ひなあいノスタルジックロマンス

今週も『日向坂で会いましょう』おもしろかったですね。

今週は過去の自分に宛てた手紙を朗読する「あの頃の自分に手紙を書きましょう!!」企画。以前行われたアンガールズ田中さんゲスト回「芸能界をまだまだ生き抜こう!」企画のなかで登場した濱岸ひよりさんの「未来の自分に手紙を書く」をピックアップした企画となっている。「それ盛ってんで!」企画など、今年はまだまだ世間に見つかっていないメンバーをボトムアップしていこうと意識的に焦点をあてて企画をつくってるようにうかがえる。

内容は手紙をしたためて朗読するだけ。とても簡素。高級店か。
しかし、今年はめざしているだけあって、かなりアイドル色の濃い企画がつづいている。そもそもアイドル番組とはなにか?を定義しなくてはこの話は前進しないのだけど、そんな堅苦しいつまらないことは抜きにして、凪いだ気持ちで今回の感想でも話していこうじゃないか。

昔話っていいですよね。未成熟だった自分を振り返ったときの気恥ずかしさや成長をふくんだエピソードはどこか可笑しくてついつい詳しく聞きたくなる。齊藤京子さんの話は振り返らないとでてこないストーリーだったので、朗読もふくめておもしろいものが見られた。

ちなみに、わたしは中学生のとき好きな女の子に告白しようと、電話口で15分沈黙したことがある。もちろん失敗した。電話してるとき目の前に友達がいた、とか、翌日その子と付き合ってた先輩に「ゴメンな!」とすれ違いざまに言われたとき、シャツの下に黒Tシャツ着てシルバーのネックレスしてたな、とか、無意識の琴線にふれているちょっとした出来事のほうが、意外と細かいところまで覚えてるもんで、人間の記憶とは不思議なものだ。

バラエティ番組じゃなかなか聞けない昔のちょっとした話というのはとても貴重で、アイドル番組ならではのおもしろさなのかもしれない。記憶の足あとであるモノ(例えば、学校帰り時間帯の風景、当時好きだった音楽など)によって思い出はよみがえるので、この企画、モノボケのようにテーブルに雑貨をならべて適当に選んだモノから思い出したエピソードをトークする、なんてぐあいにアップデートしたらおもしろそうだ。というか友達と今度やってみようかな。

思い出ときいて、眉月じゅん『九龍ジェネリックロマンス』の「”なつかしい”って感情は恋と同じだと思ってる」というセリフを思い出した。
ひとは思い出に生かされる生き物なので、いま世間をとりまく閉塞感が晴れないのは、思い出が生産されないからなんじゃないかと思うことが最近増えた。コロナのご時世になって1年ちょっと、”なつかしい”へのあこがれは募る一方で、先日たまらなくなりmihimaru GTを聴いた。すごくなつかしかった。”なつかしい”は、オードリーがキン肉マンでキャッキャしているように、分かち合うとうれしくなる作用がある。今回ご相伴に預かれて、なにかが救われたような気持ちになった。

ハートフルだった今回の企画を振り返ってみて、この30分は”なつかしい”を分かち合おうした素敵な時間だったことに気づけた。
来週のヒット祈願はどんなことにが行われるのだろうか、楽しみだ。

おしまい。

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