Mackey fan note002「男はつらいっすねぇ」

1996年発売のアルバム「UNDERWEAR」収録の1曲。

まだ当時シングルの曲しか知らなかった(というかシングルという存在しか音楽にはないと思い込んでた)僕が、アルバムという存在を知り、アルバムにしか入っていない曲を片っ端から調べている中で、一番印象に残ったタイトルだった。

なんじゃこのタイトル?と気になって、アルバムを購入し聴きこむと、かなり軽くくだけた表現をしている歌詞を、ギターの主張がつよいロックなアレンジにのせて軽快に歌っている。
なんせ1番は、AメロBメロでつらつら女の子の気難しさに触れた後サビで言う事がトランクス1枚でウロウロしてても尊敬されるような男になりたいと叫んでて、従来の、そして現在の槇原敬之の曲のイメージとかなりかけ離れている。

ただ、この曲が収録された「UNDERWEAR」は、叶わなかった恋を回想するような曲、浮気された相手に1人ささやかに復讐する曲など、悲しさを含んだ重めのストーリーの曲が多いので、これらとのバランスを取るための緩衝材的な役割を担う意味もあるのかもしれない。

また、先ほど触れた内容は1番の歌詞だけど、2番になってくると段々とメッセージ性が垣間見えてくる。
2番はようは見かけとかステータスを着飾るより、挨拶とかちゃんと言える人が素敵だよね、的な歌詞があるのだが、ここらへんのメッセージはかなり後になって発売されたシングル「Good Morning」に通ずる部分がある。ようは2000年代のスタイルを確立する前から存在していたライフソングとも言えるんじゃないだろうか。

このアルバムを発売した当初、槇原敬之さんはラブソングばかり求められる現状が嫌になりこれを最後に引退する予定だったという噂がある(どこまで本当かわからんので半信半疑で)
なので歌詞の内容も、イメージと違うと言ったけど、現在のイメージから脱却する意思表示のように作られたのかもしれない。その象徴としているからこそのアルバムの一番手を飾ってるんだろう。

「UNDERWEAR」は、アルバム全体としても評価が高いのだが、中でも「PENGUIN」「うん」「THE END OF THE WORLD」「LOVELETTER」などの人気が群を抜いて高い(ように思う)。これらの影に隠れて「男はつらいっすねぇ」は地味目な印象を受けがちだけど、縁の下の力持ちとしてかなり高いクオリティを放っていると思うし、重要なポジションを担う曲だと思う。

単純な話で言えば、曲、アレンジも槇原さんの中ではかなりロック色がつよくてテンションを上げるのにも向いているのでオススメ。
ライブ映えする曲でもありそうなので、タイムトラベリングツアーではここらへんの長年歌われてない曲、ぜひ歌っていただきたい。

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