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『日向坂で会いましょう』から学ぶ会話術。言葉をしらないあの子に振り回されないために。

今週も『日向坂で会いましょう』おもしろかったですね。

前回、あるテーマでメンバーをランキングする【なんでもランキング】企画と予告されていたが、【THE タイマン】企画で「3週分箱馬に座らされた」と齊藤京子さんからのクレームをうけ企画をマイナーチェンジ。齊藤さんのレギュラー番組『キョコロヒー』にて発覚した”『日向撮』の巻末メンバーアンケートで齊藤京子の名前が一切挙がっていない”問題を解消すべく、齊藤さんが1位になれると思った項目でアンケートをとった【これなら私がNo.1 何でも京子ランキング‼】企画。いわゆるメンバーフィーチャー企画である。

齊藤さんといえば「感動しそうです」など、おかしな言語感覚の持ち主である。言葉遣いだけでなくコミュニケーションもおかしい。

『キョコロヒー』開始当初、「趣味は家に帰ることくらいしかない」と話していた齊藤さんがその後の収録で、一時期アンケートで書いていたほど旅行が趣味だということを言い出した。齊藤さん曰く、「圧倒的って言われると家に帰る(ことがそれに該当する)」だそうだ。怖い話だが「圧倒的1位は何か」とは誰も聞いていない。彼女が言うには相手の話題のなかのある単語から勝手な解釈で話を別方向に展開してしまうそう。ちゃんと話を聞きなさい

文章を書いているわたしからすれば、ブログや番組での発言を聞いているとどうにかなってしまいそうなほど、単語の使い方や表現が独特で、的外れではあるけど的を大きく外してるわけでもない言葉えらびに居心地のわるさを覚える。『キョコロヒー』を見ていてたまにウンザリしてしまう。

言いきってしまえば言葉を知らないのだ。しかしここが齊藤さんの不思議なところなんだけど、会話において言葉はスラスラと出てくるし、トークのキャッチボールはスムーズに進んでいくのだ。

わたしが思うに、齊藤さんはせっかちなんだろう。齊藤さんは言いたいことのイメージやヴィジョンは明確にもっている。ただそれを的確に伝える言葉を持ち合わせていない。そこで、伝えたいことに輪郭を持たせるために思いついたとおりに言葉を並べて浮き彫りにする手段をとっているのではないかと思う。だから時に整合性を欠いてしまい「趣味は家に帰ることしかないけど、旅行が趣味。」なんてイカれた有様を露呈してしまうのだった。

だから齊藤さんを見ているとヒヤヒヤする。このままいくと間違いなくオオカミ少年になる。まともなひとはどんどん離れていくことも想像に難くないので、どうにか快方に向かうのを祈るばかりだ。

と、こんな無茶苦茶なコミュニケーションを展開し、ときに大袈裟に言い過ぎてしまう齊藤さんの性格を上手く利用している今回の企画の軸。またなんか変なこと言ってモヤモヤするのかな、なんて思っていたがそんなことは全くなく、とても見やすかった。まごうことなき若林さんの功績だ。今週は若林さんの対話術がすごく勉強になった

みなさんもご存じの通り、的外れなことを言う人は若林さんにとって慣れたものである。齊藤さんが変な言葉を使ったとしても、意図を汲んで何事なかったように会話をつづけていたし、ヒートアップして捲し立てるように齊藤さんが食いついてきたときも、言葉をつむぐテンポを一定に保ち、ディスカッションに安定感を生み出していた。

質問の仕方もよかった。5W1Hを明確にしたうえで、テーマの範囲をちいさく絞って、短く、端的に、やわらかく尋ねていた。ある項目で「自分に票を投じてるひとはどれくらいいるか?」ということを聞きたいところを「票を入れてるメンバー何人いると思う?」と切り出している。たとえばこれが齊藤さんでないトークが苦手なメンバーも数字を言えば返答ができるくらい、簡単に答えられるところまでハンズアップしている、あとはその目印にむかって投げればいいだけ。そのために言葉を精査している過程もうかがえる。

『あちこちオードリー』でもこの方法でいろんな人から話を引き出しているけれど、核心まで、フローチャートをひとつひとつクリアしていくような、すごく地道で根気のいる投げかけだと思う。今回違和をあまり感じなかったのは、そういった簡潔で丁寧な質問の成果だったんだろうなと感じた。

来週は過去の自分に手紙を送る手紙企画第2弾。高本さんの贔屓や潮さんのひみつ道具など久しぶりで心おどるシーンが出てきそうで楽しみだ。

おしまい。

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