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「ゲイってどういう生き物?」

「ぼく、ゲイですよ」──誰かに問われればぼくはそう答えています。そもそも隠していません。わざわざ自分から言ったりはしませんが、家族も友人もみな知っています。
もしかしたらそれでぼくを嫌って避けていたり、裏で何か言っていたりするのかもしれません。が、気にしていません。
気にしないまま、ふつうの社会人生活を送っています。

しかしそうすると、たまにお酒の席などで、悪意などまったくなく、「えっ? じゃあ、ゲイの人って──」といろいろ聞かれたりもします。
最近一番驚いたのが、「ゲイの人って、女の人のおっぱいを見ても勃ったりしないんですか?」でした。──しません!(笑)

まだ若い彼は探究心が強いのか、酔っ払っていたのか、次々と質問を重ねてきました。ええ、何でも答えますよ。
が、できるだけのことを答えながら私が思っていたのは……そうか、"ふつうの"人にとっては、「LGBTの人権とは」とか「同性婚が社会に与える影響は」とか言ってる段階じゃないんだ」、ということでした。
「そっか、そこから始めなきゃいけないんだ!」

以下、彼の質問をもとに、初歩の初歩から「ゲイってどういう生き物なの?」という疑問に答えてみます。
※ ただし下に私が書くことはLGBTQのうちのG当事者の回答でしかない(= Gを除いたLBTQ+については不正確である可能性がある)こと、それも私という一個人の感覚におもねられていること、前提としてお知りおきください。


▶女性との性交渉の経験はないんですか?
▷ぼく自身は、ゼロです。まったくないです。
ただし、女性との性交渉経験のあるゲイもたくさんいますよ。
とくに最近の若い世代には、それまであやふやだったものが「女性とSEXしてみて初めて自分がゲイだと確信できた」という人も多いです。

▶ゲイの人は、女性の性器を見ても興奮しない? 女性器を見たことは?
▷私はバイっ気のかけらもない、100%のゲイの男性です。性欲が女性に向くことはありません。

とはいえ、女性の身体の曲線を「美しい」とは感じます。胸部、腰部、臀部、なんなら少したるんだ柔らかい二の腕も、キュッと締まった足首も。

しかし………女性の曲線の中でもあの部分、あの部分には1mmも美しさを感じ取ることができません。
実物を見たことはないのですが、もし見たとしたら一番に感じるのは「グロい!!」でしょう。勘弁してほしいです。(遠くに女性たちの声が聞こえた気がします。「おまえがいうな、男のもグロいんじゃあ!!」。ハイ、ごもっともです)

【よってまずはのご回答】男性同性愛者が女性器を見て性的に興奮することはありません。

【回答の補足 ①】人間をなんの文化的・社会的制約もなしに野放しで育てると、「100% 異性愛(heterosexual)」や「100% 同性愛(homosexual)」になるより、「1〜99%のグラデーションのある両性愛(bisexual)に育つ」のがほとんどだろう、という研究があります。
Bisexualの人ならば、女性器を見て性的な興奮をすることは当たり前でしょうね。

私自身は幼い頃から「ぼくはホモだ、どうしよう、どうしよう、お父さんもお母さんも悲しむ、ぼくはどんな大人になるんだろう」と毎晩毎晩 強く考えてきたせいで、かえって自分を「100%のゲイ」に固定化させてしまった気がします。

【回答の補足 ②】Hetero(異性愛)の友人と馬鹿エロ話をしていましたら、彼はAVビデオを見ながらするべき何かをしているとき、「半分は男優の性器を見ていて(見えていないと興奮が半減する)」「最終的にはその男優の射精画面を見たい」のだそうです。異性愛者のくせに同性の性器を見たい?? ぼくより変態じゃん、と笑います。

