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故郷に見送られながら『日向坂で会いましょう』航空1時5分発

2023年11月8日水曜日に日向坂46 2ndアルバム『脈打つ感情』がリリースされた。前作「ひなたざか」から約3年ぶりとなるアルバムは「ライブ」をテーマにセットリストのように配置された曲順などで構成されている。幸運にも『Happy Train Tour 2023』追加公演の乗車券を手に入れることができたので、これを聞いて発車時刻を待ちたいとおもう。

ということは今回の『日向坂で会いましょう』はもちろん、新譜発売恒例のヒットキャンペーン企画。ジャケット写真のテーマ「旅」、リード曲『0から1になれ』にちなみ、アルバムリード曲のセンターを務める佐々木久美が日向坂46の原点となった思い出の地を巡りつつPRとしてポスターを貼って宣伝をおこなう【思い出の地で原点回帰!ポスター配布の旅】。東京ドーム、Zepp Sapporo、Zepp Namba、ポートメッセなごやの4か所の周辺にメンバーのメッセージ入りポスター31枚を貼付する。

すごく良かった。この企画が佐々木久美でよかった。たとえセンターが彼女じゃなかったとしても彼女でなくてはいけなかったとさえ思う。

キャプテンとしてグループを牽引してきた彼女が各地の記憶を巡りながらけやき坂46時代から日向坂46へ、過去から現在へと地続きにつないだロケは、東京ドームを成功させて半ば燃え尽き症候群に陥っていた日向坂46が再度奮起するために初心を振り返っていて、その象徴として佐々木久美が選ばれたのはもはた必然的であった。

ポスター掲載をきっかけに人々と交流していたところもよかった。例えば会場に1万人いればそれは演者と観客の1万組、ライブとは1対1の「いま・ここ」の感覚の共有であるというのが個人的な感触である。それは共同作業的であるがゆえに特殊な状態であり、しばしばライブで感じることのできる”一体感”とはこの1対1が複数多様に網目状のネットワークが張り巡らされた集団的”ゾーン”のような集中力だと考えている。

日向坂ひゅうがざかで出会ったファンをはじめ、様々な人々との交流をつうじて告知ポスターを配布する様子はライブの熱狂を支える1対1に通じるところだとおもった。握手会やミート&グリートだって日常的な1対1である。今回のヒットキャンペーンは都市に宣伝を打つその宣伝効果の狙いも有効的であったし、「日向坂46のライブ」で起きる現象を視覚的に提供していたように感じたし、いまこの時にしかできない「いま・ここ」の企画だったとおもう。

原点を見直し、そして改めてライブへと強く踏みだした日向坂46とKアリーナで一体となれる日をこれから楽しみに過ごしていこうと思う。

おしまい。

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