Mackey fan note025「冬のコインランドリー」

2009年発売のシングル「ムゲンノカナタヘ~To infinity and beyond~」
2010年発売のアルバム「不安の中に手を突っ込んで」収録曲。

槇原敬之が得意としている冬をテーマにしたバラード。
歌声が少し反響している感じが、雪が降った後の冬の空気感をうまく演出している。発売された季節もありアルバムでは若干浮き気味にも思えるけど、シングルでは『ムゲンノカナタヘ」がエレキギターの音が全面に出たロック色の強いアップテンポな曲なので、対比として良い味を出している。歌詞は恋人との日常を切り取ったものだが、歌全体をとおして、コインランドリーに行くという人生にとって小さな出来事も自分には大切なものだというメッセージをさり気なく放り込んでいる。にしても2009年にコインランドリーという着眼点が何ともマニアック。当時、この人は世の中にある、あらゆるありふれた光景全部を曲にする気なんじゃないか?と思わされた記憶がある。地味ではあるものの毎年冬になると1回は聴きたくなる曲で、まだまだ年月を重ねれば重ねるほど良さが知られていくんじゃないだろうか。

この曲からさかのぼって1年前、「Personal Soundtracks」というアルバムに1998年発表の曲『Merry-go-round』のセルフカバーが収録された際、たしか会報誌のセルフライナーノーツにて「Personal Soundtracksには冬の曲がなく、クリスマスコンサートも開催するので入れた」というようなことが書かれてあって、「冬の曲がないなら新しく作ってくれ~」「昔の曲を引っ張り出すってことはもう冬を題材にした新曲は聴けないのか??」と自分は何となく寂しい気持ちになっていた。なので、この曲のタイトルを見た時、季節感のある曲もちゃんと書いてくれるんだと思って嬉しかったし、2008年に引き続き2009年も行われたクリスマスコンサートで、新しく冬の曲として加わったこの曲もしっかり歌い上げてくれた姿を(WOWOWの中継越しに)見て感慨深かったのを覚えている。


3、40分ってさんよんじゅっぷんって読む人間だったので、さんしじゅっぷんって読むことに違和感があったけど、こっちのほうがさらっと言えるからつい使っちゃうな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?