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☆書評☆白痴

毎度どうもこんばんわ

昨日遅めの時間にスーパー銭湯へ行ったのですが、幸いにも人はまばらでした

サウナ⇒水風呂のサイクルを3回ほどやったのですが、終わった後はなんだか体が軽くスッキリしたような気持になりました

これが世間のいう「ととのう」なんでしょうか?

言葉は意味はきちんと理解していませんで、明日にでも関連本を本屋さんで1冊探してみようかと思います


さてさて、今日は書評をひとつ

坂口安吾著 白痴

あまりこの言葉自体使われることは少なくなりましたが

• 重度の知的障害の呼び方
• idiotをはじめとするヨーロッパ語の同様の単語の日本語訳

といった説明が辞書にありました

作品自体は1946年と80年以上前のものになります

作品の登場人物に上記のような人が出てきます

また、1999年には映画化もされており、ストーリーを知りながら、当時の文字には理解しにくい人表情なんかも見れるのでお勧めです


基本的にはネタバレをしない方向で感想を語ります

刊行の年代がそうであるように、舞台は終戦間際の日本となっています

そこで重度の知的疾患がある人間と健常者の生活が、ひん曲がった生活の中で鮮やかに描かれていきます

私はこの作品で何が衝撃的だったかというと

1番は表現方法でした

女の肉体が増えたというだけだった

というような文字がならべてあるのですが

これは同居生活が始まったことを意味しています

こんなにも同族を、まして一緒に住む人間を卑下するような、あるいは自分を俯瞰して、達観して、諦観したような言葉があるのかと感じました

冷たい雫が、首に1滴落ちるようなぞわぞわする衝撃が走りました

そこからはすべてを食い入るように読み果ててしまいました


そしてこの作品は頭から尻まで、メトロノームのようでした

淡々と物語が進んでいくのです

どんな場面でも、何気ない会話も、危機が迫っている瞬間も
クライマックスの渦中にあっても

常に一定のスピードで物語が進みます

同じ流れで「たん、たん、たん」と

読み終わったときは少し体が軽くなったような気がしました

終戦間近の凄惨な日本の状況をただ現実として、素人が語る紙芝居のようにゆるりと進む

体がゆっくりと負荷がかかっていく

内に渦巻く激流のような思いを

冷静さで表した坂口先生

彼は元来物静かなタイプの人だったんじゃぁないかと思いました

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