【回答の補足 ③】同じ同性愛者(homosexual)と括られていますが、Lesbianの方々が、他人の男性器を見て性欲を催すことはまずないはずです。男性の性欲はご存知の通り即物的ですから、シリコン製のアダルトグッズを見ただけでも勃起する人は勃起します。が、Lesbianを含む女性の皆さんが、好きでもない男のその部分だけを見せられところで、「濡れる」ことは非常に少ないはずです(未確認)

【回答の補足 ④】てか男女に限らず、性器そのものって造形的にも雰囲気的にも「美しい」「セクシーだ」というよりは単に「グロい」ものではないでしょうか?? 本人の顔も感情もシチュエーションも映り込んでいない、ただ「性器だけ」の画像をSNSなどで送ったり送らせたりしている男性女性は少なくないようですが、あんなもん単体で見てエロティックに感じるんでしょうか? Hetero男性陣も、ときどき我に返って「なぜオレはこんな形のものを見たくて見たくてしかたないのだろう……」と思ってる方も多いはず(未確認ですがこれは確信)

▶女性の顔や乳房を見て美しいと思ったり性的興奮を覚えたりはしませんか?
▷明確に「はい」です。「ミロのビーナス」を見て「美しい」とは感じますが、性欲には結びつきません。たぶんヘテロ男性のみなさんが「ダビデ像」を見たときの感想とほぼ同じなのではないか、と。

好きな女優さんや女性アイドルもいますが、その美しいお顔を見ても「性欲」には無関係です。目から入ったデータが脳に届くまでにまるで違う回路を通っています。

▶逆に、ゲイの人はイケメン男性や引き締まった男の身体を見たら性欲には結びつきますか?
▷はい、結びつきます。
が、多くのゲイはヘテロの方々よりいわゆる「趣味」「タイプ」の幅が非常に広く、いわゆる「イケメン」だけが好まれるわけではないことには注意が必要かもしれません。

「デブ専」という言葉が既に一般用語として流通していますが、ゲイの中にはふつうは「醜」とされるものを性的に好む人がかなり多くいます。

年上に関しては「老け専」などの言葉もあり、「30以上は年上の人でないと性的対象にならない」という若い子もいますし、「まいう〜」の石塚さんがドタイプだという人も、「アンガールズの山根さんこそ!」という人もいます(ご両人、失礼しました!)。
基本的に「犬顔」「猿顔」は人気です。

もちろんいわゆる「イケメン」が好きな人がいちばん多いのですけれどね。

▷美醜のレンジが広いのは、「子どものころ矯正(??)してくれる人が周囲にいなかったから」とする説をよく聞きます(ただし飲み屋のバカ話レベルでの「説」)。
たとえば一般的な男子は子どもの頃から「乃木坂の○○がかわいい」「いや女優の○○が美人」といった会話を繰り返しながら、集団的な「美意識のメインストリート」が形成されるのだと思いますが、ゲイの場合そういったやりとりの機会が少ないため、生来持っていた美意識(性欲の対象としての美も含む)が「矯正」されることなく、千々なまま大人になるのですね。

▶逆に男性があからさまに「君、良い体してるね」「俺好みの顔だ」、もっとはっきり「やりたい気分だ。やろう」と性交をもちかけてきたら、嫌悪を感じますか、それとも光栄だと思いますか?
▷これはゲイ側を女性の立場に置き換えてくだされば、簡単です。女性と同じように、相手やタイミングにより、嫌悪を感じることは少なくありません(いや、多いです)。そして当然ですが、光栄に感じることもあります。しかし、いずれにせよ、行為に至るかどうかの確率は……女性より高いような気がいたします 笑(もちろん人によりますよ!)。多少のヤな面は目をつぶってとりあえずヤっとこか、という人は少なくないかと(このへん、「ヤリ〜」と呼ばれる異性愛の男性・女性も同じかも)。

もちろん「断られたらどうしよう……」などの逡巡はありますし、性に対して消極的に人もいますが、男性同士はいわば「ヤリたいもん同士」なので、男女の場合よりも、セックスに関する敷居は低いかもしれません。

