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ささぼーという《バケモン》にあこがれて

ささぼーというカードゲーマーを紹介したい

主に「デュエル・マスターズ」(通称:デュエマ)というカードゲーム及びそのアプリゲームである「デュエル・マスターズ プレイス」(通称:デュエプレ)をプレーするカードゲーマーその腕前は2006年には日本一に輝いたことがあるほど

ASMR的にカードゲームのプレイ動画をよく観るのが寝る前のルーティンだった頃、ささぼーを見つけた。デュエマはわたしも小学生のときによく遊んだカードゲームだったのでその懐かしさを覚えると同時に小学生にはできなかったハイレベルな対戦におどろいた。

彼のゲームプレイも去ることながら、語意の枠組みに囚われない自由な言葉遣いや突飛な発想が好きになり、次第に切り抜き動画を始め片っ端から彼の動画を見漁る時期が去年の秋ごろにあった。

そんな中で知った彼が日本一に輝いた時のエピソードがすごく好きで、わかりやすく言えば、その1年間、イチローや大谷翔平のバットにかすりもさせない投球のような勝ち方をしたのだ

圧倒的な強さを誇った《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》という強いカードを使用した環境デッキ(主流になるほど強い構築のデッキのこと)に対して、誰も注目してなかった《お騒がせチューザ》というカードに活路を見出した結果、猛威を振るっていた環境デッキたちを見事に圧倒しささぼーは日本一になった。まるで漫画の主人公みたいだ。

その衝撃は凄まじかったようで、のちにこの《お騒がせチューザ》がプロモーションカードとして登場した際には、その功績を讃えるフレーバーテキストが収録された。

除去コントロールにあらずんば、デッキにあらず。除去デッキが環境を支配し、クリーチャーデッキが存在できないと思われた世界でデュエキングとなったのは、誰も見たことのないネズミだった。 - 『サマー・ギャラクシー・リーグ』

DMEX-17《お騒がせチューザ》フレーバーテキストより

そんな彼はとにかくカードゲーム以外何もできない。30を超えた人間なのに「ヲ」が読めず「ヲタク」をヨタクと読むし、新幹線の座席にリュックを背負ったまま座り、食べたい駅弁の割りばしのビニールの開け方はわからない。最終学歴は高校中退、職歴なし。銀行口座開設の際には「職業:カードゲーマー」と名乗ったそうだ。冗談みたいな本当の事を申告している

引っ越した家のお湯が出ない風呂に入りたくてケトルで沸したお湯を浴槽に注ぐなど、バカと天才は紙一重を地で行く人物だ。ここまで極端な人間はかなり珍しい。

傍から見て社会ですごく生きにくそうなはずなのに、すごく明け透けで前向きなのがかわいい。カリスマとはこういう人なんだとおもう。そんなカリスマにわたしはある日惚れ込んでしまった。

彼がわたしと同じ1992年生まれであることも大きい。シャカパチしてもなれないその存在に憧憬や嫉妬を感じてる。もはや努力するしか能力を獲得する術が残されてないわたしには彼がとても眩しく見える。けっして彼の額が広いからではない

同じ時代を生きていた彼には世界がどう見ていて、何を思って考えてきたのか、彼の頭の中にすごく興味がある。この頭脳がもしカードゲームではなく将棋やチェスに向いていたならどうなっただろう。一度でいいから直接話がしてみたい

そんな才能をもってしても現実はカードゲームのようにひっくり返えせるわけではない。一般的に、この世の中にカードゲーマーなんて職業はないだがしかし、ささぼーの天職を真に問うたならばカードゲーマー以外ありえない。そんな哀愁を背負いながら彼は今日もシャカパチをする。そんなところも彼を応援せずにはいられない気持ちにさせてくれる。

元・日本一であるささぼーは2006年の大会優勝後ほどなくしてデュエル・マスターズから身を引く。しかしながら現在、YouTube活動開始をきっかけにふたたび現代デュエル・マスターズ(現代サッカーなどの”現代”の意)で日本一を目指しているという。

様々な現役プレイヤーの助けを得ながら、衰えぬ高いゲームIQでスポンジのように現代デュエマを吸収してゆき、DMGP(発売元であるタカラ・トミー公認の公式大会)2023 決勝Roundに出場するまでに至っている。2006年から2023年に時を超えてなお強者であることを証明した躍進は、かつての主人公の第2章が現在進行してるようだ。

同じ時を紆余曲折に生きてきて、再起を図る彼がふたたび優勝を達成する事を願い、今回はここで筆を置く。何も考えずにめちゃくちゃおもしろいので定期的に繰り返し聞いている雑談まとめを貼付し、本テキストを〆る。

おしまい。


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