Mackey fan note022「猫がふんじゃった」

1993年発売のアルバム「SELF PORTRAIT」収録の一曲。

イントロと間奏のストリングスが印象的な楽曲。「映画」という単語が後半に入っているが、本当に外国の映画音楽のような雰囲気をまとっている。意識したのかどうかは当時の発言資料などを持ち合わせていないので分かりませんが。確かストリングスアレンジ、演奏も外国の方だったような。毎度うろ覚え。

アルバムのラスト、もしくは終盤をストリングスを強調したしっとりした曲で、というのはよく見るパターンなのだけど、どうしても、そういう曲は地味な印象がある。決して駄曲という意味じゃなく、ただ単に「これが一番好き」に挙がる事が少ないというか(自分の勝手なイメージ)。ただ、アルバムというのは全部が濃い目の味付けしてたら胃もたれ起こすし、そういう観点から見ると、きっちり役目をこなしている。本当に歌詞も曲も、歌い方さえも穏やかさを保っているので、眠りのお供にするのがぴったり。退屈な曲とかそういう意味で捉えられそうだけど、眠りに誘うような作りに意図してされているような感じもあるので、別に悪い意味ではない。歌詞の中でも最終的に登場人物はみんな眠ってるし、気持ちを落ち着かせるのにいい曲。

槇原敬之の作品としては異質といっていい、極力言葉を少なくして曲を聴かせにいくような印象の曲。4分以上あるけど歌詞がそこまで多くない。もう一つ珍しいことが、槇原敬之と言えばもっぱら犬だろうというイメージを持ちがちな中、テーマに猫を選んでいるところ。そのせいなのか、曲調がバンドで再現するには難しいからかは分からないけど、ライブにおいて歌われたこともほとんどない曲。ただし近年、槇原敬之は犬に加えて猫を1匹飼い始めた。もしかしたらこの出来事がきっかけでこの曲を再び聴ける機会も近い内に訪れるかもしれない。オーケストラ映えすると思うので、セレブレーションに期待してみたい。

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