(これがゲイが多淫であるという印象を深め、また印象だけでなく実際そういう傾向は高くあったので、80年代からのAIDS禍では男性同性愛者の間に大きな痛みを残してしまい、同時に、「AIDSはホモ特有の病気」という間違った情報が流布してしまいました)

▶ゲイの男は女性に人気がある、というのは本当ですか? 服装センスその他にも才能があり、女性とのコミュニケーションが上手いとか……
まずは大前提。よく「ゲイは男の気持ちも女の気持ちも分かるから云々」と言われますが、不正確です。究極のところ、「ゲイはゲイの気持ちしか分かりません」。もっといえば、ゲイがどうのこうのでなく、自分以外の他人の気持ちは分かりません。ヘタしたら自分の気持ちさえも分かりません。

ただし、ゲイの多くは「悩みに悩んで苦しんだ経験」があります。そこで、男女関係なく、「人の気持ちを慮る心の余裕」を有しているかも知れません。

「ゲイは女性に人気がある……」→ちょっと遠回りします。多くの女性は、自分が不本意に性的対象として見られている不快感を何度も経験しています
痴漢、強姦などはいうまでもなく、細かくは、大学のサークルの帰り道にちょっと酔った男子からの軽い(つもりの)発言に「え、友達だと思ってたのに、私を性的な目で見ていた!?」というような不快感、あるいは恐怖を感じた経験がある女性は多いはずです。「ちょっ、このまま私の部屋まで付いてくる気?? 私そんなつもり1mmもないんですけど!!」と。

※この点、男性は「自分が不本意に性的対象として見られていた」という不愉快な経験を持つ人の割合が少ないはずです。なので、ふつうの男友達だと思っていた相手にゲイだとカミングアウトされると、「ちょ、オレのこと狙ってる!?」と、必要以上の恐怖感を感じるようです。女性ほど、自分が性的対象として見られることに慣れていない。
つか、おめーのことなんか狙ってねーっつーの。半年筋トレしてから出直してこい。

上の②の先にあることとして、女性は、「ゲイの男の子といると、自分が性的に見られる可能性がない、バリアを張らなくてよい、無邪気に酔っ払っても危険が少ない」という意味で気楽なのだと思います。なので新宿二丁目でゲイと一緒に酒を飲むのを好む女性はつねに一定数います。※婚期が遅れます 笑

※ただし、すべてのゲイが女性とのコミュニケーションを好んでいるわけではありません。
女子の皆さん、あなたにゲイの知り合いがいても、いきなり自分の性の悩みなど相談してくるのはやめてくださいね。距離感、距離感。
※なんで上から目線なんだぼくは。

私の場合、いやほとんどのゲイの人々は、「自分がゲイだと知られているかどうか」は関係なく、仲良くなる人とは仲良くなりますし、気の合わない相手は男女関係なくいます。当たり前ですね。

▶ゲイの人は服装センスやそのほか才能があるとよく言われますよね?
▷あくまでもものすごくざっくりした世界観ですが、世の中には男性が「買う側」「見る側」、女性が「売る側」「見られる側」という意識があると思います(一般論です)。

ところがゲイは、男である自分が「買う側」「見る側」であると同時に、「買われる側」「見られる側」でもあるのです。「出世」「名誉」といった(いわゆる)男性的な要素だけでなく、「見た目」などでも、自分の売り物としての価値を高める努力をします。しばしば「服装センスその他才能があって」と評価されるのはそのためです。

※ノンケの男性諸君、なんできみらは思春期にはあんなに髪型や眉毛の形や洋服にこだわっていたのに、いい年になるとファッションを捨ててしまうのだ。高くなくていいから、清潔で皺のない服を着ろ。髪と眉毛と鼻毛にもう少しだけ気を遣え。あと口臭、体臭な。そのへんの無頓着さが好きだって人もいるけどさ、そこに期待しちゃいけないよ。
※だから、なんで上から目線なんだぼくは。

