Mackey fan note005「SPY」

1994年発売のシングル。アルバム『PHATMACY』 にも収録。

そこまで今の人もパッと分かるほど有名な印象はないのだけど、シングルだと「どんなときも。」「もう恋なんてしない」に次ぐ、ミリオン1歩手前ぐらい売り上げてる曲。昔たくさん数字を調べたときの記憶がそう言ってるから多分合ってるはず。

自分は槇原敬之にどっぷりはまるまでこの曲も知らなかったし、SPYというタイトルも聞いたことはないはずなんだけど、初めて聴いたとき、サビだけ昔聴いたかのような感触があったので、もしかしたらどこかで聴いたことがあるのかも。この曲が発売された頃は2歳なので物心つく前か…実際、1度聴いたら覚えてしまうぐらいサビはキャッチーで、「どんなときも。」もそうだけど、同じフレーズ繰り返しって耳に残り易いんだろうか??「もう恋なんてしない」もなんてを繰り返してるし。これは若干こじ付けか。

この曲はとにかくストーリーテラー的な槇原敬之を堪能出来る楽曲。
曲の始まりから終わりまでが綺麗な起承転結になっていて、1番、2番全部を聴いて初めて一つの話として成立する。物語の構成も完璧に近くて、1番は前フリ、2番のAメロ最後で不穏な気配を漂わせ、Bメロで裏切りから一気にサビへ駆け抜けるという、物語とメロディーの調和の仕方が半端じゃない。
だけどこの曲、そこそこ有名なのでたまにテレビで披露する機会を見かけるのだけど、他の曲の例に漏れず、テレビで歌われる際は100%2番の歌詞をカットしたテレビサイズで披露される事が多い。
この曲のストーリーを本当にざっくりと雑に説明すると1番で街中で彼女を見かけて後をつけて驚かせようとする2番その彼女が浮気してたことが判明するCメロ大サビでその事を男が嘆くような内容になってるので、テレビサイズだと1番で彼女をイタズラ心で後をつける決心をした彼氏がその後急に嘆き始めるという意味不明な構成になっている。
(あとテレビは仕方ないにして、2005年のオーケストラライブだったかを映像で見たときにも2番を削って歌っていたのも謎だった。なぜ削りと一番相性の悪いこの曲を削ったんだろう。)
槇原敬之の楽曲は「お話を見てるみたい」と表現する人をよく見かけるし、実際その通りだと思うんだけど、ここまで「全て通して聴かないと何がなんだか分からない曲」ってこの曲ぐらいな気もする。他、例えば「僕が一番欲しかったもの」なんかは素敵な物をあげる人数が1人減るけど1番からCメロへ移行しても意味は通る。これは急に嘆き始めるからはてなが多い。
そんな下らない違和感はともかく、この曲をフルで聴いたときのまとまり方は相当なものなので、作詞作曲両面での天才ぷりを味わう為に是非聴いてもらいたい。

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