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『日向坂で会いましょう』で立ち向かいつづけるミホワタナベ。

今週も『日向坂で会いましょう』おもしろかったですね。

今週は大好評、高瀬愛奈の「それは盛ってるで!」企画の第3回目。当初のトークの盛り具合を探るなんてテーマはどこへやら、メンバーによる暴露話でお互いのキャラを削り合うハードな企画へと様相が変化しつつある。というのも今回のあるある対象者である佐々木美玲さん渡邉美穂さん、とくに渡邉さんが対象だったことがそれを加速させた原因だろう。

第3回盛ってるで企画は、佐々木美玲さんと渡邉さんの対比がおもしろかった。いま思えばこの組み合わせは意図されたものかもしれない。天然と計算。剛と柔。それほどふたりはとても対照的だった。

佐々木美玲さんのエピソードから、自分のしたいことが明確にあって多少の問題があろうと実行する芯の強さが読み取れた。彼女の魅力の源泉に少しふれられたと感じると同時に表現者なんだなと思った。

対して渡邉さんは体現者といえようか。わたしから見て渡邉美穂という人物はタレントとしてある一定のレベルに達しているとおもう。アイドルとしての仕事や振る舞い、付随する演技やタレント業など何でもそつなくこなせる能力は非常に高い水準をもっている。彼女はとても頭が良く、求められている/求められるであろう事項がわかってしまうので、今回の企画ではできすぎてるほどリアクションが完璧だった

しかし一方で、的確なアンサーは返せても自ら発信することは苦手としている節が会話のなかで伺えた。これは体育会系で育ったからだろうなと思う。心当たりがある。

対戦型スポーツだと、相手の動きを予測したり即座に最適な選択をしたり、試合中のプレーの大半がリアクションになる。わたしが思うにスポーツ選手の大半は体現者で、天才と言われるプレイヤーはクリエイティビティにあふれる表現者なのだろう。想像の範囲を超えないが、アイドル以前にとことん追求してきた経験が渡邉さんをそうさせているんだろうと同情する。

はっきりいってしまえば、渡邉さんは高い能力がある故に、彼女にこれといった個性がない。良くいえばユーティリティープレイヤー、わるく言えば器用貧乏。佐々木さんの魅力を説明しようとすると抽象的な言葉が並んでしまうが、渡邉さんではある程度論理的に説明できてしまう。今回のあるある対象者のふたりには明確にタイプの違いがあった。そしてそれはこの番組でも話題にあがる「天然/やってる」という区分けに重なって来るのだろう

もしかしたらそのタイプすらも把握してるからこそ、与えられた使命に気負ってしまい仮面をつくってしまうのだろう。だからこそ彼女もまた、この企画にうってつけの人材だったと言える。ひとの仮面が強硬であればあるほど、そこにある不安や自信のなさをわたしたちは見つけ出し、おもしろがってしまうのだ。

外面をつくることで、番組に必要とされるメリットと個性を失われてしまうデメリットを理解しつつ、天賦の個性をもつようなメンバーがうらやましく、それがないものねだりであることもわかっていて。理想と現実の葛藤が渡邉美穂さんにはある。だからこそ渡邉さんはつくづくアイドルだとおもう。

さいごに、今回は渡邉美穂という存在によって「それは盛ってるで!」企画の新たな一面が見られた。そしてこれから回を重ね、対象メンバーが変わるごとに姿かたちを変えるおもしろい企画なんだと思わせてくれた。今後もどうなっていくのか楽しみだ。

おしまい。



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