▷「才能」云々については、とりあえず二つあります。ひとつ目、脳の構造の関係で、男性ゲイは言語脳が発達している(外国語に強い、おしゃべりがうまい)という説があります。これ、真偽不明のまま議論されているので、また別の機会に。

▷二つ目、多くのゲイは、ふつううううの人々です。ふつうの社会人としてふつうの会社で働いています。が、彼らはわざわざ自分がゲイだと周囲に表明したりはしません。しかし服飾デザイナーや美容師さんなどの特定の職種でなおかつ突出した才能を持つ人々は、自分がゲイだと表明しやすい環境にあります(社会人ではあっても会社人ではないので)。なので世間的な露出も多く、現実以上に「ゲイは何らかの才能を持つ人が多い」と見られる傾向があります。

▶知り合った女性が貴方がゲイであることを知らずに、貴方に異性として興味を示してきた、という経験はおありですか?
▷何度もあります。私は美醜でいうと醜の部類ですが(美形の家系なのになんでぼくだけ!!)、まだ周囲にカミングアウトしていなかった中高時代、女性のほうから近寄ってきてくれた経験は一般的な男性より多いと思います。

▶そういう時は何といって恋愛ムードになるのを回避するのですか
▷ごめんなさい先述の通りぼくは大人になってからはフルオープンでカミングアウトしているので、もともと恋愛ムードになりません(中高時代、女の子と授業を抜け出してなんかの美術展とか行っているのを他の人たちが見て「恋愛ムード」だと勘違いし、やっかまれることはよくありました)。
しかし、たぶんその女の子たちは、私のことをゲイだと知らなくても、たぶん本能的に無意識に「こいつ(=私)は恋愛やセックス抜きで付き合える男子だ」と見なしていたと思います。女子の第六感、なめちゃダメです

▶ゲイってそんなにたくさんいるの?
▷各種統計によって違いますが(当たり前です、アンケート用紙を配られて「ぼくはゲイです!」と答えられる人はそんなに多くはありません、正確な統計はとれません)、過去数百人のゲイと友人として交流してきた経験値からいえば、「男性ゲイは人口の3〜5%くらい」だと思います。だいたい、小学校の2クラスに一人、男性ゲイがいるくらいの計算で概ね間違っていないと思います。

(すみません、女性ゲイ(L)、バイセクシュアル(B)、トランセクシャル(T)については「経験値」がないので分かりません)

▶ゲイを見分けることってできますか?
▷当事者同士でしたら、ある程度可能です。「ゲイアンテナ」ってのがありまして、道ですれ違いながら「あんたオカマでしょ」「おまえもな」という無言の会話をしていたりします。
※脱線:みなさん、「オカマ」という言葉はなるべく使わないでくださいね。ゲイ同士の中では、自嘲として使っています。が、それ以外の人に言われると、悪意がなくともやはり蔑意を感じます。お互いを「ニガー」と言い合っている黒色人種の人に対して、他の人種の人がそう言ったらブチのめされるのと同じです)。

で、ご質問、「ゲイを見分けること」について。
ヘテロのみなさんに分かりやすい例をいいますと、外国旅行をしたときなど、同じアジア人──チャイニーズ、コリアン、などなど──と日本人、なんとなく見分けがつきませんか? あれと同じです。ヘアスタイルやファッション、仕草などで、遠くから見ているだけでも、なんとなく分かります。

これが集団だと、日本人団体旅行者と同じで、まあ確実に分かりますね。

しかし地方(≒田舎)に行くと、そういった面を隠しに隠している人も多いので、ゲイアンテナは鈍ります。

▷ちなみにこれは世代の古い情報かもしれませんが、各々別の環境で育ったにもかかわらず、ゲイにはいろんな共通点があります。昔で言えば美空ひばりよりちあきなおみとか、聖子vs明菜とか、今で言えば世間的な評価とは逆にAKB〜なんとか坂よりハロプロ好きの方が多いとか、つかとにかく女性アイドル全般が好きだとか、このへん言い出したらキリがないし当事者からの激烈な反論も多そうなのでやめときます……。

