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街中のティッシュやチラシ配り、受け取りますか?

ぼくは「人を人として扱わない」ことがキライで──というか、そういうことができないので、ティッシュやチラシが要らないときでも、急いでいるときでも、片手で軽く「要らない」と合図しながら、ちょっと会釈をする、みたいな仕草をします。


■ ところが、のお話 その① ピンク系の外国人お姉さんの場合
ぼくが住んでいるマンションは、いわゆる「歓楽街」を通るのが一番近道です。
で、おそらくは東アジアから来た女性たちが、「オニーサン、寄ッテッテー!」
「今モウ ママ帰ッタカラ、何デモ出来ルヨーー!」とかなり近くまで寄ってくるのですね。

たぶん、彼女らはそんな仕事がしたくて日本に来たわけではないでしょう。事情はいろいろ、なんだと思います。

しかしですねーーー、彼女たち、ホントに頑張る。もっと言えば、しつこい。こっちが片手で合図したり軽く会釈したりしようものなら、「これはイケる」判断されるのでしょう、もう、信号から次の信号までは付いてきてくれます。「カワイイ子、イッパイイルヨー、3千円ダヨー」と。
なのでぼくはもう、彼女らに関しては、「人を人として扱う」ことを諦めました。完全無視、です。心が痛みますが、そうしないと本当に諦めてくれないんだもん。


■ ところが、のお話 その② 自分のお話
これはつい先日の話なのですが、新しい仕事を始めた後輩女子に頼まれて、半日ほど街中でチラシ捲くのを手伝いました。今回は捲く側。

そしたらですね、受け取ってくれるのはたぶん五分の一くらい。片手で「要らない」という仕草をしてくれる方が、3割くらい。「大変だねえ、頑張ってね」と言ってくれた優しいお方が一人。

あとの方々はね、「ぼくなんか視界に入っていない」ように動くんですよ。ぼくの目も見てくれない。ぼくがそこにいる、ということを完全無視。友達としゃべっている女性2、3人連れなんかは、たぶん今までナンパなどでイヤな思いをしたことがあるのでしょうね、誰もこちらを一瞥もせず、おしゃべりを続けてる。

要するに、ぼくを「人間扱いしていない」。
これはねえ、プライド ズタズタになりますよ。


みなさん、特に卑猥なお店の方のチラシなど要らない、なんなら迷惑だ、ってのは分かってます。受け取らなくてもいいです。ぼくもそうしています。

でも、そういうの以外は、せめて人間扱いしてあげて。

片手でちょっと「要らない」って仕草をしてあげて。いや、せめて顔を見てあげるだけでもいい。


■ ところが、のお話 その③ 男の人の呼び込みの場合
上で「家が歓楽街に近い」ってことはお話ししましたが、男性の呼び込みも増えましたね。この人たちも、基本無視してます。無視するようになりました。だって、ホントにしつこい以下略。

ぼくもいい加減お酒飲んでヘロヘロのとき、若い男の子が道端に立って

「おっぱい揉み放題ですよー」
「うち、巨乳ぞろいですよー」

なんてそれぞれ工夫を凝らした呼び込みをしているのをいつも聞き流しながら通り過ぎているのですが、
一度、「オッパイ担当大臣です!」と言われたときにはさすがにちょっと笑いました。

しかし申し訳ない、面倒なのはやっぱり面倒。
なぜならぼくはゲイなので。女の子には興味ない。

「ごめんぼくゲイだから、オッパイいらないー」
「若くて可愛い男の子いるなら行くかもー」

なんて事実をそのまま話しましたら、

「か…可愛い男の子もいますよ!」
 
さらには
「ぼ…ぼくじゃダメですかー?」

と返されたことがあります。
家がすぐそこじゃなかったら、ついて行ったかもしれない……笑




#創作大賞202  #エッセイ部門

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