新たな不健康を見つけて帰ってくるというような生き方を見て育ってきたので、これは別に薬やらは何かこう、病を治すためのものではなくて本当にその時その場の症状を抑えるだけの対症療法に過ぎなくて結局本人に事態を克服しようという意志がなければ何も治りはしないのだと、今でもそれはそうだと思っているが、逆に言えばとりあえず対症療法的には使えるのだという風に思い直したのが妻と付き合うようになってからなのだ。これは結構僕のような極端な原理主義的考え方しかできなかった人間としては成長だと言えると思う。まぁそんなこんなでとりあえず妻も氷とカロナール先輩で少し寝付けるようにはなってきたみたいだ。けど、咳き込むと起きてしまっている。熱若干引いたっぽいね。今日は徹夜で看病だなぁ。まぁ寝たり起きたりかな。とりあえず氷の取り替えとかか。子育ては始まってるんだなぁ。まだカミさんの腹の中から出てきてないだけだな。しかしそう考えると、出産というのは凄まじい儀式だなと思う。腹の中から細胞と細胞が合体して成長した生き物が出てくるんだから。これはとんでもないことだ。心してかからねば。そのためにも今日この日を無事に乗り越えねば。

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