▷なぜか学生時代のクラブ活動は、バレーボール、テニス、そして何より吹奏楽に偏ります。野球部出身の人はほとんどいません。(←今の10代とかは違うかも。誰か、いつかこのへんちゃんと研究して欲しい

ちなみにレズビアンの方々は、サッカー、フットサル、ソフトボールが多いです(←これも偏見かも。ただの個人的な経験知。誰かちゃんと検証して)。

※「吹奏楽部の男はゲイだ」「ソフトボール部の女はレズビアンだ」という逆の決めつけをすることはやめてくださいね。バカだと思われますよ。

▶女性ゲイ、レズビアンとは??
▷すみません、分かりません。「性的少数者」≒「LGBT」として一緒に括られていますが、GとLは共通部分もありつつ正反対でもある存在なので、ぼくが彼女らのことを語る資格はありません。

ふたつだけ。

男性同士のGは、必要以上に社会的優位にある「男性」同士ですから、女性同士のLの方々に比べ、経済的に恵まれていることが多いと思います。特にカップルの場合。政府、どうにかしろ

もひとつ。Lの方々は「レズ」と呼ばれることが多いですが、彼女らはその呼称を嫌っていると聞きます。主に男性向けのエロビデオのタイトルなどで使われてきた、歴史的経緯があるからです。なので、彼女らは自身のことを「ビアン」と呼ぶことが多いです。

▶LGBTの「T」、トランスジェンダーとは??
▷すみません、トランスジェンダーの方々については私のような「身体は男で自分のことも男だと思っている、ただ単純に同性が好きなだけ」のG(やL、B)とはいろんな意味で立場が異なります。私が彼ら / 彼女らについて語る資格はありません。身体の性と心の性が乖離している、それを「元に戻す」ためには命に関わるような手術を受けなければならないことなど、一緒くたにすべきでない事柄が多すぎます。が、ま、とりあえず一緒に楽しく生きていこうぜ、Tの方々。
※いいかげん上から目線やめろってば、オレ。

▶LGBTの「B」、バイセクシュアルとは?
▷暴言。ぼくが男しか相手にできないゲイだから言うけどなーーー、きみたちバイ、都合よすぎねーか??? 女性も愛せるから結婚もして世間的にはオッケー、で、身体だけの浮気は男とする。

…………冗談です、怒らないで! バイセクシュアルにはバイセクシュアルの苦悩があることはよく分かっています。心の中の乱れ模様は聞き知っています。
性に限らず、「どっちつかず」の不安定な状態って、辛いものなのですよ。

▶LGBTQ+の「Q+」とは??
▷ここまであえて言及を避けてきた「Q+」の人々(自分の心の性別が定まってない人、あえて定めていない人)、あるいはインターセクシュアル(身体的の方が男性でもあり女性でもある / 男性でもなく女性でもない人、など)の方々……ちょと待てちょと待て。分かる、ものすごくしんどいのも分かる。分かるつっても分かってないのも分かってる。分かっているというのは私の傲慢です。でも、いつか時代は来る。ちょっと待って、まずは簡単なほう、LGBあたりから世間さまに慣れてもらっていい?? ジェンダーが定まっていない人、身体的な性が定まっていない人、もうちょっとだけ待って。こんなワガママを言っているぼくを怒らないで、そして悲しまないで。おたがい、とりあえずは目先の楽しさをエサに楽しく生きていこうさ。
※上から目線……以下略。

※インターセクシュアルの方々については私は無知です。より正しい情報を得たい方は、こちらあたり▶ 「日本性分化疾患患者家族連絡会」をお調べになってみてください。

▶ゲイにとってのアナルセックスとは?
▷まず、「セックス = 挿入」、ではありません。挿入なしでも、十分以上にセックスは成立します。(少なくとも私はそう考えています)

