見出し画像

ぶりっ子で彼女たちは無敵になった。

今週も『日向坂で会いましょう』本当に面白かったですねえ。

まさにtheアイドル番組な、かわいらしい仕草やシチュエーションで可愛さを競うぶりっ子選手権。
柿崎さんvs宮田さんの尻相撲で発生しオードリーを必要せず笑いを起こす武器となり、様々な企画の中で揉まれ大きく成長した、ひなあいのキーワード”ぶりっ子”
ひらがな推し時代に開催された選手権の、第2回となるぶりっ子選手権が昨日開催された。

わたしはこの企画のアイドル番組の体を保つギリギリいっぱいのおふざけが大好きで、ここ1週間はあれこれ期待が膨らんで仕方がなかった。

前回王者・柿崎芽実さんが不在の今、空の玉座に腰かけるのは一体誰なのか。
無冠の帝王・宮田愛萌さんか、ぶりっ子に”やっている”という概念を持ち込んだ渡邉美穂さんなのか、他にも成長を遂げたメンバーはたくさんいるし、新3期生もいる。ぶっちゃけ全員が優勝の可能性を秘めている。

ぶりっ子選手権はファンの間でも大人気の企画。
制作陣の気合だって半端じゃないはず。どんな面白い企画が待ってるんだろうか。

そして迎えた当日。
とても永い1日だった。

長いあいだ拡大解釈を繰り返し、パンパンに膨らんだ”ぶりっ子”
リモート収録、ソーシャルディスタンスなどにより、思うようにバラエティができない彼女たちのフラストレーション
25時5分。針を落とすように第2回ぶりっ子選手権は開催された。

めっちゃくちゃ面白かった。
何がどうとか考える間も与えず番組は終わってしまった。
すかさずもう1回。やっぱりめちゃくちゃ面白い。なんならちょっと感動を覚えてるくらいだ。

ぶりっ子の仮面で、彼女たちは無敵になった。
ガヤについて若林さんが強めにツッコんだ時も、ぶりっ子で押し返していた。珍しくオードリーが活躍してなかったといってもいいくらい彼女たちは最強だった。

今日1日これをどう形容しようか持ちうる言葉をいくら攫ってもできなかった。それくらい面白かった。
何回目の視聴だっただろうか。ようやっと冷静になれたとき、はたと気がついたことがある。

内容がない。

「喜怒哀楽」に沿ったぶりっ子ポーズでアザトカワイさを競ったり、どれだけアザトカワイく跳べたかを競うぶりっ子走り高跳び。
いやどういうことだよ。理論が変な形で成立しちゃってる。

拡大解釈は”ぶりっ子”だけじゃなく”ぶりっ子選手権”にも及んでいた。
アイドルバラエティ番組の軸足がまだアイドルに残っていた前回から1年半、完全に重心がバラエティに移っていた。
現象として、企画すべてが”ぶりっ子”をキーワードとした大喜利だった。
演者、特に日向坂メンバーたちにはものすごくハードな要求だったはず。
その要求に応えんとする思考回路のオーバーヒートが、30分ずーっとメンバーの様子がおかしくさせた。
その高熱は伝導していき、やがて撮影しているカメラマン(通称・ゆるふわカメラマン)の行動も変化させた。

とはいえバラエティを謳っているとはいえどアイドル番組。
観ている人は各々の推しのかわいい瞬間を見逃すまいと画面に釘付けだっただろう。

とはいえやっていることは全編ぶりっ子。
情報公開の時代で、推しの知られざる一面が見れることに喜びを覚える昨今のファンが、100%嘘で塗り固めたキャラを演じる姿をみてファン心理は満足できたのだろうか。

画面いっぱいに巻き起こるハチャメチャでこれでもかとお腹を抱えながらも、この欲望は十全に満たされることとなった。

ハードな大喜利に挑戦し、一生懸命ぶりっ子に徹するメンバーがふと我に返ったときに見せる恥じらい。
かわいい自撮りや素敵な衣装に身を纏って歌って踊る姿にも勝る、かわいい瞬間がそこにはあった。

かの太宰治もこう言っている。
「ぶりっ子なんて、覚えると同時に忘れてしまってもいいものなんだ。けれども、全部忘れてしまっても、そのぶりっ子の底に一つかみの砂金が残っているものだ。これだ。これが貴いのだ。」と。

意図的に生み出せない砂金を私たちファンは頂いた。
99のバラエティと1のアイドルの黄金比が”ぶりっ子”に集約された素晴らしい放送だった。後編となる来週放送も本当に楽しみだ。

おしまい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?