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鈴木たろうプロが手牌を崩したプレーとその裁定…を考える

Mリーグ2023-24・ファイナル6日目、第1試合の南1局に事件は起こった。たろうプロが手牌を揃えるときに、誤って手牌を崩してしまい、手牌の内6枚と牌山から崩れた2牌を他3人に見せることとなった。

Mリーグの試合中、牌山を崩してしまい1枚見せ牌になってしまう、ということはしばしばある。しかしここまでの枚数の見せ牌というのはこれまでにはない事態であった。

これに対し審判は見せ牌は多かったものの、競技の続行は可能だ、と判断しチョンボではなく、イエローカード1枚をたろうプロに提示し、そのままゲームは続行となった。

一応説明しておくと、Mリーグにおいてチョンボをすると、個人のポイントが-20され、その局がやり直しになる。イエローカードは1枚では何も起こらないが、同日中に2枚目のイエローカードが出た場合はチョンボと同じ扱いとなる。

この一連の話、および今回の裁定について個人的にちょっと考えてみたい。

まず、今回の裁定がどのルールによって行われたか、であるが、Mリーグの競技規定を引用する。競技規定の第7章第4条2.(5)「築牌時に山を壊すなど、競技続行を不可能にした場合はチョンボとなる。」…とある。これに則るとたろうプロの行為は一見チョンボのように思われる。

ただ審判としては、山が見えたとはいえ2枚と少なく、手牌と山の牌が混ざったりするなどして、競技続行が不可能な状態ではない…と判断したのだろう。この場合には、規定の第7章第5条5.(2)「故意とは認められないものの、2枚以上の見せ牌をした場合(山・手牌共通)」を採用し、イエローカードが出る…とこうなるわけである。

裁定としてはルールに則ってキチンと行われていることは分かる。しかし、この判断が…特にルールの「解釈の仕方」が個人的には少しばかり気になるのである。

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