また、これはよく誤解されているのですが、男性ゲイのみなが必ずしも肛門性交を好んでいるわけではありません。男性には「前立腺」という器官がありますので、肛門から直腸に「挿入」することでそれが刺激され、射精などとはまた違った性的快感を得られることは事実です。が、それがセックスのすべてではありません。

(でも、「先っぽだけでもいいから挿れさせて!」というよく聞く若い男の子の感覚は、とても直情的でかわいいですね 笑)

私自身は、相手が望めば挿入もしますが、望まれなければしません。これも「私個人」の感覚ですが、「征服感」がイコール「達成感」になります。自分が射精するかどうかもどうでもいいです。それより「相手のカラダや性感を手中にし掌で転がすこの感覚」が……←あまりに個人的な嗜好なので以下省略。需要なし。

▶結局、「性別」って何なのですか? たとえばマツコ・デラックスさんは男? 女?
ちょっとだけ難しい話になります。
日本語では簡単に「性別」と一括りにされていますが、細かく(しかし大雑把に)言えば、「性別」とは三つの別の概念を含んでいる、と思ってください。
 ・セックス (SEX)=身体の性別(男性か女性か)
 ・ジェンダー(Gender)=心の性別(男性か女性か)
 ・セクシュアリティ(Sexuality)=性欲の向かう方向(異性愛か同性愛か)
"ふつうの"方々は、たとえば上の三つが「男、男、異性愛」と揃っています。なので単純に「男性」と括られます(「女性」は逆)。
しかし、マツコ・デラックスさんは「心の性別」は「男性」じゃないかなあ……(つか男性です)。同じく有名どころでいうと、はるな愛さん(性別適合手術前)は、無理してオッサン声を出して笑わせるような芸風を持っていますが、心はもともと「女性」だと思います(本当はこのあたりの微妙なことを他人が勝手に想像してはいけないのですが)。

「多数派の人の"性別"・マツコさんの"性別"・愛さんの"性別"(すべて私感)」

私自身は「男・男・同性愛」です。マツコさんと同じ。ただマツコさんは「ドラァグ・クイーン」といって、ふだんは男着ですが、イベントやTVなどで「エンターテインメント」として女装しているだけです。←TVではみなさん自粛していますが、新宿二丁目の年末恒例行事「女装紅白歌合戦」なんてみんなコンプラなんかどこ吹く風、はっちゃけまくってて面白いんだ、これが。

▶オマケ:「gay」という言葉について
長くなってしまいました……。でももう少しだけ。
①上では「男性ゲイ」「女性ゲイ」と混乱するような表現をしてしまっていますが(読み返しながら「しまった」と思いましたが、もう直す気力がない)、「gay」という単語は狭義では「男性同性愛者」を指すものの、広義では「同性愛者全般」、つまり「ゲイ」「レズビアン」の両方を指します。

②もひとつ。
「gay」という単語は元々「明るい、陽気な」という意味の形容詞です。
本当は分かっているのです、「隣に住んでいるだけでも気持ち悪い」と言われることも、「生産性がない」と言われることも、「自然に反している」「日本の伝統的な家族像を壊す」と言われることも。
だから仲間内で自嘲して、いろんなことを笑い飛ばしているのです。
ただ私は、私は、かつての自分がそうであったように、思春期に入りたての子どもが自分の性について悩み泣くことを望みません。
私はまだランドセルを背負っている頃から自分のセクシュアリティに気付き、親に聞こえないよう、枕に顔を押しつけて泣いていました。
そのような社会は私たちの世代で終わってほしい、と思っています。

▶最後に
当事者のみなさん、特にGay以外のLBTQ+のみなさん、私ごときが勝手に代表のように書いてしまって、ごめんなさい(特にゲイのみなさんの「負の面」まで言及してしまったこと、どうかお許しください)。
でも、世間さまにはこの段階から説明しなくてはならないようなのですよ。
ここまで長い分を書きつつも、実のところ私は世間全体に「理解してほしい」とまでは思っていません。
ただ、「慣れてほしい」とだけ考えています。

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